#52 バンド・ワゴン(1953)

過去の人となったミュージカルスターの再起物語。

本作といえば夜の公園で優雅に踊るダンシング・イン・ザ・ダーク。
フレッド・アステアとシド・チャリシーのセッションはとにかくずっと見ていたい。ここだけでミュージカルベストに入れたくなる。踊ってない所での身のこなしも素敵。

振り付けが斬新なフィルム・ノワールのパロディ、ガールハント・バレエ。こんなイカす舞台のオープニングならぜひ通いたい。話はよくわからない笑  
マイケル・ジャクソンのスムーズ・クリミナルのMVも観ると二度おいしい。

MGMアンソロジー映画のタイトルにもなった名曲ザッツ・エンタテイメント。心底楽しそうな姿と心踊るメロディーに元気を貰える。ハリウッド・システム凋落期の背景を知ると打ち上げ花火のようで愛おしい。他にも三つ子や靴磨きとのダンスなど見所多い。

とまあ普通の褒め感想の羅列に落ち着くも、年の差が気になり恋愛模様だけが乗り切らない。くっ付けなければダメか？もう１つ葛藤があってもと他が良すぎるだけに野次を入れたくなる。
そう完璧な映画なんてないんだ。
でもアステアのその年になった時に何を思うか楽しみではある。

長い付き合いになるだろう名作。