前回視察からの続き~城崎温泉へ~
※前回記事の続き※
コウノトリを復活させることでサステイナブルなエコシステムを作った豊岡市の湿地を訪れた後は、歴史的温泉街である城崎温泉へ。
京都から電車で2時間半という城崎は、ゴールデンルートからも十分近い好立地にありながらも、まだインバウンドのオーバーツーリズムによって包摂されていない場所です。街そのものは1300年以上の歴史があり、有名なフランスのルルドの泉でも現代的に思えてしまうほどです。
昭和の面影が残る街並みですが、他の多くの観光地と比較するとほぼ気にならないレベルです。強化コンクリートで作られた大きな建物が少ない街は、旅行者を迎え入れる雰囲気をより引き出していて、景観もとても美しかったです。特に川沿いはアムステルダムを彷彿とさせました。行政が運営している施設の外は特に、看板はよりシンプルに、デザイン性のあるものがいいように感じました。
山をケーブルカーで登るのは、もしかしたら昭和バブルの名残なのでしょうか。ゴンドラで歴史的な寺院を通りすぎるのは少しばかり違和感を感じました。
温泉寺は、フレンドリーな住職さんにお会いして、伝統的な古式入湯作法を学ぶだけでも訪れる価値がある場所です。
このエリアにあるお店のタイプは3つ。アイスクリームを販売するお土産屋さん、射的といった昭和時代の遊び場、そして近年オープンしたカフェやレストラン。正直なところ、(どこの観光地でも言えることですが)お土産屋さんをより興味深い目的へと変えていくことは必要だと感じました。お洒落なカフェもちらほら見かけられたので、引き続き観光のためにも頑張ってもらいたいなと思います。
温泉に関しては、沢山の種類から選べる楽しさと言う点で訪れる価値はありますが、温泉の温度が少々高すぎること、知らない人々とお風呂を共有するという文化の違いから、不快に感じる外国人も少なくないかと思います。貸切温泉の選択肢がより多くあれば、喜ばれると感じました。
宿泊施設は非常に快適でした。私が今回宿泊したのは、現在大掛かりなリノベーションを行っている小林屋。ご夫婦で経営されている素敵なお宿でした。ご主人は長い期間海外で過ごしたアーティストで、奥様は旅館の三代目女将。典型的な旅館ではなく、このお二人から生まれるスタイリッシュなモダンジャパニーズスタイルは、海外の方にも喜ばれる雰囲気でした。
前向きな改善点としては、交通管理をより徹底すること、もしくは歩行者オンリー歩道を作ること。そして旅行者数を制限することでオーバーツーリズムを事前に防ぐことでしょうか。(ちなみに城崎温泉街ではすでに、どの温泉がどれだけ混雑しているのか一目で分かるアプリがあります。)
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