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『hit song kills Rock star』②
ヒットソング・・・
それはアーティストにとって『一生の安泰』であり、また逆に『一生のプレッシャー』となり得るもの・・・
そう。それはまさに双刃の剣。
これはそんな『ヒット曲』に翻弄された、アーティストのストーリー・・・。
今回はサンフランシスコから登場した最高のロックバンド。
『NIGHT RANGER』のお話し『その②』です。
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『オイ!「夜のヒットスタジオ」にナイトレンジャーが出るってよ!!』
最高にホットな話題が教室に旋風を巻き起こした。
ロック好きな僕らにとって堪らないニュースだ!!
夜が待ち遠しい!!
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1980年代のロックギター奏法に於ける進化は本当に著しく、エディー以降に頭角を表してきた新星として、イングヴェイ・マルムスティーン、エイドリアン・ヴァンデンヴァーグ、ジョージ・リンチ、ジョシュア・ペラヒア、スティーヴ・ヴァイ、などが登場し、シュラプネルを代表とする「次世代ギタリストシーン」に大きな影響を与えてく。
その中に今回の記事の主人公、ナイトレンジャーの2人のギタリスト「ブラッド・ギルス」と「ジェフ・ワトソン」が含まれているのは、言うまでもないだろう。
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トレモロ・ユニット「フロイトローズ」を駆使したアーミングの魔術師、ブラッド。
複雑なフィンガリングの高速ピッキングと、
両手の指を複数使用するタッピング奏法「エイトフィンガー」のジェフ。
このバンドの二大看板である、2人の存在はかなり大きく、間違いなくナイトレンジャーの最大の魅力であった。
「炎の彼方」「ロック・イン・アメリカ」
ハードな曲での2人のギタープレイは、少年達の憧れであり、そして目標だ。
特にライブでのカッコ良さはまた格別で、観客を興奮へと導くハードでラフなカタルシスは、本当に物凄いものがあった。
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しかし。
シングル『シスタークリスチャン』の大ヒットは、バンドの方向性を徐々にだが、キッズの予想とは違う場所へと変えていった。
レーベルの意向により、シングルカットされるのは「バラード」もしくは「ポップ・ナンバー」。
曲は勿論高品質だし、今聴いても最高だ。
だが。キッズが憧れたスーパーギタープレイはそこには聴こえない。
アルバムを聴けば間違いなくあるのだが・・・
時代はLAメタル全盛期に突入しつつある。
ハードでキャッチーで、ギタープレイが最高なナンバー目白押しだ。
ラット、ドッケン、ラフカット、オートグラフ、オジーオズボーン(ジェイク・E・リー)・・・
キッズ達はよりハードて、テクニカルなナンバーを求めていく。
ヒット曲など関係もなく・・・。
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その日、僕は友人宅で「夜のヒットスタジオ」を観た。
勿論、口パクだって分かっている。
でも、もしかしたら・・・
微かな期待を胸にブラウン管を見つめる。
演奏曲は次のシングル「goodby」。
通訳のネーちゃんが頓珍漢な日本語訳で受け答えする。本当にウンザリだ。
ナイトレンジャーの事を何も分かっていないのだ。
メンバーは皆にこやか。
イイ曲だ。
アウトロのギターソロはブラッドか。
実に当て振りが上手い。
だけどねテレビ局よ。
僕達が見たいのはコレじゃない。
もっとライブなヤツなんだ。
口パクじゃなくてギターを聴かせて!!
これじゃギター好きな奴は誰も見なくなる。
誰も・・・
(その③に続く。)