日本を代表するトップ・ドラマー『村上“ポンタ”秀一』さんを偲んで・・・
『まるでケンカだ!!』
第一音からの率直な感想だ。
地元の有名なカフェで、日本の音楽界を代表するレジェンド達による『宴』が、まさに目の前で繰り広げられている。
演者は皆、笑顔で歌い、演奏しているが、違う。違うよ。
これはエンターテイメントの皮を被った闘い・・・
『真剣勝負だ』
音がデカいとか音圧が凄いとか、そういう次元じゃない。
殺気をも孕んでいる『音の応酬』に、観客皆んなが圧倒されているのだ。
この闘いには先制攻撃を仕掛けている人が居る。
悪戯っ子特有の笑みを浮かべ、シンガーの表情を見ながらリズムを刻む『職人』。
『村上ポンタ秀一』さん、その人だ。
『今まで何度も何度も・・・それこそ数え切れない程のセッションを繰り広げてきた人達なのに・・・!?毎回こんなに凄いのか?!』
吉田美奈子さんのボーカルに呼応し、ポンタさんのドラムが弾む。
『真剣勝負を楽しむ』その姿に心底度胆を抜かれながら、『プロ』の世界を垣間見る・・・
会場であるSHOZO音楽室は、熱い熱気に溢れながら、あっという間にスペシャルな夜を終えた。
暫し心地良い余韻に浸りたかったが、用事が有る為に帰宅しなくてはならない。
後ろ髪引かれる思いの中、階段を降りて行くと、外に設けられた喫煙スペースで煙草を吸おうとしている、村上ポンタ秀一さんと遭遇。
ドラムテックと思われる若者が、ライターで煙草に火を灯す。
ついこの前まで体調を崩されていたとは、全く思えない見事なステージングだった・・・が、激しく肩で息をしながら煙草を吸っている姿が、とても印象に残った。
一瞬、お声がけしようか迷ったが、ポンタさんから発せられるオーラに気圧されて、その場を後にした。
同じ場所で同じ空気を吸い、同じ時間を楽しんだ。
それで満足だ。
『伝説的なプレイ』を間近で観る事が出来たのだから・・・
『村上ポンタ秀一』さんのご冥福を、心からお祈りいたします・・・
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