五島(福江島)へ移住を決めた理由〜その1〜
前回の記事では、五島移住の報告、五島の基本情報についてまとめました。
今回の記事では、五島に移住することになった「経緯」をまとめます。
エピソード1 : そもそも「移住」を考えはじめたきっかけ
東京が嫌になった。
...というのは、簡潔すぎるでしょうか。笑
僕は幼少期から東京で育ち、エスカレーター式の人生と、それから外れる事がタブー視されている社会にいつも疑問を持って育ってきました。
世界一周中に現地の人たちと話をする時、毎回日本のことを聞かれたのですが、実は自分が知った顔をして話している「日本」は「東京」に限った事で、自分は「東京」という小さな村の外の世界は何も知らないことに気づきました。
さらに、僕が話す「東京」は割とネガティブな話ばかり。笑
それは、世界中が今ちょっとした「日本ブーム」で、もはや妄想と言ってもいいほど美化され現実とかけ離れた日本のイメージが定着しつつあります。
ありがちなのは、あたかも「日本全域が」完璧にオーガナイズ(整備整頓)されていて、道路にはゴミひとつ落ちていない、もしくは、あたかも「日本人全員が」丁寧で礼儀正しく、おもてなしの心に溢れていて、機械に詳しいと思われている(家電とか車のイメージが強いみたいです)。
そういう良い面だけでなく、そういった光を生み出すためには様々な社会問題(例えば、過労死や残業、パワハラ、食料廃棄、家族関係の希薄化など)があり、「こういう側面もあるんだよ」という現実を少しでもシェアしたかったからかもしれません。
全てのことにはポジティブな側面もネガティブな側面もあります。
例えば、電車一つとっても、東京では車を持たないでどこにでも行けるという便利さがある反面、どこに行っても満員電車で、車内はまるで陣取り合戦、駅で人同士がぶつかっても誰も謝りません。
僕の場合は、「便利さ」で得られるメリットより、「人の余裕の無さ」から嫌な気持ちになるデメリットの方が大きく感じるタイプで、このようなことが積み重なった結果、「とにかく、東京はもういいや」と思ってしまったのです。
ちなみに、海外から帰ってきた直後の、成田空港から実家に帰るまでの道のりが最も色濃くそう感じます。
あと、誤解を招かないように言っておきますが、東京の全てが嫌いになったわけではありません。
東京にはたくさんの家族や友人がいるし、好きな場所ももちろんあります。
エピソード2 : どこに移住する?
さて、大きく言ってしまえば、東京から出る = 移住 とも言えます。
しかし今回は、首都圏(神奈川・埼玉・千葉など)から遠くに住んでみようと思いました。
過去に横浜に半年住んでいて、横浜自体は東京に比べて格段に好きだったのですが、なんだかんだ言って友人と会うときは都心に出なきゃいけなかったり、結局「東京中心の生活」になりがちでした。
東京だけでなく、大阪、名古屋、福岡など、「都市的なライフスタイルとは離れたどこかに住みたい」、という気持ちと、子どもの頃からなぜかずっと夢だった「海の近くに住みたい」という気持ちが混じって、いくつかの候補地が浮かび上がってきました。
もう一つ、世界一周のプロジェクトはこれからも続けたいという想いがあり、安い国際線のある空港に適度に近いところ、という条件も浮上したため、田舎の僻地も候補から消えました。
候補その1 : ギリシャ
なぜいきなりギリシャ?笑 と、思った方も多いでしょう。
理由は単純で、世界一周中に一番記憶に残った場所だったからです。
厳密には、ギリシャのクレタ島、ハニアという小さな街です。
クレタ島はEU圏内への格安フライトが多々あり、海も抜群に綺麗なので申し分ありませんでしたが、ギリシャ移住はビザで断念しました。
「ギリシャ人でもなく、EU圏内の人でも出来ない仕事の従事」というワーキングビザの条件があり、職業がかなり制限されること、他に税金の面でも懸念があり断念。
候補その2 : 東南アジア(特にマレーシア)
ご存知の通り、低い物価と綺麗な海の国が多数の東南アジア。
そのため世界中の観光客が訪れ、格安の国際線も多数飛んでいます。
さらに最近では、フリーランス移住者が増えているタイ、経済急成長のベトナムだったり、「今アツイ地域」でもあります。
観光として行くなら最高でしたが、住む、となると貯金額だったり昨年の収入だったり、色々厳しい条件がありました。
候補その3 : 沖縄
日本で綺麗な海と言えば、代名詞的な存在だと思います。
THEリゾート地、という人口過密な地域は避けたかったので沖縄本島を一週間以上かけて回りました。
沖縄自体は割と好きでしたし、もちろん海も綺麗ですが、観光地化が進みすぎて参入するには面白みがない感じ。
さらに、沖縄といえば基地問題が深刻。
海外から帰ってきて、落ち着ける場所というよりはより一層慌ただしくなりそうということで断念。
ちなみに沖縄からの国際線はシンガポールのみで、片道13000円ほど。
これを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですが、成田・関空と比べると利便性の点でもそこまで魅力を感じませんでした。
候補その4 : 沖縄以外の離島(と海岸沿い)
実は、沖縄以外の離島については全箇所まわって実際に調べたわけではありません。
例えば、人気の奄美大島とか、瀬戸内海にもたくさん綺麗な島があったり、和歌山も綺麗なビーチと関空までのアクセスの良さがあったり、結構迷いました。
たまたま、沖縄以外の離島で割と最近観光したのが五島で、かなりいい印象を持っていたこともあり、「住む」という視点で再度視察に行きました。
五島で出会った人たちの中には、今まで世界中色んな所に住んだことがある人がいたり、離島巡りをした末に五島に落ち着いた人がいたりして、そういう先輩方(?)の話を聞くなかで、五島がかなり多くの好条件であることが分かりました。
その後、2ヶ月の短期滞在プログラムに申し込んでみて、気づいたら移住を決めていた、という感じです。
もしかしたら、来年か再来年か数年後か、またどこか、五島以外に移住することがあるかもしれません。
しかし今のところ、五島でのコミュニティになにか深く関わっていけそうな気配を感じています。
今回の記事では「経緯」についてまとめました。
次回は、五島に住む「理由 (メリット)」についてまとめたいと思います!