強力な打撃を生みだす中国拳法の踏み込みを解説!足の勢いを腕に伝達
普通、強力な打撃を生みだすときは、腕の力だけだと、不十分です。
大男なら別ですが、標準体型の人間であれば、威力が伝わりにくいです。
そんな強い打撃を生み出すにはどうしてらいいのでしょうか?
答えは、足の勢いを全身に伝える形で、打撃を行っていくことなのです。
そうすれば、全身の体重が、パンチにのっていきます。
これならば、筋力まかせのテレホンパンチより、はるかに強烈な打拳を放てるのです。
この全身を使って、パンチを打つ、一連の動きを、発勁(はっけい)と呼びます。
つまり、中国拳法における、力の伝え方を意味します。
この発勁をやるうえで、効果的な足の動きは、大きく2種類あります。
1つ目は、つま先をけった勢いで、全身を前にのけぞらせて、パンチを放つ打法です。
これは、ボクシングにて、良く使われるやり方となります。
この蹴り方のメリットは、スピーディーに、簡単な力の伝達ができる点です。
特に、つかみ技のない、ボクシングのルールであれば、有効に機能します。
しかし、喧嘩のような緊急事態では、相手にかわされると、バランスを崩しがちです。
片足がつま先立ちで、前にのめり込むのですから、当然だといえます。
また、パンチから蹴り技にも、転換しにくい欠点があるのです。
仮に、パンチをよけられたあとに、関節技や投げ技をかけられれば、それで終わってしまいます。
では、この欠点を、どのように克服すればいいのでしょうか?
答えは、2つ目のやり方として、軸足で地面をけりあげることなのです。
地面を、足裏全体で蹴った反動を利用すれば、勢いのあるパンチが打てます。
唯一の欠点は、つま先立ちで前のめりになるのに比べて、パンチを打つのに、多少時間がかかる点です。
この打拳法に、最も、近い門派は、中国拳法の形意拳です。
これならば、足の勢いが伝えにくい、靴を履いた状態でも、全身に力を伝えることができます。
さらに、身体のバランスを崩さないので、相手の動きに、瞬時に反応することが可能です。
具体的には、下記の図の通りに行います。
図
足裏で蹴ることも重要ですが、できるだけ、足のねじりを加えると、より発勁が生みだしやすいです。
ここまで、何回も、足で生み出した反動を腕に伝える練習をすることで、ベストなタイミングを発見できます。
これに関しては、自分で練習して、つかむしかありません。
ちなみに、足技のキックの場合にも、発勁はあります。
中国拳法では、基本的に蹴りをする軸足は、しっかり地面に固定するのです。
蹴りは、全身運動をしなくても、十分な威力があるからです。
それよりも、スピードや防御を重要視します。