noteにおける古典ギリシア語表示覚書
前提
noteのユーザー設定には「自分が投稿した記事を明朝体で表示する」という項目がある。確か、元々は明朝体が標準だったのだが、ある時ゴシック体が標準設定となるに際して「明朝体を使い続ける」オプションとしてこの項目が加えられた(その頃、私は記事を投稿していなかったけれど)。
しかしこのオプションは「ユーザー設定」内にある。つまり、ユーザー単位での設定であって、記事ごとの使い分けはできない(なぜそういう仕様になっているのかよくわからない)。
私は欧文中のイタリックを表示させる目的でnoteが数式記法と呼ぶところの $${\KaTeX}$$ の \italic を使うことにしたのだが、その表示が(私の環境だと)セリフ体になるので、統一感を出すために地の文も明朝体で表示することを選択している。(noteにおけるイタリック表示の試行錯誤については下記の記事参照:)
ただ、環境によっては必ずしも明朝体で表示されるわけではないらしい。
(以下、編集画面で入力している文字列を「コード表示」、本文に同じものを入力したもの、それを私がいくつかの環境で表示させた時のスクリーンショットの順で並べるのを何度か繰り返す。)
Michel Lejeune, $${\textit{Précis}}$$$${\textit{d’accentuation}}$$$${\textit{grecque,}}$$ 1945, 1967, Hachette.
Michel Lejeune, $${\textit{Précis}}$$$${\textit{d’accentuation}}$$$${\textit{grecque,}}$$ 1945, 1967, Hachette.
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
Mac&Safari の環境以外ではセリフ体になっていない…。どのみち、環境によってはセリフ体にならないなら、統一感は諦めてしまってもよいかもしれないが…。
古典ギリシア語テキストの表示
さて本題だが、古典ギリシア語のテキストをnoteで表示させる場合のことを考えてみる。
次のテキストは、あなたの環境ではどう表示されているだろうか。
Ὅ τι μὲν ὑμεῖς, ὦ ἄνδρες Ἀθηναῖοι, πεπόνθατε ὑπὸ τῶν ἐμῶν κατηγόρων οὐκ οἶδα· ἐγὼ δ’ οὖν καὶ αὐτὸς ὑπ’ αὐτῶν ὀλίγου ἐμαυτοῦ ἐπελαθόμην· οὕτω πιθανῶς ἔλεγον· καίτοι ἀληθές γε, ὡς ἔπος εἰπεῖν, οὐδὲν εἰρήκασιν.
Ὅ τι μὲν ὑμεῖς, ὦ ἄνδρες Ἀθηναῖοι, πεπόνθατε ὑπὸ τῶν ἐμῶν κατηγόρων οὐκ οἶδα· ἐγὼ δ’ οὖν καὶ αὐτὸς ὑπ’ αὐτῶν ὀλίγου ἐμαυτοῦ ἐπελαθόμην· οὕτω πιθανῶς ἔλεγον· καίτοι ἀληθές γε, ὡς ἔπος εἰπεῖν, οὐδὲν εἰρήκασιν.
ゴシック体表示だとあまり問題ないかもしれない。
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
明朝体表示の設定にしていても、実際には明朝体設定が反映されない、Windows & Edge 環境でも同様。
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
しかし、これを MacOS & Safari の環境で表示するとこうなる。
明朝体設定, MacOS, Safari :
美しくない。要するに日本語のフォントが優先的に適用されてしまうようで、ほとんどのギリシア文字が全角表示になってしまう。その一方で、アクセント記号、気息記号付きの文字は日本語のフォントが対応していないためか、そこだけ別のフォントになっており、全体がちぐはぐになってしまっている。これでは、単純に読みにくい。同じ Mac 環境でも、なぜか Edge だともっとひどい。
明朝体設定, MacOS, MS Edge :
というか、Mac 環境の Edge は、ゴシック設定でも何かおかしい。
ゴシック体設定, MacOS, MS Edge :
ここまで読むと、noteの表示設定をゴシック体にすればすべて解決するじゃないか、Macで Edge を使っている人なんていないだろう、と言われてしまいそうだが(ちなみに同じエンジンを使っている Mac上の Chrome でも同様である)、ひとまず、明朝体表示でも崩れない表示方法を探りたい。それに、後述する理由もあって、これはゴシック体設定にしている場合でも有用である。
数式記法を用いたギリシア語テキストの表示
ここで使うのが、上記のイタリック体表示でも用いた、note の数式記法、もとい $${\KaTeX}$$ である。ただし、ここではイタリック表示である必要はないので、\text を用いて、次のように入力する。
$${\text{Ὅ}}$$ $${\text{τι}}$$ $${\text{μὲν}}$$ $${\text{ὑμεῖς,}}$$ $${\text{ὦ}}$$ $${\text{ἄνδρες}}$$ $${\text{Ἀθηναῖοι,}}$$ $${\text{πεπόνθατε}}$$ $${\text{ὑπὸ}}$$ $${\text{τῶν}}$$ $${\text{ἐμῶν}}$$ $${\text{κατηγόρων}}$$ $${\text{οὐκ}}$$ $${\text{οἶδα}·}$$ $${\text{ἐγὼ}}$$ $${\text{δ’}}$$ $${\text{οὖν}}$$ $${\text{καὶ}}$$ $${\text{αὐτὸς}}$$ $${\text{ὑπ’}}$$ $${\text{αὐτῶν}}$$ $${\text{ὀλίγου}}$$ $${\text{ἐμαυτοῦ}}$$ $${\text{ἐπελαθόμην}·}$$ $${\text{οὕτω}}$$ $${\text{πιθανῶς}}$$ $${\text{ἔλεγον}·}$$ $${\text{καίτοι}}$$ $${\text{ἀληθές}}$$ $${\text{γε,}}$$ $${\text{ὡς}}$$ $${\text{ἔπος}}$$ $${\text{εἰπεῖν,}}$$ $${\text{οὐδὲν}}$$ $${\text{εἰρήκασιν.}}$$
$${\text{Ὅ}}$$ $${\text{τι}}$$ $${\text{μὲν}}$$ $${\text{ὑμεῖς,}}$$ $${\text{ὦ}}$$ $${\text{ἄνδρες}}$$ $${\text{Ἀθηναῖοι,}}$$ $${\text{πεπόνθατε}}$$ $${\text{ὑπὸ}}$$ $${\text{τῶν}}$$ $${\text{ἐμῶν}}$$ $${\text{κατηγόρων}}$$ $${\text{οὐκ}}$$ $${\text{οἶδα}·}$$ $${\text{ἐγὼ}}$$ $${\text{δ’}}$$ $${\text{οὖν}}$$ $${\text{καὶ}}$$ $${\text{αὐτὸς}}$$ $${\text{ὑπ’}}$$ $${\text{αὐτῶν}}$$ $${\text{ὀλίγου}}$$ $${\text{ἐμαυτοῦ}}$$ $${\text{ἐπελαθόμην}·}$$ $${\text{οὕτω}}$$ $${\text{πιθανῶς}}$$ $${\text{ἔλεγον}·}$$ $${\text{καίτοι}}$$ $${\text{ἀληθές}}$$ $${\text{γε,}}$$ $${\text{ὡς}}$$ $${\text{ἔπος}}$$ $${\text{εἰπεῖν,}}$$ $${\text{οὐδὲν}}$$ $${\text{εἰρήκασιν.}}$$
