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AIコーチングを活かす リアルコーチがフォーカスするポイント

 AIコーチングが登場し、すでに大手のコーチングファームでは取り入れられています。コーチ・エイ、ZaPASSなどです。

 AIコーチは簡単に言うと、優れたコーチのコミュニケーションパターンを膨大に蓄積し、クライアントのテーマに合わせて的確な問いや言葉をアウトプットしてくれるものです。

AIコーチのメリット

24時間365日

 AIコーチは24時間365日対応してくれます。明日、急に大事な案件が入った、考えを整理したい。今日、パートナーとちょっとしたイザコザがあった、内省して前向きなコミュニケーションをとりたい、など、今この場でコーチングが欲しい時、AIコーチングなら対応できます。
 リアルコーチとの面談は予定を決めていますから、日常起きるちょっとした不安、悩みは置き去りにしがちです。
 オンゴーイングなAIコーチングは、常に思考を明晰にし、行動を早めるのに大きな力になるでしょう。これは大変大きな価値だと考えられます、

人と話すのに必要な気遣い、心の負担がいらない

 プロコーチが心理的安全性を保ってくれていたとしても、やはり人ですから、壁に向かって話すこととは異なります。AIなら、最低限の気遣いすら要りませんよね。

感情に左右されない

 コーチといえど人間です、感情に左右されるこがあります。客観的な対応が必要な時、AIコーチなら感情に左右されず、的確な問いや言葉をアウトプットすることができます。

AIコーチングの限界

フィードバック

 今のところ、フィードバックの能力は持っていません。フィードバックのためには、クライアントの微妙な感情の動きや、言っていることと行動のギャップを感じ取ることが必要です。優れたコーチはクライアント自身でさえ意識していないことを伝え、クライアントに新たな自己認識を与えます。

感情の欠如

 感情がないことには当然よくない面もあります。コーチはクライアントの感情に向き合います。その時の意味深い沈黙、短い言葉で交わされる感情の共有は感情の理解があってこそです。

約束事へのコミットメント

 リアルコーチングでは次回までの取り組みをコーチとコミットします。AIコーチングでもそれは同じかもしれません。しかし、リアルコーチに対するコミットメントとAIに対するコミットメントは同じでしょうか。
 人には、他者に対して、恥をかきたくない、プライドを守りたいという心理があります。AIに対するコミットメントと人間であるコーチに対するコミットメントは約束事への拘束力が大きく異なると考えられます。

AIコーチングを活かしたこれからのコーチング

 AIコーチングではオンゴーイングな対応や、感情に左右されない適切な問いの発信が大きな価値であり、これは大いに活用できそうです。

 今後、AIコーチングとリアルコーチはどのように発展していけるでしょうか。

直観、感情に向き合う

 コア・コンピテンシーのひとつではありますが、AIのカバーできないところです。AIコーチングを活用しながら、クライアントのエネルギーがどう変化しているか、深いところで感じている不安などを直観で感じ取り、クライアントの感情と向き合うことで、より包括的なコーチングを提供できるようになるかもしれません。

コミットメントを強化する

 思考の整理、オンゴーイングな対応がAIの得意とするところならば、リアルコーチはコミットメントを強化するコミュニケーションにより多くの時間を使うことができるかもしれません。
 コミットメントを強化するための、信頼関係の構築や、クライアント毎に異なる”やる気スイッチ”の共有、などより人間らしい部分にフォーカスする時間が持てるようになるかもしれません。

今後のコーチに求められるもの

 コーチングフローを身に着けました、というだけでは難しそうです。
 コア・コンピテンシーをより強化し、コーチとしての基本的な力を上げていく必要があると思っています。
 AIコーチングを活用することで、クライアントにとってコーチングの可能性は大きく広がっています。であれば、AIコーチングを活用していくことはクライアントに有用であり、正しい道でしょう。
 素晴らしい未来を見てきましたが、一方コーチにはより高いスキルが求められてきます。
 AIコーチングが当たり前になってくる未来で、自分はどんなコーチになるのか、自分に対する問いです。



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