【新常態(ニューノーマル)によって起こる変化】 〜NPO・市民活動・コミュニティ活動の視点から〜
ところどころで繰り返し書いたり話している内容ではありますが、改めて「新常態(ニューノーマル)」によってNPO・市民活動・コミュニティ活動にこれから起こる変化を予想してみたいと思います。
まず主要な新常態(ニューノーマル)は、
1. 在宅で仕事をすることが多くなる・基本となる
2.ミーティングをオンラインでやることが増える
3.イベントもオンラインでやることが増える
まだまだ過渡期で、「出社」や「リアルミーティング」や「リアルイベント」も行きつ戻りつではありますが、繰り返し来る感染拡大の波が長期に渡って続くことによって、「構造変化」と一定程度の「定着」が起こると思います。つまり、「在宅リモートワーク」と「オンラインミーティング」と「オンラインイベント」が新常態として(「普通の選択肢」として)今以上に定着してくると思います。
そのときに何が起きるのか?どんな構造変化が起きるのか?それについて思うところを記しておきます。
結論から言うと、とにもかくにも「越境」と「マルチ活動・マルチ所属」だと思います。つまり、人々が一つの所属だけに留まらず、所属組織を「越境」していく。いくつかの仕事や活動や組織に濃淡を持ちながら「マルチ所属」していくという大きな流れです。オンラインは機会創出に向いています。家に居ながらオンラインイベントに参加したり、ある団体の説明会などに気軽に参加できます。それは越境や新たな社会参加の機会を広げる力になります。
企業・会社員ではこれから兼業や副業も増えてくるでしょう。みんながいくつかの所属と顔を持つようになり、マルチ(複数)慣れしていきます。生業(なりわい)活動だけでなく、地域の活動に参加したり、学校や子どもの居場所に関わるようになったり、関心テーマの活動のボランタリースタッフをするということも増えてくると思います。こういった「社会参加」や「コミュニティ活動」が増えていくことも新常態によって起こってくる現象・構造変化になると思います。
これは個人の「オクトパス化」(オクトパス=蛸(たこ))であり、複数の所属に足場を置いて仕事をする/活動をする/生きる、ということになります。「あなたはいろいろな会社やNPO団体からひっぱりだこだね」と言われる。これは「ひっぱりオクトパス」です(笑)。
新常態(ニューノーマル)から生まれるこの構造変化に向けてやるべきことは2つです。
1. 個人:社会参加力・コミュニティ活動力を鍛える
2. NPO団体:人材の受け入れ力を高める(特にマルチ所属のゆるやかな関わりを)
これらについてはまた別の機会に書きたいと思いますが、来年(2021年)や再来年(2022年)に向けて、新常態(ニューノーマル)の定着によって起こるこの構造変化を予知しておいて、先手で変化しておきたいところですね。
私はこれはNPO・市民活動・コミュニティ活動にとっては追い風の構造変化だと思っています。「家だけ」や「会社だけ」ではなく、「社会参加」豊かな社会になっていく予感がします。NPO・市民活動の立場からすれば、いろいろな人の力(才能)を借りて活動するスタイルにますます変化していければと思います。今はいろいろ大変だけど、時間をかけて起こる良い構造変化もあるなと思って、希望も感じています。