#37 ある日どこかで(1980)
劇作家を志す大学生リチャードは初演の日に老婦人から懐中時計を渡され「帰ってきて」と告げられる。それから8年後、彼は旅先で心奪われた写真の美女が老婦人と同一人物だと気付く。そして8年前に亡くなったと知る。彼女の遺品である本の著者からタイムトラベルについて聞き...
映画好きがかつて描いたであろう幻想。初見から時が経つにつれじわじわと輝きを増していく作品。
夢中にさせたのは老婦人の一言、どこにいても視線を感じるジェーン・シーモアの写真、現実とも重なるクリストファー・リーヴの悲劇性、そしてラフマニノフとジョン・バリーの音楽。
映像の見せ方が現代は鮮明に、過去は淡く絵画を意識。
出会いのシーン、観客は常に人物より少し先んじるという演出が素晴らしい。
公開当時は評価されず早めに打ち切られたものの、再放送やビデオを観た世界中の熱烈なファンの口コミで「カルトクラシック」として評価を受けている。
語り継いでいった人々のおかげで出会い、苦労せず観れる事を感謝したい。
日本版Blu-rayがない頃はよく海外版を流してました。DVD版の吹替と音声解説とクリストファー・リーヴの生前インタビュー、先日放送された新録吹替版も永久保存版ですね。