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ウェブ解析を巡る連想

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ウェブマーケティングの基礎を非体系的におさらいできます。ウェブ解析やCRMにまつわる個人的な想いを書き連ねています。
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ウェブ解析を巡る連想 Vol.7  ~   リ-ドナーチャリング(続き)

前回のナーチャリングの話の続きだ。図のStep2で、ユーザーがエンゲージメントを深め、CVへ転嫁できる状態になるまで企業は忍耐する必要があるが、ただ待つだけではなくエンゲージメントの状態を指数として検証し、良質なコンテンツを提供できているか、改善すべき点がないかを確認する必要がある。今回はサイトやコンテンツに対するユーザーの満足状態を知るために、どんな指数をトレースすればよいか考える。 ◆滞在時間(平均セッション滞在時間、平均ページ滞在時間)が長いコンテンツの評価 ユーザー

ウェブ解析を巡る連想 Vol.6  ~   リ-ドナーチャリング

やっとのことで ウェブマーケティングの核とも云える、ナーチャリングへと話を移せる。 Step2リ-ドナーチャリング(見込み客の育成) 前回触れたエンゲージメントは、Step2のリードナーチャリングの鍵だ。まず、ナーチャリングで目指すべきもの、上図のStep3への矢印から説明したい。矢印の先がコンバージョン(CV)となっているが、これはあくまでStep2がうまく機能した結果だと考えたい。ユーザーはStep2のエンゲージ体験を繰り返し深めることで、結果的にブランドへの好意が高

ウェブ解析を巡る連想 Vol.5  ~   リ-ドジェネレーション (続き)

ネガティブ心理の代表格は「面倒くさい」だ。よほど前のめりにLPへ来訪したのでない限り、広告経由のユーザーは大概俺様気分だ。「ちょっと引っかかるものがあるから来てやったけどよ、俺様の面白いと思うものがあるなら早く見せろよ」となる。 前回、広告のゴールをハードルが高いコンバージョン(CV)にしないほうがいいと書いたが、世間一般的には、広告の成果はCVで測ることが推奨されている。もちろんCVを何にするか次第であり、動画の閲覧をCVと指定するのであれば、広告の目標としても十分機能す

ウェブ解析を巡る連想 Vol.4  ~   リ-ドジェネレーション

前回提示した私案の戦略モデルを再掲し、この説明を続けたい。ある企業のウェブサイト(ホームページ)X.jpでは、代表するナショナルブランドYの傘下で、商品Y1、Y2、Y3を扱っていると仮定する。商品はある程度高額な嗜好品で、ユーザーがパルス的な消費行動をしにくい状態を想定する。 Step1 リードジェネレーション(見込み客の獲得) ブランドと商品をさらに認知理解してもらうために、X.jpにはさらなる集客が必要だ。主要流入経路の類別を、①広告、②自然検索、③ダイレクト、④参照

ウェブ解析を巡る連想 Vol.3  ~  Webマーケティング戦略の核を為すCRM

CRMをウェブ検索すると、「顧客管理システム」というワードに多く行き当たる。90年代後半にCRMは一大ブームとなったが、Customer Relationship Managementの、Managementを「管理」と訳して意図的にシステムに結びつけたのは、One to Oneマーケティングが実践できると思い込んだ企業の誤解に付け込んで、高価なデータベースを売りつけようと企んだベンダーの策略だった(少し言い過ぎか…)。これは実に不幸なことで、過剰な期待と投資が後に瓦解した結

ウェブ解析を巡る連想 Vol.2  ~  PDCAサイクル というお話し

今回はウェブ解析の方法論について書き出してみたいと思う。 Google Analyticsの使い方はひととり覚えたけど、さて実際に何をどのように分析評価していけばいいのか。最初に行うべき簡単な集計は、自社ホームページの基本指標を取得する。おもな基本指標は、アクセス指数(セッション数、UU数、PV数、新規数)と、閲覧/回遊指数(訪問頻度/平均PV数/平均滞在時間/直帰率)。これらを月次や週次の時系列に見ていくだけでも、えっ、どうしてこうなるの?と疑問に感じるところが少なからず

ウェブ解析を巡る連想 Vol.1 ~  ”Web Analytics” からはじめる

2020年5月、コロナ禍によって自由な時間が増えたので、長年ウェブ解析の実務を通して考えてきたことを、記録するつもりであてどもなく書き連ねてみようと思う。 独り言とはいえ、今まで積み重ねてきたものをひととり吐き出せば、ウェブ解析の初心者やウェブマーケティングのおさらいをしたい方には、「なんだか頭の中の整理になるかも」と感じてもらえるものではないかという色気もある。でも、用語の解説や技術的な解説は極力書かない。それらの情報はウェブ上に腐るほど溢れているので、解析を真剣に身につ