ミシュランスターシェフ 来鹿 「鹿児島食材視察ツアー」
観光庁事業「地域一体型ガストロノミーツーリズム事業」の一環で、ミシュラン3つ星を獲得した【SÉZANNE】のシェフであるダニエル・カルバード氏、ミシュラン2つ星の【MAZ】のヘッドシェフ サンティアゴ・フェルナンデス氏、コペンハーゲンの3つ星レストラン【NOMA】のシェフ ケビン・ジョン氏(京都のポップアップで来日中)の世界一流シェフ3名を招聘し、鹿児島の豊富な食材の視察をしていただきました。
まず最初に行ったのは「坊津の華」。こちらの窯塩所の塩は海から海水をポンプでくみ上げ、それを窯で1週間ゆっくりと炊き上げ、全て手作業で作られています。大変な過程を経て、キラキラと美しい結晶と旨味が凝縮され、とてもまろやかな味わいのお塩が作られます。
シェフからは「海の音を聞きながら海の塩を味わうことはデパートでは決して出来ない」と仰っていました。
この日は純粋なお塩の味を体感していただくため、新米の伊佐米で作ったおむすびを準備。坊津の華の日高様には、まぐろのハラミを炭火で焼いていただきました。
次に枕崎へ移動し、山崎鰹節商店で鰹節のオリンピックと言われている「全国鰹節品評会」で農林水産大臣賞に輝いた丸鯖節と、鰹だけではない様々な魚類から作る節を視察。
様々な魚で作られた節とそれから取れたお出汁を食べ飲み比べていただき、多くの質問を交わした後、鰹節の最高級品と言われる本枯れ節を専門に製造している揚村商店では工場内でプロセス、施設、道具等をひとつひとつ丁寧に説明頂きました。つきっきりで燻製の温度調整などを行っている話にシェフたちは大変興味を持っていらっしゃいました。
翌日2日目は、福山町にある坂元黒酢からスタート。
黒酢という言葉は、坂元黒酢の初代創業者がお酢を長年熟成したところ黒くなっていたことから黒酢と呼んでいたところ、そのまま広がっていたと言われており、全国的に知られる黒酢の発祥の地がここ坂元黒酢であります。
一般客はアクセスできない壺畑を案内して頂き、黒酢職人 坂元氏による説明が行われると予定していた時間を超過するほどシェフ達から多くの質問があがり盛んなセッションが交わされました。
続いて、これまで製造が不可能と業界内で言われてきた有機の抹茶を生産している西製茶へ。
ここではまず有機の抹茶を飲ませていただいた後、工場内を見学。社長自ら説明をして頂き、農園で実際の茶葉を視察しました。
有機にするまでの過程や葛藤等のお話を伺い、その後農園へ車で移動。壮大な農園でシェフからの質問にお応えいただきました。
最後に麦味噌を製造するほたる醸造へ伺いました。
レストランNOMAのケビン氏は実際に自社で味噌を作っており、みそ汁として使う味噌、洋食に合う酸味の効いた味噌との製造方法等の違いについて大変興味を持たれていました。
以上で1泊2日の食材視察ツアーが無事に終了し、シェフからは「これまで多くの食材視察に参加していきたが、今回の鹿児島の視察が一番楽しく、充実していた。鹿児島の食材の素晴らしさに非常に感動し、また是非戻ってきたいと考えている。」
というお言葉をいただくことができました。
また、実際にシェフと繋がった食材メーカーもあり、今回我々が一番目標としていた「鹿児島の生産者とシェフの架け橋になるという」ことが少し実現できたのではないかと感じました。
また視察終了翌日には、NHKかごしまのご協力の下、鹿児島のニュース番組である「情報WAVE鹿児島」で今回の食材リサーチツアーを特集頂きました。
今回多大なるご協力をいただいた生産者の皆様、鹿児島までお越しくださったシェフの皆様、観光庁、事務局の皆様、本当にありがとうございました。
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