絵日記の効能
2014/11/26 記
日記を書くというのはさ、ストレスが溜まるのを防いで、ウツの防止にすごい効果があるとラジオで言ってた。
同じことを前にテレビでも言ってたんだよね。
そう言われてみたらさ、この2年間、苦しい苦しいと思いつつ書いてきたこの絵日記が、日々溜まってはパンパンになった俺のストレスを良い具合にガス抜きしてくれていたのかな。
だって振り返ってみたら、懲罰に行ってないのは事実だからね。
これまでの俺の懲役生活ではあり得なかったことだよ。
本当は年取ったからだとか、仮釈狙って慎重にやってたのが大部分なんだろうけど、多少は日記の効能も認めていいかな。
でもね、散々日記の中であの野郎この野郎とか、ちくしょうやってらんねえだとか書いてるように思うかもしれないけど、実は本音を殺してオブラートに包んだ書き方してきたんだよ。
本当はもっとストレートに表したかったけど、なんせ仮尺のつもりでいたから、いつどこでノートの検閲に引っ掛かるかわからないし、出所の際に
「はい、この部分は持ち出せないので切り取ってください」
なんてことになったら身も蓋もなくなっちまう。だから神経質になるさ。
だから文句言った後は少し前向きなコメント入れたりしてね(笑)。
だけど満期ともなれば話は違ってくる。
ノートに何が書かれていたとしても、あまりうるさくは言われない。
おれもこの調査房から出所ということは、ノートは出所間際に見られるかみられないかってくらいだろうからもう眼中にない。
これからは本音をストレートに、やばい話も堂々と書いていくかね。
それでこそ、ウツ寸前の俺のストレスを綺麗に吐き出してくれる日記の効能が発揮させるってもんだろ?
PS
だけどさ、文才のない俺は何回も読み直しては書き直すして、やっと通じるかなという具合で、全く上達はしないけれど、イラストの方は結構上手くなった気がしてる。
継続が力になった証が少しだけあるようだ。