そもそも、何が目的なのか。
リバーカヤックをまっすぐ動かす。
それをやすやすとできるようになるのが、子どもたちです。水のつかまえ方がわかると、自分の行きたい方向へボートを進められるようになります。
細かなことを「考えていない」からかもしれません。
思考にしばられると動けない
たとえば、歩く。
重心を進行方向へ投げ出しながら、脚を前に出し、足の上に重心を載せてから、次へ重心を進行方向へ投げ出す。重心が安定するように、しっかり踏み込めるように足を置く場所も選ぶ。
そんなことを考えながら歩いていると、まっすぐには進みにくいです。ついつい目線も足元にいってしまいがちですね。しかも、動きはぎくしゃくして、何が正しいのか、頭の中でぐるぐると混乱してきます。
それと一緒で、カヤックもひとつひとつの動きに精緻にこだわると、うまく動かせません。「曲がらない」や「正確にやろう」という気持ちを、一度、手放せるといいです。
何を動かしたいですか?
わたしはいつも、レッスン中に「何を動かしたいですか?」と、参加者に問いかけています。
動かしたいのは、「ボート」「カヤック」。
シンプルに「ボートを動かす」意識を持つのが、実は、いちばんまっすぐに進めるコツです。
カヤックを漕ぐときは、パドルを手に持っているので、
パドルを引こう
腕を動かそう
と意識してしまいがちです。
そうすると腕だけを使った疲れやすい漕ぎ方になります。だって、そう意識してるんだから。
しかも、ボートは動きません。だって、動かそうとしてるのがパドルだから。パドルを動かしていてもボートが前へ進みにくいのは、ボートを動かそうとは思っていないからです。
あっ、ロールも一緒ですね。「ボートを動かす(反す)」意識を持つと、パドルは沈まなくなります。
ちなみに、「ボートを進める」意識を持つと、体幹を使えるようになります。ボートの内側から身体全体を使って動かせるようになるからです。
腕の負荷も小さくなって、とても軽く感じます。その違いは初心者でもわかるくらいに、大きいです。
そもそも何を?の問い
目の前の小さなことに気持ちをとられると、そもそも何をやりたかったんだっけ?が見えなくなります。
うまくいかないときには、「そもそも何をやりたいんだっけ?」を問い直すといいです。そこがはっきりすると、軽やかにことが進むかもしれません。
意識って、おもしろい。
****
その曲がりやすいリバーカヤックを使って、白丸湖でカヤック体験を、毎日おひとりからやっています。