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『〜ヒットチャート・No.1を探し出せ!〜過ぎ去りし80年代の思い出〜』
これは1980年代中盤の話だ。
当時高校生だった僕は、友人と洋楽ヒットチャートに於いて、ある『賭け』をしていた。
『賭け』とは云っても大したものではなく、TOP100に入ってきた新しい曲が、『果たして何位にまで行くか?』それを『予測して当てる。』という実に他愛の無いものだった。
事の発端は、僕が1985年にリリースされた『MR ミスター』のシングル『broken wings』を『1位になる!』と予想し、まさにそれが的中してしまい、そこから『1位予想』がマイブームになったという訳。
以来、僕達はこぞって1位になりそうな曲をアンテナを張り巡らせ、血眼になって探しまくった。
それは雑誌などよりも先に『良い曲』を見つけだし、友人にいち早くレコメンする事になるのだが、結果的にその行為自体が『独自の視点・聴点で評価する感覚』を鍛える事になったのは、全く偶然の産物であると云えるだろう。
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さて。
当時、日本でのリリース前の情報が、比較的手に入り易かったのは、テレビ朝日で放映していた『MTV』だった。
最も首都圏に入れば『FEN』やラジオ日本の『全米トップ40』をチェック出来、最新情報を聞く事が出来たのだが、こちとら北関東の片田舎在住。
ノイズ混じりの電波の中、耳を澄ませながら楽曲をチェックするのは至難の技であった。
しかし日曜日のMTVは、比較的新しくエントリーされた曲をかけてくれるので、それはそれは最新情報の窓口として重宝したものだ。
もちろん土曜日の深夜に放送していたMTV countdownもあったのだが、そこでオンエアされる曲はトップ20まで。
既にその段階で上位入りが約束された様な楽曲が並んでいる訳だ。
曲を堪能する楽しみはあったが、そこに『予想する楽しみ』は無い。
裏番組のオールナイトフジや、海賊チャンネル、ミッドナイトin六本木に、チャンネルを合わせるのもしばしば。
なんせ男子なんで。
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日曜日深夜。
その日も次の日が学校にも関わらず、僕はMTVにかじり付いていた。
確か番組終盤だったと思うが、マイケル・マクドナルド(exドゥービー・ブラザーズ)とパティ・ラベルのデュエット『ON MY OWN』がとても良く、引き込まれていった。
僕はこの曲を聴いていて『これは1位なるんじゃないか?』と直感的に思った。
当時は何故そう思ったのか理由は全く分からなかったが、数年後にその理由が解明された。
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作者がパート・バカラックとキャロル・セイヤー・ベイカーだったのだ。
なる程。幼少時からラジオ放送で慣れ親しんできたバカラック御大の作品だもの。
ピンと来ない訳は無い。
『ON MY OWN』
Patti Labelle with Michael McDonald
見事、1位をマークしたのだった。