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
どの環境でも、ほぼ同様に表示されている。
ただし、コロンとして用いられる · (middle dot : U+00B7) は \text{ } 中で使えないらしい:
$${\text{οἶδα·}}$$
$${\text{ἐπελαθόμην·}}$$
$${\text{ἔλεγον·}}$$
$${\text{οἶδα·}}$$
$${\text{ἐπελαθόμην·}}$$
$${\text{ἔλεγον·}}$$
したがって、\text{ } の外に出す必要がある:
$${\text{οἶδα}·}$$
$${\text{ἐπελαθόμην}·}$$
$${\text{ἔλεγον}·}$$
$${\text{οἶδα}·}$$
$${\text{ἐπελαθόμην}·}$$
$${\text{ἔλεγον}·}$$
あるいは数式表記自体の外に出してもよいが、その場合、数式表の文字との間にはスペースが入ってしまうことに注意(数式表記同士でもスペースが入る):
$${\text{οἶδα}}$$·
$${\text{ἐπελαθόμην}}$$·
$${\text{ἔλεγον}}$$·
$${\text{οἶδα}}$$·
$${\text{ἐπελαθόμην}}$$·
$${\text{ἔλεγον}}$$·
ギリシア語のコロンには · (greek ano teleia : U+0387) も用意されており、これなら問題なく表示されるのだが、どうやら使用は推奨されておらず、キーボードから直接入力できないのも難点。
$${\text{οἶδα·}}$$
$${\text{ἐπελαθόμην·}}$$
$${\text{ἔλεγον·}}$$
$${\text{οἶδα·}}$$
$${\text{ἐπελαθόμην·}}$$
$${\text{ἔλεγον·}}$$
また、一語ずつ区切って数式表記でかこっているのは、一つの数式中は改行されないという(この利用方法ではおせっかいな)制約があるためで、一回で済ませようとすると、次のようにどんなに長くとも改行されずに画面外に伸びてしまう:
$${\text{Ὅ τι μὲν ὑμεῖς, ὦ ἄνδρες Ἀθηναῖοι, πεπόνθατε ὑπὸ τῶν ἐμῶν κατηγόρων οὐκ οἶδα}·\text{ἐγὼ δ’ οὖν καὶ αὐτὸς ὑπ’ αὐτῶν ὀλίγου ἐμαυτοῦ ἐπελαθόμην}· \text{οὕτω πιθανῶς ἔλεγον}· \text{καίτοι ἀληθές γε, ὡς ἔπος εἰπεῖν, οὐδὲν εἰρήκασιν.}}$$
$${\text{Ὅ τι μὲν ὑμεῖς, ὦ ἄνδρες Ἀθηναῖοι, πεπόνθατε ὑπὸ τῶν ἐμῶν κατηγόρων οὐκ οἶδα}·\text{ἐγὼ δ’ οὖν καὶ αὐτὸς ὑπ’ αὐτῶν ὀλίγου ἐμαυτοῦ ἐπελαθόμην}· \text{οὕτω πιθανῶς ἔλεγον}· \text{καίτοι ἀληθές γε, ὡς ἔπος εἰπεῖν, οὐδὲν εἰρήκασιν.}}$$
ある程度自分で改行位置をコントロールしたいのであれば、逆にこの仕様を利用できないこともないが、いずれにせよ、入力時の可読性が低くなるのが、この表記法の最大のデメリットではある。実際にはテキストを別に用意して、エディタ上でスペースを一括置換するなどしてから、noteに貼り付けるのが楽でよい。
\text で指定せず、書体を指定しないで数式扱いすることも可能だが、アクセントや気息記号の有無でフォントの一貫性が保てないようである。
$${Ὅ}$$ $${τι}$$ $${μὲν}$$ $${ὑμεῖς,}$$ $${ὦ}$$ $${ἄνδρες}$$ $${Ἀθηναῖοι,}$$ $${πεπόνθατε}$$ $${ὑπὸ}$$ $${τῶν}$$ $${ἐμῶν}$$ $${κατηγόρων}$$ $${οὐκ}$$ $${οἶδα·}$$ $${ἐγὼ}$$ $${δ’}$$ $${οὖν}$$ $${καὶ}$$ $${αὐτὸς}$$ $${ὑπ’}$$ $${αὐτῶν}$$ $${ὀλίγου}$$ $${ἐμαυτοῦ}$$ $${ἐπελαθόμην·}$$ $${οὕτω}$$ $${πιθανῶς}$$ $${ἔλεγον·}$$ $${καίτοι}$$ $${ἀληθές}$$ $${γε,}$$ $${ὡς}$$ $${ἔπος}$$ $${εἰπεῖν,}$$ $${οὐδὲν}$$ $${εἰρήκασιν.}$$
$${Ὅ}$$ $${τι}$$ $${μὲν}$$ $${ὑμεῖς,}$$ $${ὦ}$$ $${ἄνδρες}$$ $${Ἀθηναῖοι,}$$ $${πεπόνθατε}$$ $${ὑπὸ}$$ $${τῶν}$$ $${ἐμῶν}$$ $${κατηγόρων}$$ $${οὐκ}$$ $${οἶδα·}$$ $${ἐγὼ}$$ $${δ’}$$ $${οὖν}$$ $${καὶ}$$ $${αὐτὸς}$$ $${ὑπ’}$$ $${αὐτῶν}$$ $${ὀλίγου}$$ $${ἐμαυτοῦ}$$ $${ἐπελαθόμην·}$$ $${οὕτω}$$ $${πιθανῶς}$$ $${ἔλεγον·}$$ $${καίτοι}$$ $${ἀληθές}$$ $${γε,}$$ $${ὡς}$$ $${ἔπος}$$ $${εἰπεῖν,}$$ $${οὐδὲν}$$ $${εἰρήκασιν.}$$
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
指定できるフォントのうち、\text で始まるものは、フォントが安定するが、\textrm, \textrm, \textnormal, \textmd, \textup は、少なくともギリシア語の表示に関して、\text との違いがわからなかった。\textsf は句読点の表記が \texttt は句読点の表記と鋭アクセント、重アクセントの表示が異なる。また、\textit で斜体、\textbf で太字が表示できる:
