回文集「くるくる・えぶりでい」10/24
きょう10月24日は「文鳥の日」です。10月が、手乗り文鳥のヒナが出回る時期であることと、「て(10)に(2)し(4)あわせ」の語呂合わせから制定されたそうです。児童文学者の鈴木三重吉は、小説「鳥」の中で、少年時代に従姉の千代と一緒に隠れるようにして飼っていた白文鳥を、千代が嫁いでいったのちに逃がしたという思い出を、彼女への思慕を込めて綴っています。文鳥の鳴き声が「千代千代(ちよちよ)」というふうに聞こえたのだとか。では回文を。
嫁ぎし従姉なり、とよ。
「千代千代」鳥、鳴こと居し。きっと。
[とつぎしいとこなり とよ ちよちよ とり なこといし きっと]
三重吉は、夏目漱石にも文鳥を飼うように勧め、購入の手伝いをしました。ところが執筆に忙しい漱石は、文鳥の世話を怠るようになり、家人に任せていたのですが、ある日、死なせてしまいます。これを綴った漱石の小説「文鳥」の読後感は、愛鳥家には悲しいものでしょうね。