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つくば市議会 意見書(案) 第5号


6月25日の議会の最終日。意見書(案)第5号「トリチウム等を含む処理水の処分方法について再検討を求める意見書」案 が提出されました。

その時の質疑と反対討論をしましたので、議事録をそのままNOTOに載せます。

質疑
1. もともとは、貯蔵タンクが2,022年には、満杯になると言われています。経済産業省のホームページにもその理由が書かれています。また、福島原発を廃炉にするためにも、この貯蔵タンクを無くさないと、廃炉にもできない。大変な遅れと大きなコストがかかります。そんな背景があります。№1の内容では、「当面、陸上保管を継続し、」と書かれていますが、これは2,022年までで、「良い」という意味なのか?それとも、それ以降も?という意味なのか?
2.  もし2022年以降も継続となると、満杯で置くことができないわけですから?場所がなくなるわけですので、それでは、どこに置くのか?どうすれば良いと考えているのか?考えを述べていただきたいと思います。具体的な対案なりが当然あるのだろうと思います。それを提示して説明していただきたいと思います。述べてください。

質疑 2回目
3. №1.の事項に、『当面、陸上保管を継続し、トリチウム除去の技術を検討し』と書いてあります。政府の発表では、2年間は継続して、日本の国内の排出安全基準よりも40分の1以下にする、「希釈する」発表しています。またWHO(世界保健機構)の飲料水基準の7分の1にして、から、海洋放出すると発表しております。
そして、それをIAEA(国際原子力機関)も高く評価しております。この№1については、すでに、政府が発表している具体的な政策だとも思っていますが、そのことについて、ご所見をお聞きしたいと思います。
ダメであれば、その他にもどんな方法があるのか?具体的にあるのか?それがあるのなら、是非、説明して、教えていただきたいとも思うのですが、

質疑 3回目
4. これだけの科学的根拠が事実だとしても、また別に、心理的な感情論的な問題があって、特に、漁業関連の皆様からの「反対」の表明が出されていると思いますが、・・。№2についてですが。それでは、どうすれば、良いのか?と思うのですが、具体的に海洋放出以外の方法はなんなのか?科学的論拠を述べて説明しても、ダメだというとお考えなのか?「この心理的な感情論的な問題を」解決する方法があれば、どんなことをしたらいいのか?教えていただきたいと思います。

5. 確かに、今回の政府発表に対して、他の国からも日本政府の解放放出の発表に対して、批判が発表されていることは、事実です。中国や韓国が、特に、強い批判を示しております。一方で、その批判をしている当事国の韓国では、月城ウォルソン原発が、すでに、稼働しているのですが、実は、日本海に処理水(いわゆるトリチウム総量にすると約23兆ベクレル)が海洋放出しております。福島の処理水の約6倍にも及びとされておりますが、韓国のように自国(韓国)では、すでに、海洋放出をしているのに、他国の日本に対して、批判をしているわけですが、この韓国に対して、提案者のご所見をお聞きしたいと思います。


以下、反対討論をしました。その原文です。


まずは、海洋放出とトリチウムに関連する事実を少し述べさせていただきます。
福島第一原子力発電所で発生した処理水に含まれるトリチウムは、これは1Lの処理水に含まれるトリチウムがわずか100ng(n(ナノ)は10-9)(重量の割合にして100万分の一よりはるかに少ない)程度であることを示しています。イメージにすると、東京ドームの中に、ヤクルト1本分とイメージしていただければ、わかりやすいかとおもいます。

トリチウムを含む水分子だけを処理水から分離して取り出す方法も開発されていますが、このようなわずかな量のトリチウムを大量の処理水から取り出すには、膨大なエネルギーとコストが必要になり、現実的に利用可能な効率的な分離を行うには、さらなる技術開発が必要となります。
これを待っている時間的な余裕は現実的にありません。

(東電福島第一原発のタンクに現在貯蔵されているトリチウム総量は約1000兆Bqとされております。その量は125万トンに上り、タンクの数は1000基を超える。)

また世界のトリチウム放出総量を主に、ここに明記します。すべて海洋放出になっておりますが、
1. フランス La Hague再処理施設(福島の102倍)
ラ・アーグ再処理工場は世界中の軽水炉の使用済み核燃料の再処理
2. イギリス セラフィールドSellafield再処理施設(福島の15倍)
3. カナダ ブルースBruce AおよびB原発( 福島の14倍)
4. 韓国 月城ウォルソン(Wolsong)原発( 福島の6倍しかも日本海側に放出している。)
以上述べた世界の原発は総量も濃度もすべて福島の数倍の比較のものです。その解放放出での被害の報告もありません。
ちなみに、韓国がだいぶ強く日本の海洋放出に対して、批難をしているようです。どっかの文献を調べたら「日本の放射能汚染水の全人類の核攻撃だ」と狂乱状態で批判をしているようですね。余談ですが。

結論的には科学的な判断で「総量」も「濃度」も、数値的には問題ない。IAEAも、米国政府も、今回の日本政府の決定を支持している理由でもある。

残りは、科学的な基準とは別に、心理的・感情論的な問題である。日本の漁業関係者からは日本政府に対する非難が聞こえてきている。風評被害に苦しんできた福島の住民も同じ気持ちだと思われる。
以上が海洋放出とトリチウムに関する事実であります。