$${\textit{Ὅ}}$$ $${\textit{τι}}$$ $${\textit{μὲν}}$$ $${\textit{ὑμεῖς,}}$$ $${\textit{ὦ}}$$ $${\textit{ἄνδρες}}$$ $${\textit{Ἀθηναῖοι,}}$$ $${\textit{πεπόνθατε}}$$ $${\textit{ὑπὸ}}$$ $${\textit{τῶν}}$$ $${\textit{ἐμῶν}}$$ $${\textit{κατηγόρων}}$$ $${\textit{οὐκ}}$$ $${\textit{οἶδα}·}$$ $${\textit{ἐγὼ}}$$ $${\textit{δ’}}$$ $${\textit{οὖν}}$$ $${\textit{καὶ}}$$ $${\textit{αὐτὸς}}$$ $${\textit{ὑπ’}}$$ $${\textit{αὐτῶν}}$$ $${\textit{ὀλίγου}}$$ $${\textit{ἐμαυτοῦ}}$$ $${\textit{ἐπελαθόμην}·}$$ $${\textit{οὕτω}}$$ $${\textit{πιθανῶς}}$$ $${\textit{ἔλεγον}·}$$ $${\textit{καίτοι}}$$ $${\textit{ἀληθές}}$$ $${\textit{γε,}}$$ $${\textit{ὡς}}$$ $${\textit{ἔπος}}$$ $${\textit{εἰπεῖν,}}$$ $${\textit{οὐδὲν}}$$ $${\textit{εἰρήκασιν.}}$$
$${\textit{Ὅ}}$$ $${\textit{τι}}$$ $${\textit{μὲν}}$$ $${\textit{ὑμεῖς,}}$$ $${\textit{ὦ}}$$ $${\textit{ἄνδρες}}$$ $${\textit{Ἀθηναῖοι,}}$$ $${\textit{πεπόνθατε}}$$ $${\textit{ὑπὸ}}$$ $${\textit{τῶν}}$$ $${\textit{ἐμῶν}}$$ $${\textit{κατηγόρων}}$$ $${\textit{οὐκ}}$$ $${\textit{οἶδα}·}$$ $${\textit{ἐγὼ}}$$ $${\textit{δ’}}$$ $${\textit{οὖν}}$$ $${\textit{καὶ}}$$ $${\textit{αὐτὸς}}$$ $${\textit{ὑπ’}}$$ $${\textit{αὐτῶν}}$$ $${\textit{ὀλίγου}}$$ $${\textit{ἐμαυτοῦ}}$$ $${\textit{ἐπελαθόμην}·}$$ $${\textit{οὕτω}}$$ $${\textit{πιθανῶς}}$$ $${\textit{ἔλεγον}·}$$ $${\textit{καίτοι}}$$ $${\textit{ἀληθές}}$$ $${\textit{γε,}}$$ $${\textit{ὡς}}$$ $${\textit{ἔπος}}$$ $${\textit{εἰπεῖν,}}$$ $${\textit{οὐδὲν}}$$ $${\textit{εἰρήκασιν.}}$$
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
$${\textbf{Ὅ}}$$ $${\textbf{τι}}$$ $${\textbf{μὲν}}$$ $${\textbf{ὑμεῖς,}}$$ $${\textbf{ὦ}}$$ $${\textbf{ἄνδρες}}$$ $${\textbf{Ἀθηναῖοι,}}$$ $${\textbf{πεπόνθατε}}$$ $${\textbf{ὑπὸ}}$$ $${\textbf{τῶν}}$$ $${\textbf{ἐμῶν}}$$ $${\textbf{κατηγόρων}}$$ $${\textbf{οὐκ}}$$ $${\textbf{οἶδα}·}$$ $${\textbf{ἐγὼ}}$$ $${\textbf{δ’}}$$ $${\textbf{οὖν}}$$ $${\textbf{καὶ}}$$ $${\textbf{αὐτὸς}}$$ $${\textbf{ὑπ’}}$$ $${\textbf{αὐτῶν}}$$ $${\textbf{ὀλίγου}}$$ $${\textbf{ἐμαυτοῦ}}$$ $${\textbf{ἐπελαθόμην}·}$$ $${\textbf{οὕτω}}$$ $${\textbf{πιθανῶς}}$$ $${\textbf{ἔλεγον}·}$$ $${\textbf{καίτοι}}$$ $${\textbf{ἀληθές}}$$ $${\textbf{γε,}}$$ $${\textbf{ὡς}}$$ $${\textbf{ἔπος}}$$ $${\textbf{εἰπεῖν,}}$$ $${\textbf{οὐδὲν}}$$ $${\textbf{εἰρήκασιν.}}$$
$${\textbf{Ὅ}}$$ $${\textbf{τι}}$$ $${\textbf{μὲν}}$$ $${\textbf{ὑμεῖς,}}$$ $${\textbf{ὦ}}$$ $${\textbf{ἄνδρες}}$$ $${\textbf{Ἀθηναῖοι,}}$$ $${\textbf{πεπόνθατε}}$$ $${\textbf{ὑπὸ}}$$ $${\textbf{τῶν}}$$ $${\textbf{ἐμῶν}}$$ $${\textbf{κατηγόρων}}$$ $${\textbf{οὐκ}}$$ $${\textbf{οἶδα}·}$$ $${\textbf{ἐγὼ}}$$ $${\textbf{δ’}}$$ $${\textbf{οὖν}}$$ $${\textbf{καὶ}}$$ $${\textbf{αὐτὸς}}$$ $${\textbf{ὑπ’}}$$ $${\textbf{αὐτῶν}}$$ $${\textbf{ὀλίγου}}$$ $${\textbf{ἐμαυτοῦ}}$$ $${\textbf{ἐπελαθόμην}·}$$ $${\textbf{οὕτω}}$$ $${\textbf{πιθανῶς}}$$ $${\textbf{ἔλεγον}·}$$ $${\textbf{καίτοι}}$$ $${\textbf{ἀληθές}}$$ $${\textbf{γε,}}$$ $${\textbf{ὡς}}$$ $${\textbf{ἔπος}}$$ $${\textbf{εἰπεῖν,}}$$ $${\textbf{οὐδὲν}}$$ $${\textbf{εἰρήκασιν.}}$$
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
いずれも環境に影響されずに、同様に表示される。今後、noteのユーザー設定をゴシック体表示から明朝体表示へ、あるいは明朝体表示からゴシック体表示に変えることがあっても、前もって数式記法を利用していれば、その度にギリシア語の表示が崩れてしまうかもと畏れる必要がなくなる。しかし、メリットはそれだけではない。
マクロン付きギリシア文字の表示
古典期のギリシア語には母音の長短があるが、一般的なテキストでは母音字 $${\text{α, ι, υ}}$$の長短を明示しない。これは初学者には不親切である。したがって、教科書などではマクロン(およびブレーヴェ)を用いて明示されることが多い。noteなどの記事においても、初学者向けに書くのなら、やはりできる限り明示した方が親切だろう。
