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自分の起源

 色々な街歩きが仕事のワタクシ。若い頃から主に東日本全体を見て回る仕事をしている。更に地場スーパーも視察対象に入る。
多い時は同系列のスーパーマーケットを6~8店舗くらい、一日で見て回り観察並びに状況レポートをしなければならない。地域の人のように、何食わぬ顔しながらお店に立ち寄って、買い物するフリしながら消費動向や傾向を確認して、動態予測、管理のノウハウを貯めている。
 今の私のミッションは、地域の人に同化しなければこれは出来ない。それを延々、転職してからはやってきた。但しノウハウを貯める事は単なるツールに過ぎず、そこから最適な自社サービスの開発に結び付けなければならず、開発物件だったり企画開発に結び付ける。これが最大のミッション。
 その為に同化する必要がある。

 そこで感じるのは、各地域の人のお顔。地域性による顔つきの違い、雰囲気の違いは確実に存在する。この広くて狭い日本、更に範囲を狭めて東日本であっても。そうして、東日本の大抵の地域で、私は違和感を覚える。理由は顔付きが明らかに違うから。

 例を挙げよう。
※以下、私の主観に基づきますので、総てに当てはまる訳ではありません。

 例えば栃木や茨城。特に宇都宮以南、筑西付近まで。割かし凹凸は関東の中でもある方だが、口先が尖って真ん中に寄っている顔立ちの人が多く、全体的に色白。
 例えば横浜。横浜の場合、顔立ちはハッキリし、口元が横に広い。特に女性は色彩主張の強い派手目の格好を好む傾向にある。
 埼玉、特に中央部の場合は、平たい顔付きで柔和な印象の人が男女共に多い。
 千葉や茨城の南側、神奈川の平塚くらい迄の太平洋側は海に近づけば近づく程、全体的に浅黒く、目鼻立ちはクッキリしている。
 群馬は栃木とは対照的に、口元は横に広く唇は薄くとにかく横に大きく口を開く傾向にあるのか、また、空っ風を防がなければならないからか、鼻筋はやや平たい。
 埼玉北部も同じ傾向だ。多摩地区~埼玉西部は比較的薄めの顔立ちの人が多い。
 23区は対象外。理由は純粋な江戸っ子は私(東京都北区出身)含めて殆ど存在しないから。三代以上続いていた所謂江戸っ子は昭和初期ですら、全世帯の10パー程度だったと言われている。(『「昭和二十年」私の東京地図』より)それくらい、23区は地域マーケティングリサーチでの傾向や諸々調べるとしても、実はあてにならない。これは所謂都内のベットタウン、横浜や八王子、木更津を除いた国道16号より内側にも該当すると見てほぼ間違い無い。
 このゾーンは、単純にトレンドを追うのが一番手っ取り早い。数が多いから何となく成果が出て、何となく当たった気になる、それが我が故郷、東京。そしてベットタウン。選挙を見てもわかるでしょう。何となく、トレンドを産み出す人が当選してしまう。大都市だから?いやいや、東京と言う都市の成立を考えたら理解出来る事。 
 以上、私の主観でした。

 さて、そんな、くどくど書いてきたが、私自身、北区出身ではあるものの、自分の起源は違う。それは知っていた。親父の親父、即ち私の祖父は小田原から大工の見習いとして上京し、そのまま棟梁になった人物。また、私の母の父、即ちも一人の祖父はこのwikiによると起源を辿るとどうやら静岡にあるらしい。このwikiの人物は祖父の曾祖父に当たるらしい。
 で、私の遺伝子は父の遺伝子が色濃く、親父そっくりだ。息子も私に似ている。祖父にもそっくり。即ち、小田原の血がどうやら流れているらしい。因みに本家は酔っ払った親父の話によると、小田原で桶を作っていた下級武士の末裔らしい。
 下級武士、は真偽は定かでは無い。そう、親父や祖母が私に言っていたのは多分見栄だと思うが小田原が本家、これは散々小さい頃から聞かされてきたから多分本当。桶を作っていたのも本当らしい。祖父はそこの次男坊だか三男らしく、跡を継げないから上京したらしく、そこで上野の呉服屋、鈴屋の遠い親戚筋に当たる祖母と知り合い結婚して親父を始め、男女2人ずつ、産んだらしい。で、みんな、同じような顔をしている。目鼻がクッキリしていて唇が薄い。目は祖父、祖母共にデカイのでどっちが濃い遺伝子か、定かではないものの、口元や鼻立ちは祖父の写真を見る限り、我々皆ソックリ。と言う事は、恐らく祖父の遺伝子が強かったのだろう。更に母方の静岡で、太平洋側の遺伝子が濃縮されたようだ。

 また、息子は、元妻のご両親は千葉と宮城の小牛田らへんで、元妻は母親似なので、東北の遺伝子が強いのだろう。私の母も、静岡人と岩手の人の子になるので、やはり東北の血も混ざっている。
 不思議なのは、親父にせよ、私にせよ、東北の血が混ざっている人を伴侶に選んで子を作った、と言う点。しかも双方三歳年上。気色悪い位、ここも私は親父の遺伝を継いでいる。尤も、私は離婚してしまったが。

 そんなバックボーンを持つ私。今日は視察で小田原に来た。いつも通り視察した。

 いやあ、全くと言っていい程に違和感が無い。様々な顔立ちを眺めていても自然と受け容れられてしまう。地域の人、と私が言っても多分信用されてしまう。特に目。二重で大きい目蓋の人が多い。

 改めて、自分の起源を仕事によって知らされた瞬間だった。


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