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#43 コックと泥棒、その妻と愛人(1989)

高級料理店の一番の顧客は傍若無人な泥棒とその美しい妻の一行。夫の残忍さから逃れたい妻は常連客の知性と孤独感を漂わせる学者と恋に落ち、二人は夫の目を盗み情事を続ける。やがて夫は妻の浮気に気づき。。

あらゆる欲が渦巻く醜くも美しい10日間の物語。

世にもグロテスクなグルメ復讐劇。
異色作とはこの作品の事かと。
ピーター・グリーナウェイの中でもわかりやすいストーリーでとにかく凄い映画を観たというのが第一の感想、第二にしばらくは観なくていいかな、第三に人には勧められないと続く。。

神経を逆なでするものの、忘れがたい映画のひとつになる事は間違いない。
けっして他人とは見ないでください_

コック役にディーバで悟りを境地にいる男を演じたリシャール・ボーランジェ、
妻役に大女優のヘレン・ミレン、
泥棒はハリー・ポッターでダンブルドアを演じたマイケル・ガンボン。
暴れっぷりが見事で振り幅がスゴい。

絵画がモチーフになっているのがグリーナウェイ映画の特徴だけど、残念ながら絵画に明るくないのでピンとこない。

ただ色彩とカメラがレストラン→厨房→駐車場と平行に移動して暗転、次の日に移るのは本のようで、泥棒から逃げるために裸のまま冷凍庫に隠れる妻とその愛人の姿は楽園追放のアダムとイヴ。行き先が書物庫という知恵の象徴は良いなと思う。

ジャン=ポール・ゴルチエがデザインした衣装も素晴らしく店員に目がいくこともしばしば。

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