ところが、アクセント付き、気息記号付き、アクセント+気息記号付き(これらは通常のテキストでも必要)、マクロン付き、ブレーヴェ付きの母音字はそれぞれ個別の文字コードを割り当てられ Unicode に収録されているのだが、アクセントまたは気息記号+マクロンまたはブレーヴェ付きの文字は個別のコードが割り当てられていない。したがって、これを表示させたい場合は、一般に「合成可能文字」を用いて実現させる。
例えば、動詞 λύω の動詞幹母音は活用形によって長短が変わる。これを主要形6つでもって示すと:
λῡ́ω, λῡ́σω, ἔλῡσα, ἐλῠ́θην, λέλῠκα, λέλῠμαι.
とあえて、ベタ打ちのままにしてみたが、どう表示されているだろうか。ここで用いているのは ῡ (greek small letter upsilon with macron : U+1FE1) あるいは ῠ (greek small letter upsilon with vrachy : U+1FE0) と ́ (combining acute accent : U+0301) の組み合わせである。
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, MacOS, MS Edge :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
こうなるとゴシック体表示でも(というか Windows&Edge 環境だと)うまく表示されないようである。
しかし、次のように \text で表示させると
$${\text{λῡ́ω,}}$$ $${\text{λῡ́σω,}}$$ $${\text{ἔλῡσα,}}$$ $${\text{ἐλῠ́θην,}}$$ $${\text{λέλῠ́κα,}}$$ $${\text{λέλῠμαι.}}$$
$${\text{λῡ́ω,}}$$ $${\text{λῡ́σω,}}$$ $${\text{ἔλῡσα,}}$$ $${\text{ἐλῠ́θην,}}$$ $${\text{λέλῠκα,}}$$ $${\text{λέλῠμαι.}}$$
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, MacOS, MS Edge :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
どの環境でも、同様に表示されている。
これで完璧だ!と言いたいのだが、残念ながら問題が残っている。さきほど、コロンとして用いられる · (middle dot : U+00B7) は \text{ } 中で使えないという話をしたが、気息記号として用いられる合成可能文字、᾿ (combining comma above : U+0313) と ῾ (combining reversed comma above : U+0314) は \text{ } 内で用いることができないらしい。
というわけで $${\text{ὑμεις,}}$$ $${\text{ὑμᾶς,}}$$ $${\text{ὑμῶν,}}$$ $${\text{ὑμῶν}}$$ や $${\text{ἵημι,}}$$ $${\text{ἵης,}}$$ $${\text{ἵησι,}}$$ $${\text{ἵεμεν,}}$$ $${\text{ἵηετε,}}$$ $${\text{ἱᾶσι}}$$ といった語でマクロンをつけようとすると、そのままでもガタガタなのだが:
ῡ̔μεις, ῡ̔μᾶς, ῡ̔μῶν, ῡ̔μῶν
ῑ̔́ημῐ, ῑ̔́ης, ῑ̔́ησῐ, ῑ̔́εμεν, ῑ̔́ετε, ῑ̔ᾶσι
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
次のように \text{} で挟んでもうまく表示されない:
$${\text{ῡ̔μεις,}}$$$${\text{ῡ̔μᾶς,}}$$$${\text{ῡ̔μῶν,}}$$$${\text{ῡ̔μῶν}}$$
$${\text{ῑ̔́ημῐ,}}$$$${\text{ῑ̔́ης,}}$$$${\text{ῑ̔́ησῐ,}}$$$${\text{ῑ̔́εμεν,}}$$$${\text{ῑ̔́ετε,}}$$$${\text{ῑ̔ᾶσι}}$$
$${\text{ῡ̔μεις,}}$$$${\text{ῡ̔μᾶς,}}$$$${\text{ῡ̔μῶν,}}$$$${\text{ῡ̔μῶν}}$$
$${\text{ῑ̔́ημῐ,}}$$$${\text{ῑ̔́ης,}}$$$${\text{ῑ̔́ησῐ,}}$$$${\text{ῑ̔́εμεν,}}$$$${\text{ῑ̔́ετε,}}$$$${\text{ῑ̔ᾶσι}}$$
合成用の気息記号は、数式内に含まれている時点でダメらしく、\text{ } の外に出してもうまくいかない:
$${ῡ̔\text{μεις,}}$$$${ῡ̔\text{μᾶς,}}$$$${ῡ̔\text{μῶν,}}$$$${ῡ̔\text{μῶν}}$$
$${ῑ̔́\text{ημῐ,}}$$$${ῑ̔́\text{ης,}}$$$${ῑ̔́\text{ησῐ,}}$$$${ῑ̔́\text{εμεν,}}$$$${ῑ̔́\text{ετε,}}$$$${ῑ̔\text{ᾶσι}}$$
$${ῡ̔\text{μεις,}}$$$${ῡ̔\text{μᾶς,}}$$$${ῡ̔\text{μῶν,}}$$$${ῡ̔\text{μῶν}}$$
$${ῑ̔́\text{ημῐ,}}$$$${ῑ̔́\text{ης,}}$$$${ῑ̔́\text{ησῐ,}}$$$${ῑ̔́\text{εμεν,}}$$$${ῑ̔́\text{ετε,}}$$$${ῑ̔\text{ᾶσι}}$$
数式の外に出してしまうと、数式との間に必ずスペースが入ってしまうし、フォントも不揃いになってしまう:
ῡ̔$${\text{μεις,}}$$ῡ̔$${\text{μᾶς,}}$$ῡ̔$${\text{μῶν,}}$$ῡ̔$${\text{μῶν}}$$
ῑ̔́$${\text{ημῐ,}}$$ῑ̔́$${\text{ης,}}$$ῑ̔́$${\text{ησῐ,}}$$ῑ̔́$${\text{εμεν,}}$$ῑ̔́$${\text{ετε,}}$$ῑ̔$${\text{ᾶσι}}$$
ῡ̔$${\text{μεις,}}$$ῡ̔$${\text{μᾶς,}}$$ῡ̔$${\text{μῶν,}}$$ῡ̔$${\text{μῶν}}$$
ῑ̔́$${\text{ημῐ,}}$$ῑ̔́$${\text{ης,}}$$ῑ̔́$${\text{ησῐ,}}$$ῑ̔́$${\text{εμεν,}}$$ῑ̔́$${\text{ετε,}}$$ῑ̔$${\text{ᾶσι}}$$
次善の策として、マクロン付きの文字に合成可能文字の気息記号を載せるのではなく、気息記号付きの文字に合成可能文字のマクロン ̄ (combining macron :U+0304) を載せることで \text を壊すことなく表示させることが可能になる。
$${\text{ὑ̄μεις,}}$$$${\text{ὑ̄μᾶς,}}$$$${\text{ὑ̄μῶν,}}$$$${\text{ὑ̄μῶ}}$$
$${\text{ἵ̄ημι,}}$$$${\text{ἵ̄ης,}}$$$${\text{ἵ̄ησι,}}$$$${\text{ἵ̄εμεν,}}$$$${\text{ἵ̄ηετε,}}$$$${\text{ἱ̄ᾶσι}}$$
$${\text{ὑ̄μεις,}}$$$${\text{ὑ̄μᾶς,}}$$$${\text{ὑ̄μῶν,}}$$$${\text{ὑ̄μῶ}}$$
