【コーチング】KPIへの不満は組織強化の機会
優秀な営業社員は顧客を深く理解しています。
売り方を熟知しているため、コツコツと顧客情報を蓄積し、適切なタイミングでアポイントメントを取り、成果を出しています。顧客の時間を無駄にしないため、評価も高いです。
彼らはこれを「効率的に売る」と呼んでいます。
そのため、「面会回数」のような、一見、思考停止に見えそうなKPIが設定されると、非常に失望します。
(KPI:Key Perfomance Indicater 業績達成のためのプロセスの目標数値)
「もっと効率的に売りたい」と主張することで上司との対立が激化し、「効率的」という言葉の意味を誤解している同僚が賛同することで、組織は弱体化していきます。
これが管理職の真価を問われる瞬間です。
目標は誰が決めるか
ここでの議論の焦点は、面会回数というKPI自体の妥当性ではなく、どのようにしてこのKPIを組織全体に浸透させるかにあります。
目標設定は経営陣や管理職の責任です。給与を支払い、仕事を委託する側が決定します。これを前提として理解することが重要です。
このKPIは妥当か
活動回数の目標を設定することは、組織全体の活動を促進する上で効果的です。
困難な量的目標を組織として達成することにより、組織全体の能力が向上します。
組織の進むべき方向が明確になります。
組織全体を管理する上で、明確な数値目標を設定することは不可欠です。KPIは、その妥当性が何度も検証された上で設定されてます。
マネージャーは、設定された目標の理由と、その目標が達成された際に組織全体にどのような影響をもたらすかを、メンバーに説明する責任があります。
今回のような問題を説明できるようなれば、強いマネージャーを持った組織として完成度が一段向上するでしょう。
管理職のタイプによるKPI達成の違い
パワーマネジメントタイプのリーダーのもとでは、KPIが早く達成される可能性が高いですが、高いパフォーマンスが持続しないリスクもあります。不満が徐々に蓄積し、虚偽の報告が増えるなど、悪い雰囲気が広がる可能性があります。
合意形成型のリーダーの場合、平均的な成績からスタートし、良ければ後半に改善する可能性があります。ただし、ビジネスのタイミングを逃すリスクがあります。適切なタイミングで行動を起こさなければ、遅すぎることがあります。
重要なのは、マネージャーやリーダーが自分がどのタイプであるかを理解することです。ジェフリー・ハル博士の書籍は、最新のリーダーシップ研究に基づき、リーダーが自己の特性を理解し、状況に応じて柔軟に対応することの重要性を説いています。
リーダーが自己のタイプを理解し、リスクや成長の機会を把握するには、内省だけでは不十分であり、上司によるコーチングやコンサルティングが有効です。
経営陣はリーダーの育成に責任を持つと同時に、プロジェクトにおいて適切な人材を配置しているかを検討する必要があります。
経営者はしばしば孤独です。広い視野を持ちながらも、一人で問題を抱え続けることで、知らず知らずのうちに視野が狭まることがあります。
常にフィードバックを受け取れる環境を持つことは、これに対する一つの解決策となり得ます。
リーダー社員の育成
話を「優秀な営業社員」に戻してみますと、彼がリーダーとして未熟であることは、多くのマネージャーがお気づきだと思います。
リーダーはプレイヤーとして優れているだけでなく、周囲に好影響を与えチームの指針となることを期待されます。
KPIが議論の争点となった時、絶好のリーダー教育のタイミングと言えます。
まとめ
社員のKPIに対する不満は、組織を強化する機会となることがあります。実際に、多くの企業がこのような経験から学んでいます。
このような課題を克服し、組織を強化するためには、マネージャーがコーチングを受けることが有効です。
アメリカでは、特に昇進した際に、新しい役職に迅速に適応するためにコーチングを活用する企業が多いとされています。
マネジメントスキルの向上やリーダーシップの育成をご検討いただければ幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?