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自分で選びとる
1月から、お花を習っています。
とはいっても、いわゆる「華道」とはちょっと違う花の教室です。
草、花、木と接することで、鏡映しになった自分と向き合う・・というかんじでしょうか。
花嫁修行(古っ!そんなの今でもあるのか??)によくある花をきれいに飾りつけるのとは、一味もふた味も違う、哲学的なお花教室なのです。
わたしは普通の華道教室には行ったことがなかったので知らなかったのですが、生けた花を先生が手直しするんですね。
型を覚えるための花生けなら、それもありなんでしょう。
”正しい”花の生け方。
のぞみさんの教室はそれとはぜんぜん違っていて、自由。
あえて何も枠を設けず、自分の思うがままに生けます。
なぜなら、今の自分の心や意識と向き合うためです。
さて、実践です。
2回目の今回のテーマは、「自分で選びとる」。
自分で選ぶ。
そこがすごく大事。
自分がいいと思ったように、やること。
決められなかったり、迷いがあったりするのは、「自分で選びとる」ができていないから。
誰かの評価を得ようとしたり、自分に自信がなかったりすると、なかなか選べない。
体調が悪かったり、意欲がないときにも、選べない。
それが生けた花にそのまま出てきます。
同じ種類の中から、ひと枝を選ぶ。
刺す花器を選ぶ。
たくさんある種類の中から、選ぶ。
そのひとつひとつが、自分では気づかない心持ちがあらわれてきます。
前半は、花器を選び、同じツバキの花の中から、枝を選び取って生けます。
「つるくび」という口の細い、何本も挿せないタイプの花器。
たくさんは挿せないので、シンプルに心持ちがあらわれるようです。
まずは花器選び。
第一印象で心にとまったものに決めます。
わたしはイノシシのこども、瓜坊に似た雰囲気の白の入った花器。
次に枝選び。
なんとなく、咲ききっていない枝がいいな、と思いました。
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実際に挿してみると、外へ向かう動きが浮ついてる気がして、瓶元にもう一本、咲いた小さな枝を加えました。
こっそりと葉の向こう側からこちらをチラ見しているような雰囲気で。
後半は、山に入って好きなものを探してきて生けます。
わたしはある程度の枠組みがあったほうが選びやすいと思ったので、先に花器を選びました。
裏山へ入って、その器に挿したいと思うものを見つけていきます。
空気はひんやり冷たいのだけれど、2月の日差しは冬至のころよりもだいぶ強くなってきていて、春のはじまりを感じます。
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はじめに花器を選んでから、山へ入り、器に合うものを選んだ。
日なたのしっかり日に当たるところに生えている葉と、倒れた枝からひこばえで生えている杉の葉。
小さな蕾をつけたツバキのひと枝。
その近くに絡んでいた枯れ枝。
それらで構成しました。
常緑樹は、冬の寒い季節でも葉を落とさずに、大きく身を乗り出して太陽の光を受けています。
日に日に強くなってくる陽の光に、よろこびを感じてるように見えます。
まだまだ硬い蕾は、これからやってくる春にちゃんと備えているように思います。
枯れ木は、冬の象徴。
葉の濃い緑と、対比させたかったのです。
眺めたひとは、この枝がこれから芽吹くように見えたそうです。
ふたつの花生け。
楽しかった。
来月が楽しみ。