$${\text{ἵ̄ημι,}}$$$${\text{ἵ̄ης,}}$$$${\text{ἵ̄ησι,}}$$$${\text{ἵ̄εμεν,}}$$$${\text{ἵ̄ηετε,}}$$$${\text{ἱ̄ᾶσι}}$$
明朝体設定, MacOS, Safari :
明朝体設定, Windows 11, MS Edge :
ゴシック体設定, MacOS, Safari :
ゴシック体設定, Windows 11, MS Edge :
ただ、やはり美しくはない。そもそもこの組み合わせは、ギリシア語対応フォントですら対応していないことが珍しくないので、note上で表示させようとするのに無理があるのかもしれない。素直に、しばしば文法書や辞書でも使われるような併記方法にすべきかもしれない:
$${\text{ὑμεις [ῡ],}}$$$${\text{ὑμᾶς}}$$$${\text{[ῡ],}}$$$${\text{ὑμῶν [ῡ],}}$$$${\text{ὑμῶν [ῡ]}}$$
$${\text{ἵημι [ῑ],}}$$$${\text{ἵης [ῑ],}}$$$${\text{ἵησι [ῑ],}}$$$${\text{ἵεμεν [ῑ],}}$$$${\text{ἵηετε [ῑ],}}$$$${\text{ἱᾶσι [ῑ]}}$$
どなたか、(環境に依存しない)うまい表示方法をご存知の方がいらっしゃったら教えてください。
変化表
これは、$${\KaTeX}$$ を用いる上でのおまけみたいなものだが、{array} または {darray} を用いて、簡単な表を作ることができる。(このような用途では {darray} の方が適当な気がするが、note上では両者の違いはよくわからない。){tabular} や {table} があれば、そちらの方がよさそうだが、$${\KaTeX}$$ にはないようである。
$$
\begin{darray}{ l l| l l l l l }
&&直説法&接続法&希求法&命令法\\
\hline
単&1&εἰμί&ὦ&εἴην&\\
&2&εἶ&ᾖς&εἴης&ἴσθι\\
&3&ἐστί(ν)&ᾖ&εἴη&ἔστω\\
複&1&ἐσμέν&ὦμεν&εἶμεν\\
&2&ἐστέ&ἦμεν&εἶτε&ἔστε\\
&3&εἰσί(ν)&ὦσι(ν)&εἶεν&ἔστων\\
\end{darray}
$$
$$
\begin{darray}{ l l| l l l l l }
&&直説法&接続法&希求法&命令法\\
\hline
単&1&εἰμί&ὦ&εἴην&\\
&2&εἶ&ᾖς&εἴης&ἴσθι\\
&3&ἐστί(ν)&ᾖ&εἴη&ἔστω\\
複&1&ἐσμέν&ὦμεν&εἶμεν\\
&2&ἐστέ&ἦμεν&εἶτε&ἔστε\\
&3&εἰσί(ν)&ὦσι(ν)&εἶεν&ἔστων\\
\end{darray}
$$
ここではあえてフォントの指定を行わなかったが、表自体が数式記法に含まれるため、先ほどと同じく、アクセントや気息記号の有無でフォントが異なってしまう。ここでも、フォントを指定することで一貫性を持たせることができる。
$$
\begin{darray}{ l l| l l l l l }
&&直説法&接続法&希求法&命令法\\
\hline
単&1&\text{εἰμί}&\text{ὦ}&\text{εἴην}&\\
&2&\text{εἶ}&\text{ᾖς}&\text{εἴης}&\text{ἴσθι}\\
&3&\text{ἐστί(ν)}&\text{εἴη}&\text{ἔστω}\\
複&1&\text{ἐσμέν}&\text{ὦμεν}&\text{εἶμεν}&\\
&2&\text{ἐστέ}&\text{ἦμεν}&\text{εἶτε}&\text{ἔστε}\\
&3&\text{εἰσί(ν)}&\text{ὦσι(ν)}&\text{εἶεν}&\text{ἔστων}\\
\end{darray}
$$
$$
\begin{darray}{ l l| l l l l l }
&&直説法&接続法&希求法&命令法\\
\hline
単&1&\text{εἰμί}&\text{ὦ}&\text{εἴην}&\\
&2&\text{εἶ}&\text{ᾖς}&\text{εἴης}&\text{ἴσθι}\\
&3&\text{ἐστί(ν)}&\text{εἴη}&\text{ἔστω}\\
複&1&\text{ἐσμέν}&\text{ὦμεν}&\text{εἶμεν}&\\
&2&\text{ἐστέ}&\text{ἦμεν}&\text{εἶτε}&\text{ἔστε}\\
&3&\text{εἰσί(ν)}&\text{ὦσι(ν)}&\text{εἶεν}&\text{ἔστων}\\
\end{darray}
$$
本文中でも、ギリシア語のフォント指定をしておくことで、表内のフォントと一貫性を保つことができる。この点も、普段から数式を用いて表記することのメリットになる。
頑張れば次のような表を作ることも可能である:
$$
\begin{darray}{| c | c c | l | l | l | l | l | r l |}
\hline
&&&\tiny{直}&\tiny{説}&\tiny{接続}&\tiny{希求}&\tiny{命令}&\tiny{不定形}&\tiny{分詞}\\
&&&\tiny{第一次時称}&\tiny{第二次時称}&&&&&\\
\hline
\tiny{現}&\tiny{単}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύω}&\tiny\text{ἐπαίδευον}&\tiny\text{παιδεύω}&\tiny\text{παιδεύοιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{παιδεύειν}\\
\tiny{在}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύεις}&\tiny\text{ἐπαίδευες}&\tiny\text{παιδεύῃς}&\tiny\text{παιδεύοις}&\tiny\text{παίδευε}&&\\
\tiny^{及}_{び}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύει}&\tiny\text{ἐπαίδευε(ν)}&\tiny\text{παιδεύῃ}&\tiny\text{παιδεύοι}&\tiny\text{παιδευέτω}&\tiny\text{分}&\tiny\text{παιδεύων}\\
\tiny{不}&\tiny{両}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύετον}&\tiny\text{ἐπαιδεύετον}&\tiny\text{παιδεύητον}&\tiny\text{παιδεύοιτον}&\tiny\text{παιδεύετον}&&\\
\tiny{完}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύετον}&\tiny\text{ἐπαιδευέτην}&\tiny\text{παιδεύητον}&\tiny\text{παιδευοίτην}&\tiny\text{παιδευέτων}&&\tiny\text{παιδεύουσα}\\
