【勝手なスピンオフストーリー】 「桃次郎」
「桃太郎」:もう一つの物語
桃太郎が鬼ヶ島で鬼を退治し、奪われた宝や食べ物を村に持ち帰ったとき、村人たちは大いに喜びました。英雄となった桃太郎はおじいさんとおばあさんと共に平穏な日々を過ごしていました。しかし、ある静かな夕暮れ、再び不思議な出来事が起こります。
川からもう一つの桃
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、またもや大きな桃が流れてきました。「今度は何だろう」と不思議に思ったおばあさんは、その桃を家に持ち帰り、おじいさんと共に切ってみることにしました。すると、中から桃太郎が赤ちゃんの頃とそっくりなもう一人の男の子が現れたのです。
「これは…まさか、桃太郎の弟かもしれないねえ」とおばあさん。
その子は「桃次郎」と名付けられました。桃太郎は突然現れた弟に戸惑いながらも、弟として迎え入れることを決めました。
成長する桃次郎
桃次郎は桃太郎と同じくすくすくと育ちましたが、性格は兄とは少し違いました。桃太郎が勇敢でまっすぐな性格なのに対し、桃次郎は冷静で慎重、考えることが得意な子でした。
村では桃太郎の鬼退治の話がいまだに語り継がれていましたが、桃次郎はその影で「兄のように村に貢献したい」という思いを強くしていきました。
新たな脅威
ある日、村に奇妙な噂が広まりました。鬼ヶ島を逃げ延びた鬼の一族が、別の島で力を蓄えているというのです。さらに、その鬼たちは復讐のために再び村を襲う計画を立てているという情報がもたらされました。
村人たちは再び桃太郎に助けを求めましたが、桃太郎はこう言いました。
「今度は僕だけじゃなく、弟の桃次郎と一緒に行こう。二人で力を合わせれば、もっと確実に鬼を止められるはずだ!」
桃次郎は兄の言葉に驚きながらも、決意を新たにしました。「僕も戦えるように準備するよ!」と。
兄弟の冒険
桃太郎と桃次郎はきびだんごを持ち、再び旅に出ました。途中、前回の冒険で助けた犬、猿、キジが再び仲間に加わりました。桃次郎は慎重に地図を作り、鬼の新しい拠点への最短ルートを見つけました。
「兄さん、今回は力だけじゃなくて、知恵を使おう。鬼たちの弱点を突く作戦を立てよう」と桃次郎。
桃太郎は頷き、「よし、桃次郎の考えに従おう」と言いました。
鬼たちとの戦い
鬼の新しい拠点は、険しい山の中に隠されていました。兄弟は動物たちの力を借りて慎重に進み、鬼の集落を見つけました。桃次郎は兄に言いました。
「まずは鬼たちを分散させよう。その間に、僕たちは大将を倒す。」
計画通り、桃太郎は鬼たちの前に姿を現し、大声で挑発しました。一方、桃次郎は動物たちと共にこっそり鬼の大将のもとへ向かい、罠を仕掛けました。
最終的に、鬼の大将は桃次郎の知恵と、桃太郎の力強い一撃で倒されました。他の鬼たちは逃げ散り、もう二度と村を襲わないことを誓いました。
村への帰還
冒険を終えた兄弟が村に戻ると、村人たちは兄弟の活躍を称え、二人を「勇者兄弟」として迎えました。桃太郎はこう言いました。
「一人で戦うより、二人の方がずっと心強い。桃次郎、これからも力を合わせていこう!」
桃次郎も笑顔で答えました。「兄さんと一緒なら、どんな困難でも乗り越えられるよ!」
それからというもの、桃太郎と桃次郎は村の守り手として、村人たちに愛され続けたのでした。
おわり
こうして、桃の兄弟はそれぞれの強みを活かしながら、新たな物語を紡いでいったのです。