温泉スイート製作中(3)
だいぶん形が出来上がってきました。同時に過ごすシーンがだんだん鮮明に描けるようになってきました。
そして問い合わせを頂くようになってきました。
3世代、4世代の家族連れ
1985年、昭和初期、昭和20年、昭和30年に建設された木造旅館をリニュアルして現在の御所坊の形をつくりました。
テーマは、御所坊が一番輝いていた時代。昭和初期、谷崎潤一郎が来ていた頃、白熱灯の灯りで影を活かした照明。
扁額に書かれた漢詩が掲げられている老舗の雰囲気を醸し出す・・・
団体客から個人客へのシフト。その決意ではないけれど、大きな踏み絵が半混浴の金郷泉。
これは大家族風呂なのです。
2つの思い出が元になっています。
妹の結婚が決まって、家族で湯村温泉の朝野屋さんに行った時子供たちが男風呂から声の聞こえる母親が入っている方へ行きたいと行った時の事を思い出しました。
また白骨温泉の泡の湯さんに行った時に混浴の露天風呂だったのですが、白濁した湯であれば不透明なので湯に浸かれば問題はないが、その浴槽に入る際に問題があるのを感じた事を思い出したのです。
以来、御所坊のテーマは“家族”なのです。それも3世代。
しかし4世代の家族も多いのです。
足腰が悪くなったお年寄りを連れて来られるお客様がお越しになると、階段の多い御所坊では少し対応が難しい。階段の上り下りなどはお手伝いするのですが、お客さまも恐縮されて問題だなあと考えていました。
そこでホテル花小宿が誕生するのです。バリアフリーに取り組みました。
車いす利用の方がお越しになられていも良い。介助をしながら温泉を楽しんで頂くのであれば家族風呂にすればよい。つまり貸切なので異性の方が一緒に入る事が出来る。
しかし子や孫を連れて家族でというお客様への対応は難しいのです。
今回、スパ・スイートルームと称している様に希少な有馬の温泉を家族だけで楽しめる。他の人が使用した湯を使うのが嫌だと温泉を利用されない方も、この部屋だと大丈夫です。
花小宿の貸切風呂と同程度の広さがありますので、4人から5人でも温泉を楽しめる広さが必要だと考えました。
2階の部屋は温泉浴槽の他にサウナを設けます。
サウナ後に冷たいシャワーを浴びて、バスローブを着てバルコニーでたたずむ・・・
1階の部屋は温泉浴槽の他に半露天風呂の白湯の浴槽を用意します。
温泉浴槽は介護が必要な方でも使いやすいような仕掛けを設ける事にしました。4世代のご家族が楽しんで頂けると思います。
多様な過ごすシーン
滞在したいと思うような宿や温泉地は少ないのではないだろうか?
滞在というとすぐ思い出すのがホテル。
ビジネスホテルから高級ホテルまで滞在する事はありますが、それらのホテルが建っている所には、滞在できるような街があると思います。
ところが温泉旅館の場合はどうだろうか?
それは有馬温泉の課題でもあります。視点を広げれば神戸や京都・大阪も有馬の滞在の場合の移動先と考えれば良いのだけど、それだと都心に泊まって有馬は日帰りで良い。という事になるので、やはり有馬での滞在を考えなければならない。
看板商品創出事業に採択されているので、有馬での滞在プログラムを増やして滞在できる要素を増やしていきたいと考えています。
最近力を入れて来た素泊まりの宿。温泉街には約30室あります。
滞在する為の宿。つまりビジネスホテル対都市ホテルの様に、高級バージョンがあっても良いと思うのです。それが今回つくっているスパ・スイートルームです。
単に広ければ良いかというとそうでもない。
・・・・思い出すと、バリ島にあるアマンの3つのホテルをはしごして泊った事があります。
山に囲まれたアマンダリ。プールの淵と向こうの山と一体になっている。
この手法は海辺にあるアマンキラにも使われていて、今や日本のあちこちの温泉旅館でも使われている。
アマヌサは日本のお城の石垣や城壁をイメージして作ったというレストランが印象的だったが、部屋の内風呂が庭と一体になっていて良いなあと思った。そしていえる事は部屋の中にもいくつも居心地の良い空間が設けられている事だ。
だから当時でも高かったが、1泊で帰るのはもったいない。もっと滞在したいと思わせるものがあった。実際アマンは1泊で泊れないので最低2泊からだった。
イベントも最低2日間滞在するとして作成されていた。
つまり街も館内も部屋にも居続けたいと思うような場所が多数必要なのだと思うのです。
そこで御所坊のスパ・スイートは出来るだけたくさんの過ごせる場所を設ける必要があると思いました。
2階は出窓の部分でゲームを楽しんで頂けるスペースにしたいと思っています。
子供さんには秘密の隠れ家の用意しています。
和室と洋室の他、ベットルーム・・・
1階は、4世代を意識して2代目3代目の方が過ごせるBARや屋外テラス。
広々とした開放感のあるリビング。
そして長期滞在も可能なようにミニキッチンや収納場所を設けています。
一見、無駄に見えるスペース。でも必要な時がある。「無用の用」なのですが、当方も商売。このスペースも客室代に組み込まないといけないので、そこが問題です。
このスパ・スイートルーム。
なんとか2022年7月末にはオープンできるように進めています。
もし興味がある方はご連絡ください。