\tiny{了}&\tiny{複}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύομεν}&\tiny\text{ἐπαιδεύομεν}&\tiny\text{παιδεύωμεν}&\tiny\text{παιδεύοιμεν}&&&\\
\tiny{過}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύετε}&\tiny\text{ἐπαιδεύετε}&\tiny\text{παιδεύητε}&\tiny\text{παιδεύοιτε}&\tiny\text{παιδεύετε}&&\tiny\text{παιδεῦον}\\
\tiny{去}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύουσι(ν)}&\tiny\text{ἐπαίδευον}&\tiny\text{παιδεύωσι(ν)}&\tiny\text{παιδεύοιεν}&\tiny\text{παιδευόντων}&&\\
\hline
&\tiny{単}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύσω}&&&\tiny\text{παιδεύσοιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{παιδεύσειν}\\
&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύσεις}&&&\tiny\text{παιδεύσοις}&&&\\
\tiny{未}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύσει}&&&\tiny\text{παιδεύσοι}&&\tiny\text{分}&\tiny\text{παιδεύσων}\\
&\tiny{両}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύσετον}&&&\tiny\text{παιδεύσοιτον}&&&\\
&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύσετον}&&&\tiny\text{παιδευσοίτην}&&&\tiny\text{παιδεύουσα}\\
\tiny{来}&\tiny{複}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύσομεν}&&&\tiny\text{παιδεύσοιμεν}&&&\\
&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύσετε}&&&\tiny\text{παιδεύσοιτε}&&&\tiny\text{παιδεῦσον}\\
&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύσουσι(ν)}&&&\tiny\text{παιδεύσοιεν}&&&\\
\hline
&\tiny{単}&\tiny{1.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσα}&\tiny\text{παιδεύσω}&\tiny\text{παιδεύσαιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{παιδεῦσαι}\\
\tiny{ア}&\tiny{}&\tiny{2.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσας}&\tiny\text{παιδεύσῃς}&\tiny\text{παιδεύσειας}&\tiny\text{παίδευσον}&&\\
\tiny{オ}&\tiny{}&\tiny{3.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσε(ν)}&\tiny\text{παιδεύσῃ}&\tiny\text{παιδεύσειε(ν)}&\tiny\text{παιδευσάτω}&\tiny\text{分}&\tiny\text{παιδεύσᾱς}\\
\tiny{リ}&\tiny{両}&\tiny{2.}&&\tiny\text{ἐπαιδεύσατον}&\tiny\text{παιδεύσητον}&\tiny\text{παιδεύσαιτον}&\tiny\text{παιδεύσατον}&\tiny\text{}&\tiny\text{}\\
\tiny{ス}&\tiny{}&\tiny{3.}&&\tiny\text{ἐπαιδευσάτην}&\tiny\text{παιδεύσητον}&\tiny\text{παιδευσαίτην}&\tiny\text{παιδευσάτων}&&\tiny\text{παιδεύσᾱσα}\\
\tiny{ト}&\tiny{複}&\tiny{1.}&&\tiny\text{ἐπαιδεύσαμεν}&\tiny\text{παιδεύσωμεν}&\tiny\text{παιδεύσαιμεν}&&&\\
&\tiny{}&\tiny{2.}&&\tiny\text{ἐπαιδεύσατε}&\tiny\text{παιδεύσητε}&\tiny\text{παιδεύσαιτε}&\tiny\text{παιδεύσατε}&\tiny\text{}&\tiny\text{παιδεῦσαν}\\
&\tiny{}&\tiny{3.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσαν}&\tiny\text{παιδεύσωσι(ν)}&\tiny\text{παιδεύσειαν}&\tiny\text{παιδευσάντων}&&\\
\hline
\tiny{完}&\tiny{単}&\tiny{1.}&\tiny\text{πεπαίδευκα}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκη}&\tiny\text{πεπαιδεύκω}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{πεπαιδευκέναι}\\
\tiny{了}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{πεπαίδευκας}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκης}&\tiny\text{πεπαιδεύκῃς}&\tiny\text{πεπαιδεύκοις}&&&\\
\tiny{及}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{πεπαίδευκε(ν)}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκει}&\tiny\text{πεπαιδεύκῃ}&\tiny\text{πεπαιδεύκοι}&&\tiny\text{分}&\tiny\text{πεπαιδευκώς}\\
