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『ヒットチャートNo.1を探し出せ!〜最後の秒読みが始まった〜』

さてさて。
そんなこんなで僕のヒットチャート・マニア・ライフも1986年の中盤になった。

その頃になると『手作りポップス』になり代わり、『打ち込みモノ』や『HIPHOP勢』が台頭してきて、Billboardチャートの様相もかなり変わって来ていた。

あれ程栄華を誇っていたブリティッシュ・インヴェイジョンの残り香はすっかり消え、ハウスやアシッドへの種蒔が始まっていた。

その変化の中、サウンドトラックからのヒット曲誕生は、辛うじてまだ続いていた。
映画と音楽業界のタイアップは強固そのものだ。

しかし、巨大産業と化した音楽業界は、徐々に自重を支えきれなくなり、時代は『DIY』を生み出しつつあった。

そんな、息も絶え絶えになりつつあった『大人達の音楽シーン』に、トドメの一撃が放たれた。『hard rock / heavy metal』ブームだ。

その一撃は眉をひそめていた大人達を一気に奈落へと蹴り落とし、『音楽が若者の文化』になった瞬間の咆哮を世界中に響かせた。
実に痛快。痛快だ。
(しかし結局、いつの間にやら『自由の象徴であり、反逆の狼煙』であった筈のHR/HMも音楽産業の一部と化し、日本以外は一気に衰退していった・・・と云うお話は、また別の機会に・・・。)


『良い曲はアルバムにこそ有り。』


色々な物事の本質に気が付きつつあった
僕達は、次第にヒットチャートへの興味を無くしていく・・・。


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初夏も間近なその日。
友人のお母さんが運転する車に乗り込み、僕達はアルバイト先へ向かっていた。

不意にカーラジオから流れてくる番組から、物凄くキャッチーな曲が聴こえてきた。

キーボードのリフをメインにした曲で、適度にhard。そしてメロディーはとことんキャッチー!

『カッコイイ!!♫』


僕と友人は興奮状態。
これは絶対にヒット間違いなしだ!!

そのアーティスト名は『ヨーロッパ』。
曲名は・・・
『ファイナルカウントダウン』。

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勿論ヨーロッパは知っているし、『Storm wind』はマイ・フェイバリット・ナンバーだ。

しかし、まさかこの後、世界的なアイドルバンドになるとは、誰も知る由も無く・・・

これが、僕達のヒットチャート探究に於ける、有終の美を飾る曲であった。


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