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2024 11月号 最小限の安静で最大限の回復へ!
皆さんこんにちは!
今年も残すところあとわずか、寒くなってきましたね、、、
一年が早いなあと焦りも感じつつ
一年が早いのなら嫌なこともあっという間だろうと言い聞かせつつ
日々、重心がぶれないバランスの良いニュートラルな心を目指しながら、喜怒哀楽といった人間臭い部分も大切にしながら、できるだけポジティブに生きたい、と一見矛盾したものを目指して日々生きております。
ということで、医療もバランスがとても重要なのです。
EBMという言葉をご存じでしょうか?
「根拠(エビデンス)に基づく医療」(EBM:evidence-based medicine)のことなのですが、実は誤解を受けており、私も「エビデンスがある治療だけを行う」的な意味合いだと思っていたのですが実は全然違って。
厚生労働省ホームページ(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint2/c03.html)に書いてある内容を見てみますと・・・
研究結果やデータだけを頼りにするものではなく「最善の根拠」「医療者の経験」「患者の価値観」を統合してより良い医療を目指そうとするもの
と定義されているのです。
つまり「様々なものをバランスよくとり入れ、最適な医療を患者さんに提供しましょう」
ということなんですよね。
データや根拠が不足した治療ではリスクを伴う可能性がありますし、逆にデータや根拠に凝り固まった治療では患者さんのニーズを叶えるための挑戦や医療の進歩がなくなってしまいます。
双方のバランスの置き場所が非常に重要なんだろうなと感じる今日この頃です。
そんな整形外科医療の中でもバランスがすごく大切になる場面が「安静にする」か「早く動かす」かという判断です。
例えばですが「足の骨が折れて3か月安静にしていたら骨がしっかりくっつきました。でも、そのせいで筋力が低下して関節が動かなくなり歩けなくなりました。」
となってしまっては何のために安静にしたのかわかりません。
逆に「足の骨が折れたけど、筋力低下を防ぐために折れたその日から歩く練習を始めました。そしたら骨折がひどくなり歩けなくなりました」
これも意味がありませんね。
この場合「安静する」ことも「早く動かす」ことも目的は「骨折を治して歩くこと」であったはずです。
ケガや手術後における安静と固定は、患部を保護し、回復を促進するための重要な治療手段です。しかし、これらの治療方針を過度に行った場合、関節拘縮(関節の動きがぎこちなくなり痛みが出ること)や筋力低下といった合併症を引き起こすリスクが高まります。
見極めるべきは、骨折部が「早く動かす」ことに耐えられるまでの強度が「何日安静にすれば得られるのか?」ということと、関節機能の低下や筋力低下が「何日の安静までだったらそれほど低下しないのか?」そのバランスをとることなのです。
そりゃ3か月安静にすれば骨はくっつきます、でも筋力や関節機能は低下します。
2か月ならどうか?6週間ならどうか?4週間ならどうか?2週間ならどうか?
そんなかたちで、患者さんのゴールや、身体能力、ポテンシャルに応じてギリギリのラインを攻めていくことで最低限の安静で最大限の効果が得られるようになってくると思います。
今回は具体的なデータも分析しながら最小限の安静期間がどこにあるのかを深堀りしたいとおもいます。
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