乗り換え時間2分
今日、本庄に行った帰りのことだ。新宿まで帰るのだが、湘南新宿ラインなら直行で行ける。その最終便は本庄21時24分発国府津行きで、新宿着は22時57分、過去何度もそれで帰ったものだ。
改めて調べるとその一本前、21時08分の高崎線が籠原で同駅始発の湘南新宿ラインに接続するというのがある。今日はそれで帰ることにした。籠原着は21時22分、籠原始発は21時24分なので、無駄もない。
この無駄がないと言うのがポイントで僕の場合、例えば家を出る時も到着時間を逆算して、待ち時間を極力少なくするがあまり、逆に余裕がなくなり駅まで走るハメになったり時には目的の電車に間に合わなくて地団駄踏んだりすることもある。だから最近は現地で待たされてもその方がいいかなと考えるようになってきてもいる。まぁ、大抵の場合、ぎりぎりなことが多いのだが。
で、今日だ。
21時08分に間に合うように本庄駅まで送ってもらい、駅に着いてみたら2分後に20時55分と言うのがあるじゃないか。改札抜けて階段降りれば乗れるタイミングだ。どうしようかなと一瞬迷ったが、籠原で待ってもな、と思ってるうちにその電車は行ってしまった。改札を通り、降車客も上がってしまいガランとしたホームに降りて、先頭車輌方向に歩き始めた時、ふと、不安が頭をよぎった。
乗り換え時間2分。意外にないな…。空いているから先頭車輌に向かっているけど、待てよ、始発電車はどのホームに停車しているんだろう?向かいのホームならいいが、もし、隣のホームに行かなきゃならない場合、階段はどこにあるんだろう?アプリによると到着は1,2番線、始発は1番線とある。と言うことは向かい側のホームという意味か?いやいや、これだけではなんとも言えない。
僕は戻って階段を上がり、駅員のいる窓口へ行った。
「あ、すみません。21時08分の高崎線に乗って籠原で始発の湘南新宿ラインに乗り換えるんですが、同じホームですかね…?」
「ええ、ホーム向かい側ですよ。」
そうかと安心したが、駅員はすぐあとに続けて
「時刻通りに行けば向かい側です。」
僕は一瞬意味がわからなかったが、そうか時間通りに高崎線が来るとは限らないってことを忘れてた。しまった!それならさっきの20時55分のに乗るべきだったのだ。そうすれば、余裕で乗り換えが出来る上、着いてみたら座席が埋まってると言うこともない。2分の遅れなどよくあることだ。待ち時間をケチるあまり、予期せぬ不安に苛まされる羽目になった!まぁ、仮に乗り換えられなくても、そのあとのに乗ればいつもと同じじゃないか。心配することはない…と平静を装ったがなんとも落ち着かない気分。
21時08分が近づく。暗闇の中、真っ白な光を放ち、軋んだ音を立てて電車がやってくる。あれ?隣のホームじゃないか!と一瞬焦ったが、逆方向、高崎行きだった。いかん、焦りが態度に出ているぞ。
少ししたら僕が乗る高崎線が時刻通りにやって来た。開くボタンを押して乗車する。本庄から籠原まで3駅、ひとつひとつに停まるたび、それぞれ予定通りの時刻で安心するとともになんと正確なんだ、と逆に不安になった。
籠原が近づく。ホームに高崎線が入っていくと反対側に湘南新宿ラインが停車している。しかしドアが閉まっている。え?と一瞬思ったが、この辺りは乗降客が自らボタンを押さないとドアは開かない。さっきそうしたではないか。いかん、焦りが気持ちに出ている…。
電車が止まる。開くボタンを押して高崎線を飛び出し、ホーム反対側の湘南新宿ラインの開くボタンを押して僕は乗車した。土曜の夜、上りはガラガラ、座り放題。まずは予定通り乗り換えられたことを喜ぼう。
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