一番重要なことは、福島の復興のために、または、廃炉に向けて、現実的に何が必要なのか?そして、「政府が責任をもって決断する」と言うことだと思います。
意見書で書かれている点では、一番、心配なのは、「風評」なのだろうと。しかしながら、風評とは何かを考えてみると、「事実とは異なったデマ。誤った情報。間違った報道。」といえると思います。
しかし、巷間、一般的に国民が知られることには、本当の事実があまり伝えられておりません。マスコミ各社は、本当の事実を伝えていないからです。
細田豪志 衆議院議員。この方は、東日本大震災(当時、民主党政権、原発担当大臣として)の福島原発事故の報告書をIAEAに提出した当事者でありますが、先般、彼が日本記者クラブで記者会見をしたときのコメントをご紹介したいと思います。
「選択肢は海洋放出しかない。政府が責任を持ち、早急に決断することが福島の復興にとって重要だ。「処理水」は海洋放出して問題のないレベルになっている。「汚染水」という言葉を使った、デマを助長するような報道はやめてもらいたい。韓国も放出している。福島の処理水を全部流しても、フランスが流す処理水1ヶ月分にも満たない。福島の排出にだけ反対するのは、フェアではない。」「温暖化を止めて、石炭火力を止めて原発を動かさないという選択肢はない。」三つ同時は成り立たない。安全性を確認された原発の再稼働は必要だ。」 の述べております。
現在、野党第一党の立憲民主党の枝野さんや連邦さんなど、野党の方(当時は政権担当者だった)は、「安全と安心は違う」といいますね。「安全であっても風評被害が心配」みたいなことを言うわけですが、如何にも国民に寄り添っているような表現をするわけですが、・・・。現実的ではない。問題の解決に何にもならない。それを一番知っている枝野代表は、処理水の責任を自民党にすべて転嫁して、他人事のように攻撃しているだけで、まさに不毛な議論を繰り返しているにすぎません。
当時、政権担当をしていたことを考えれば、「あきれた無責任」だと思います。原発事故の時の政権の主要メンバーが、(細野さんは、違うと思います。)デマをまき散らしています。今まで、正確な情報を伝える努力もせず、パフォーマンスで国民に寄り添って見えるかのような演技をしているわけです。
またマスコミの報道についても大変なデマが横行しております。「汚染水」と「処理水」をごっちゃにして、「危険だと」報道しています。朝日新聞2021年の4月8日、立憲民主党の川内博史議員のTwitterを報道しています。
「トリチウム以外にも除去できていない様々な「汚染水」を「処理水」として海に流す間違った決断をしてはならない。漁連は「汚染水」と知っているから「絶対反対」と言っているのだ。

資源エネルギー庁のホームページに、解説されている。

「汚染水」とは
→原子炉内で溶けて固まった燃料を冷却するために使用した後の水、及びそれらが建屋内に流入した地下水や雨水と混ざったものです。

「処理水」とは、
汚染水から有害な放射性物質を除去し、無害化させたものです。自然界のあらゆる水の中に存在する三重水素(トリチウム)だけは除去が難しいものの、これは適切に希釈すれば、海洋放出しても健康リスクを上昇させるような「汚染」は起こらないため、世界中で大量に海洋放出され続けています。

今まで、マスコミや原発反対派の方々はその正確な情報を国民に知らせてきませんでした。このまま貯蔵タンクを溜め続けることが本当に福島の復興のためになることなのか?「なんとなく不安だから」という風評被害をこのままにしておくことできません。政府としても責任がある。処理を決定しなければならない。
まさに細野豪志 代議士のコメントは、当時の政権担当の当事者としての責任感がある発言だと思います、また「海洋放出」を決定した菅総理の英断には、福島の復興を成し遂げようとする強い決意が表れています。現状のままでいることが、福島の復興をそぐ大きな要因であります。またそのコストは、結局は、税金や電気代で国民が負担することにもなりかねません。

間違った情報を正すのが政治家の役目ではないかと・・?マスコミもしかり。

今後、政府与党が実行するべきことは、これらのデマや風評に対して、科学的
事実やデータなどにより、しっかりと反論すべきだと思います。デマや風評に打ち勝つためにも、真実の広報と海産物需要の開拓や流通構造の形成・定着までの一定期間にわたり、流通業界に対して取引に見合ったインセンティブを与えること。粘り強く地元と漁業関連業界との理解を得るために、引き続き、政府としての責任ある施策を講じていただきたいと思います。
最後に、今回の意見書に、書かれている内容の趣旨には、菅総理が決断した海洋放出に対して「最悪のタイミング」や「新たな風評を助長する」と解説していることに、大きな疑問を感じざるを得ません。また、逆に、菅政権が処理水の現実的な処分方法である海洋放出を選択し、理不尽な風評とそれによる不毛な議論との戦いを開始したことに強い支持をする次第であります。以上の理由により、つくば市議会で、この意見書を軽々に可決するわけにはいかないわけでありますので、これらの理由により、「トリチウム等を含む処理水の処分方法について再検討を求める意見書案」に対する反対討論といたします。

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