あ~、卵かけご飯
実は生卵って本当に貴重なんです
インド駐在時代に日本から役員が来た時、「工場にこんなに遊んでる場所あるんだからニワトリとヤギ(乳を搾って飲めということ)を飼育すればいいじゃないか。おまえ、総務担当なんだから考えろ。」とマジで言われたことがあります。
ぼくは、(無理無理、卵なんか産まれたって警備員とか社員が盗んじゃうよ)と思いながらもサラリーマンなので完全無視はできず、日本のホームページを見て生食用卵の飼育方法を調べました。
やはり、日本の卵は生食用なだけあって、サルモネラ菌の(確か)照射殺菌法や高熱殺菌法などの手順があり、素人が簡単に手を出せる代物ではないことが(当たり前ですが)、勉強できた次第です。
だいたい、エサだってちゃんとしたの与えなきゃいけないし、一代目のニワトリではだめ。何代目のニワトリから生食できるのか。そもそも二代目でも三代目でもなんでもいいけど誰が最初に生食に挑戦するのか。(これも「総務」の仕事か?)と色々考えた挙句に、その役員からの指示を無視することに決めました。今のところは「あの件はどうなった?」とは言われていません。
その間、インド人の生産技術者と溶接工に約12匹、一匹あたり1平方メートルとして12平方メートルのにわとり用ゲージを作ってくれと頼んでおいたのですが、そのことを忘れており、危うく本当に加工に入るところでした。「だめだ。中止だ」と伝えたところ。「そりゃそうだよ。なんで機械の工場でトリを飼うんですか?と思ってました」とのことでした。
結論を言えば、そこまでして、卵かけご飯を食べたいわけではありません。
そのほか、
ヤギを飼って乳をしぼって、出張者とかお客さんに「インド工場名物としてふるまえ。自家製ヤギミルクによるチャイ。みたいな感じで。」とか、
「日本ベースの会社なんだから、桜に近い木を植えて、工場で花見したらどうだ」とか、
「工場の空いたスペースをブルドーザでならしてゴルフ練習場にしてしまえ」とか
常識にとらわれない発想の指示とも冗談ともつかない案を色々と言われました。ヤギとゴルフ練習場は無視しましたが、桜については結構調べたりもしました。
いずれも、もし実現したとしても「インドに行ってアイツはどうにかなったのか。暇なのか?」と言われそうだし、インド人の社員には「あの人日本から何しに来てるんだ」と影で言われたでしょう。