\tiny{び}&\tiny{両}&\tiny{2.}&\tiny\text{πεπαιδεύκατον}&\tiny\text{έπεπαιδεύκετον}&\tiny\text{πεπαιδεύκητον}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιτον}&&&\\
\tiny{過}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{πεπαιδεύκατον}&\tiny\text{ἐπεπαιδευκέτην}&\tiny\text{πεπαιδεύκητον}&\tiny\text{πεπαιδευκοίτην}&&&\tiny\text{πεπαιδευκυῖα}\\
\tiny{去}&\tiny{複}&\tiny{1.}&\tiny\text{πεπαιδεύκαμεν}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκεμεν}&\tiny\text{πεπαιδεύκωμεν}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιμεν}&&\\
\tiny{完}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{πεπαιδεύκατε}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκετε}&\tiny\text{πεπαιδεύκητε}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιτε}&&&\tiny\text{πεπαιδευκός}\\
\tiny{了}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{πεπαιδεύκᾱσι(ν)}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκεσαν}&\tiny\text{πεπαιδεύκωσι(ν)}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιεν}&&&\\
\hline
\end{darray}
$$
$$
\begin{darray}{| c | c c | l | l | l | l | l | r l |}
\hline
&&&\tiny{直}&\tiny{説}&\tiny{接続}&\tiny{希求}&\tiny{命令}&\tiny{不定形}&\tiny{分詞}\\
&&&\tiny{第一次時称}&\tiny{第二次時称}&&&&&\\
\hline
\tiny{現}&\tiny{単}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύω}&\tiny\text{ἐπαίδευον}&\tiny\text{παιδεύω}&\tiny\text{παιδεύοιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{παιδεύειν}\\
\tiny{在}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύεις}&\tiny\text{ἐπαίδευες}&\tiny\text{παιδεύῃς}&\tiny\text{παιδεύοις}&\tiny\text{παίδευε}&&\\
\tiny^{及}_{び}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύει}&\tiny\text{ἐπαίδευε(ν)}&\tiny\text{παιδεύῃ}&\tiny\text{παιδεύοι}&\tiny\text{παιδευέτω}&\tiny\text{分}&\tiny\text{παιδεύων}\\
\tiny{不}&\tiny{両}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύετον}&\tiny\text{ἐπαιδεύετον}&\tiny\text{παιδεύητον}&\tiny\text{παιδεύοιτον}&\tiny\text{παιδεύετον}&&\\
\tiny{完}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύετον}&\tiny\text{ἐπαιδευέτην}&\tiny\text{παιδεύητον}&\tiny\text{παιδευοίτην}&\tiny\text{παιδευέτων}&&\tiny\text{παιδεύουσα}\\
\tiny{了}&\tiny{複}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύομεν}&\tiny\text{ἐπαιδεύομεν}&\tiny\text{παιδεύωμεν}&\tiny\text{παιδεύοιμεν}&&&\\
\tiny{過}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύετε}&\tiny\text{ἐπαιδεύετε}&\tiny\text{παιδεύητε}&\tiny\text{παιδεύοιτε}&\tiny\text{παιδεύετε}&&\tiny\text{παιδεῦον}\\
\tiny{去}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύουσι(ν)}&\tiny\text{ἐπαίδευον}&\tiny\text{παιδεύωσι(ν)}&\tiny\text{παιδεύοιεν}&\tiny\text{παιδευόντων}&&\\
\hline
&\tiny{単}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύσω}&&&\tiny\text{παιδεύσοιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{παιδεύσειν}\\
&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύσεις}&&&\tiny\text{παιδεύσοις}&&&\\
\tiny{未}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύσει}&&&\tiny\text{παιδεύσοι}&&\tiny\text{分}&\tiny\text{παιδεύσων}\\
&\tiny{両}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύσετον}&&&\tiny\text{παιδεύσοιτον}&&&\\
