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第52試合「鬼ごっこ」

今週末にNOAHでGHCタッグタイトル戦が行われる。
だが、最近のタッグ戦線は下火になっている。
10日の前哨戦でも丸藤正道がタッグにも歴史があるとマイクで締めたが、ここ数年はタッグの価値が下がっているのは目に見えている。
実際、13日のメインをタッグタイトル戦で行うのも武藤敬司が絡んでいるからだろう。
今回の興行のタグが「mutoghctag」であるのもその証拠だ。

その武藤が前哨戦後、バックステージで言った一言がある。
「タッグはシャープ兄弟から始まった。」

シャープ兄弟と言えば、1950年代に日本プロレスに上がり、何度もタッグ王者として君臨していた言わばタッグの祖である。
そして、このタイミングでシャープ兄弟を出したのは、タッグ王者の地位向上の鍵なのかもしれない。

現在のタッグに足りないのはシャープ兄弟なのだ。
兄弟タッグなら新日本プロレスにG.O.Dが居るけど、そう言う意味では無い。
「シャープ兄弟」と言うタッグチーム名なのだ。

現在のタッグの考えだと、シングルプレイヤー2人の集まりなのだ。
だから現代にシャープ兄弟が居たら、表記はベン・シャープ&マイク・シャープとなるだろう。
日本のプロレス界を見ても、チーム名が付いたタッグは限られている。
昔だったら、シャープ兄弟から始まって、ザ・ファンクス、最凶悪コンビ、ブリティッシュ・ブルドッグス、師弟コンビ、龍原砲とこれでもまだ全部言えていない。
更に90年代は超世代軍やバーニングが席巻していた。
新日本でもスタイナー・ブラザーズからロード・ウォリアーズ、JJジャックス、NO LIMIT、ヤングバックスと各時代にタッグチームがいた。

しかし、現在は直ぐに出るチーム名としたらデンジャラスデッカーズかG.O.Dぐらいじゃ無いか。
AXIZは解散しちゃったし。ゴールデンスターは表立って活動していないし。
ましてや、その2チームも新日本プロレスのHP上ではチーム名は無い。
結局、世間は只の2選手の集まりと見ているのだ。

だが、その2選手の集まりでも絆は強いのは端から見ても分かる。
これがタッグチーム、そうタッグ屋なのだ。
バックステージで武藤が「1+1=2でも勝てる」と言った。
そう簡単に行かないのがタッグなのだ。
1+1が4にも8にも200にもなるのがタッグなのだ。

ただ、今のGHCタッグチャンピオンには出来るのだろうか?
マサ北宮vs中嶋勝彦の遺恨の余波で出来た急造タッグ。
マサは中嶋との因縁を一段落させて現在進む道が見えてこない。
清宮海斗も自分の道は見えても、このタッグの道を見ていない。
果たして、2人の絆は如何ほどに・・・。

(敬称略)

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