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天才・守安祥太郎

休み。ボブ・ディランの27枚組CDを早く聴かなきゃいけないのに、町田に出かけてディスクユニオンに行って、物色。そしてこのレコードを買った。『幻のモカンボ・セッション‘54』。

日本のジャズ史の超重要人物・守安祥太郎のピアノが聴ける唯一の盤。CD化されているが、自分は持っていない(国立ノートランクスの村上さんに借りて聴いたことはある)。

“同じビーバップ・ピアノでも守安祥太郎の理解はパウエルの模倣にとどまらず、さらに深化させたものだった。1954(昭和29年)に行われた「モカンボ・セッション」の音源がそれを証明している。そしてそこでハンプトン・ホーズに、「あらゆる楽器をつうじて、日本で第一人者と呼べるのは守安祥太郎だけだ。あの男がおそろしい」と語らせるのだ。”(『至高の日本ジャズ史』・相倉久人・著より引用)

相倉さんの文章を思い出し、気持ちを煽られながら、早速このモカンボ・セッションを聴く。自宅のリビングのスピーカー前に座り、めっちゃくちゃ集中して聴いた。守安のピアノやっぱりすごい。躍動感、スピード、ねちっこさ、こういうフレーズで来たか!という意外性、計算。まさに「つまり守安は音楽を知り尽くしていたのである」(by 油井正一)、である。
歴史的音源だからと気負わずに、無心で、守安祥太郎のプレイに耳を傾ければ、ジャズの面白さと深さを再認識できるのではないか。

来週9月28日が守安の命日とのこと。命日じゃなくったって何度も何度も聴かれるべき音源。ここから日本のジャズはどのように進化&深化していったかと考えるのも、また楽しく刺激的であったりする。

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