&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύσετον}&&&\tiny\text{παιδευσοίτην}&&&\tiny\text{παιδεύουσα}\\
\tiny{来}&\tiny{複}&\tiny{1.}&\tiny\text{παιδεύσομεν}&&&\tiny\text{παιδεύσοιμεν}&&&\\
&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{παιδεύσετε}&&&\tiny\text{παιδεύσοιτε}&&&\tiny\text{παιδεῦσον}\\
&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{παιδεύσουσι(ν)}&&&\tiny\text{παιδεύσοιεν}&&&\\
\hline
&\tiny{単}&\tiny{1.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσα}&\tiny\text{παιδεύσω}&\tiny\text{παιδεύσαιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{παιδεῦσαι}\\
\tiny{ア}&\tiny{}&\tiny{2.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσας}&\tiny\text{παιδεύσῃς}&\tiny\text{παιδεύσειας}&\tiny\text{παίδευσον}&&\\
\tiny{オ}&\tiny{}&\tiny{3.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσε(ν)}&\tiny\text{παιδεύσῃ}&\tiny\text{παιδεύσειε(ν)}&\tiny\text{παιδευσάτω}&\tiny\text{分}&\tiny\text{παιδεύσᾱς}\\
\tiny{リ}&\tiny{両}&\tiny{2.}&&\tiny\text{ἐπαιδεύσατον}&\tiny\text{παιδεύσητον}&\tiny\text{παιδεύσαιτον}&\tiny\text{παιδεύσατον}&\tiny\text{}&\tiny\text{}\\
\tiny{ス}&\tiny{}&\tiny{3.}&&\tiny\text{ἐπαιδευσάτην}&\tiny\text{παιδεύσητον}&\tiny\text{παιδευσαίτην}&\tiny\text{παιδευσάτων}&&\tiny\text{παιδεύσᾱσα}\\
\tiny{ト}&\tiny{複}&\tiny{1.}&&\tiny\text{ἐπαιδεύσαμεν}&\tiny\text{παιδεύσωμεν}&\tiny\text{παιδεύσαιμεν}&&&\\
&\tiny{}&\tiny{2.}&&\tiny\text{ἐπαιδεύσατε}&\tiny\text{παιδεύσητε}&\tiny\text{παιδεύσαιτε}&\tiny\text{παιδεύσατε}&\tiny\text{}&\tiny\text{παιδεῦσαν}\\
&\tiny{}&\tiny{3.}&&\tiny\text{ἐπαίδευσαν}&\tiny\text{παιδεύσωσι(ν)}&\tiny\text{παιδεύσειαν}&\tiny\text{παιδευσάντων}&&\\
\hline
\tiny{完}&\tiny{単}&\tiny{1.}&\tiny\text{πεπαίδευκα}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκη}&\tiny\text{πεπαιδεύκω}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιμι}&&\tiny\text{不}&\tiny\text{πεπαιδευκέναι}\\
\tiny{了}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{πεπαίδευκας}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκης}&\tiny\text{πεπαιδεύκῃς}&\tiny\text{πεπαιδεύκοις}&&&\\
\tiny{及}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{πεπαίδευκε(ν)}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκει}&\tiny\text{πεπαιδεύκῃ}&\tiny\text{πεπαιδεύκοι}&&\tiny\text{分}&\tiny\text{πεπαιδευκώς}\\
\tiny{び}&\tiny{両}&\tiny{2.}&\tiny\text{πεπαιδεύκατον}&\tiny\text{έπεπαιδεύκετον}&\tiny\text{πεπαιδεύκητον}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιτον}&&&\\
\tiny{過}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{πεπαιδεύκατον}&\tiny\text{ἐπεπαιδευκέτην}&\tiny\text{πεπαιδεύκητον}&\tiny\text{πεπαιδευκοίτην}&&&\tiny\text{πεπαιδευκυῖα}\\
\tiny{去}&\tiny{複}&\tiny{1.}&\tiny\text{πεπαιδεύκαμεν}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκεμεν}&\tiny\text{πεπαιδεύκωμεν}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιμεν}&&\\
\tiny{完}&\tiny{}&\tiny{2.}&\tiny\text{πεπαιδεύκατε}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκετε}&\tiny\text{πεπαιδεύκητε}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιτε}&&&\tiny\text{πεπαιδευκός}\\
\tiny{了}&\tiny{}&\tiny{3.}&\tiny\text{πεπαιδεύκᾱσι(ν)}&\tiny\text{ἐπεπαιδεύκεσαν}&\tiny\text{πεπαιδεύκωσι(ν)}&\tiny\text{πεπαιδεύκοιεν}&&&\\
\hline
\end{darray}
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