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『見つめていたい』


「おい、聞いたか?譲治のヤツ、玲羅さんに振られたってよ。

何だかプレゼントしたレコードがストーカーをテーマにした曲だったらしく、えらくキモがられたらしいゼ。

ホント、ザマみろだよナ。

え?レコードが何だったかって?

何だったかな〜。
確か凄く売れた曲だったんだよナ〜。

えーーーと。えーーーと。

何か警察っぽいんだよ。

えっ?
『Dream police』?
何それ?
チーズ・トリップ?
ああ、チープ・トリックね。
違う、違う。

えっとな。確かバンド名だよ。

『ポリス』?

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あっ!それ!それ!

えっ?!お前もポリスのレコードをプレゼントしようとしてたの?!

曲名?!

何だっけかな〜。

『高校教師』?ちが。
『シンクロニシティー2』?ちが。
『サハラでお茶を』?何だそれ。

『見つめていたい』?

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あっ!それ!それ!

何だよ。お前も譲治と変わんないじゃん。

玲羅さんに言われちゃうゼ。


『見つめられて痛い』って。

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アハハハって、何、本気で怒ってんだよ!!

プレゼントする前に熟読しろや〜〜

アホが急死に一生を得てんじゃねぇよ。』


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スチュワート・コープランドの『スネア一発』イントロが効いているネ。

そしてアンディ・サマーズの美メロ・ミュート・フレーズ。

後に数々のフォロワーを生んだ、まさに名演。

スティングは言わずもがな。

ところどころで顔を出す単音ピアノが堪らない。

『見つめていたい』。

日本ではラブソングとして広く認知されていたが、ここ数年の間に本来の意味が広がって、今や結婚式で流される事も無くなった。

一体誰が悪かったのか・・・?

『イメージ』で押し通す、メディアの功罪は実に大きい。




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