『Why Can't This Be Love』
「これは愛じゃないのかい?」
1986年の事だ。
某フジテレビの音楽番組『夜のヒットスタジオ』に、アメリカ、いや、世界を代表するロックバンド・VAN HALENが登場するという情報を得て、クラスのロック好き野郎達のハートが沸々と沸きたっていた。
「スタジオライブか?!」
「やっぱ生中継だろう?!」
「曲は何を演るんだ?!」
「ギターは何を使うんだろう?!」
こんな感じに我々の妄想は膨らみ続け、放送までの数日間、話題はVAN HALENが独占していた・・・
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ソロEP『Crazy From The Heat 』の大ヒットにより、もはやデイヴ・リー・ロスの脱退は秒読み段階と思われていた1985年。
深夜にテレビ放送されたチャリティーコンサート『FARM AID』を、録画していた友人の家で観たのだが、そのライブのワンシーンで奇跡的なセッションが行われていたのだ。
ベテラン・ロッカー『サミー・ヘイガー』のステージに『エディ・ヴァン・ヘイレン』がゲストとして登場!!
『I Can't Drive 55』とツェッペリンの『rock 'n' roll』をプレイしたのだが、これが本当に最高の組み合わせでカッコ良かったのだ!!
なので後に『サミー・ヘイガー、VAN HALENに加入!!』とアナウンスされても、全然驚かなかったし、寧ろ当然だと思ったものだ。(その舞台裏ではエリック・マーティンがVAN HALEN入りを逃していたというのも、実に凄い話だ!)
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その日。
ブラウン菅の前で正座し、夜のヒットスタジオを見つめていたロック好きは、一人残らず皆ズッコケた。(と思う。)
何故ならツアーの映像から抜粋されたものを放送するだけだったのだ!
だがしかし、まだ希望は残されている。
「エディのギター・プレイが観れればイイじゃないか!!」
スタジオではエディ・ファンらしい某ギタリストが固唾を呑んでモニターを注視している姿がワイプで抜かれている。
新曲『Why Can't This Be Love』が始まると、更に全国のロック・ファンが固まった!
『エディ、ギター弾いてないじゃん・・・』
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『Why Can't This Be Love』1986年
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サミー・ヘイガー加入後初のアルバム
『5150』が大好きだ。
プロデューサーにフォリナーの『ミック・ジョーンズ』(それとドン・ランディ)を起用したのも流石としか言いようがない。
『ボーカリストの資質に合ったプロデュース』は何より大事だ。
デイヴの『語る様なソウル・スタイル』も大好きだが、やはり『歌モノ』な作品には、長年ルー・グラムという類稀なボーカリストと組んでいるミック・ジョーンズが最適だろう。
しかし『Why Can't This Be Love』のカッコイイ事といったら・・・!
トリッキーなシンセ・サウンドも最高だし、シンセ・ベースがこれ程までにロックバンドで大活躍するナンバーも本当に珍しい。
(マイケルもベースでユニゾンしてますが。)
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ブラウン菅の向こう側。
ギターを弾いているのはサミー・ヘイガー。
最高じゃないか!!!♫
これ程までに焦らしてくれる新生VAN HALEN!!
益々VAN HALENから目が離せなくなった1986年の想い出だ。
映像はアルバム『OU812』発表時のジャパンツアーのドーム公演をTV放送したもの。
ここでフジテレビはリベンジを果たした訳だ。(ホントか?)
ビデオカメラへのマイケルとのリアクションが最高過ぎて涙が出てくるよ・・・エディ・・・