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第54試合「絶対王者」

現在、2022年元日に向けてNOAHが興行を行っている。
注目は潮崎豪復帰に伴うGHCヘビー級タイトルマッチ中嶋勝彦vs潮崎豪。
低迷から脱出した清宮海斗が来年の為にタイトル挑戦をする、GHCナショナル王座タイトルマッチ拳王vs清宮海斗。
そしてNOAHジュニアの絶対王者となるべく突き進むHAYATAが難関の壁、小川良成を迎え撃つGHCJrヘビー級タイトルマッチHAYATAvs小川良成である。

ジュニアヘビー級は実力があるものの、ヘビー級の人気に押されている感じはある。
これはどこの団体での同じであろう。
レスラーの小型化でヘビー級でも100kg以下の選手は多く、ジュニア特有の跳んだり走ったりの動きのあるレスリングがヘビーの世界でも見られるようになった。現在、ジュニアヘビーである理由が薄れつつあるのだ。
そんな中、HAYATAはGHCJrタイトルを防衛する事7回。
過去に7回防衛は鈴木鼓太郎(第20代)原田大輔(第27代)の2人しかおらず、その上の防衛記録である第26代・石森太二の10回が最多となるのだ。
HAYATAはこの時点でNOAHのレジェンドでもある小川を超えている。
だからこそ、この一番は来年のNOAH、そして今後のNOAHを占う上でも重要な一戦だ。

今回の防衛ロードは6月に小峠篤司(タイトル奪取)→日高郁人→YO-HEY→鈴木鼓太郎→原田大輔→NOSAWA論外→亜烈破→タダスケと6ヶ月で7回と言うハイスピードである。これだけの短期間で防衛戦を繰り返すのは凄い。(前述の鈴木も原田も9ヶ月掛かっている)
それだけでなく、試合内容も絶対王者なのだ。
HAYATAの試合はテクニカルな試合となるが、今防衛戦では相手のスタイルに合わせて闘い抜き、必殺技のヘデックを使わない試合もあった。
正しく相手の土俵で全て壊すと言う王者の風格である。

そんな王者でも一つ気がかりな事がある。
それは2020年1月4日、前回のチャンピオン時代に小川に負けてタイトルを失っている事だ。
2020年はまだラーテルズ在籍だった為小川と対戦が有ったが、その後スティンガー入り。NOAHは同ユニットでの対戦はまれにあるが、小川との対戦はこれまで無かった。
防衛回数では小川良成を越えたが、直接対決で勝たない事には真の小川越えは達成したとは言えない。
とは言え、小川も歴戦の勇。ヘビー級と戦い、GHCヘビー級のタイトルも獲った正真正銘のテクニシャンである。

タイトル陥落のリベンジ、そしてGHC最強のテクニシャンを倒す。
HAYATAは、2022年元日にHAYATA新時代への日の出を拝む事が出来るのか。

(敬称略)

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