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『hit songs help Rock star』
ヒットソング・・・
それはアーティストにとって『一生の安泰』であり、また逆に『一生のプレッシャー』となり得るもの・・・
そう。それはまさに双刃の剣。
これは、そんな『ヒット曲』に翻弄されつつも、それを乗り越えていったアーティストのストーリー。
サンフランシスコから登場した最高のロックバンド。
『NIGHT RANGER』ここに在り!!
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1980年年代中盤の話。
東京のESPギタークラフト科でギター製作を学んでいる友人より電話が入った。
どうやら夏休みを利用して帰省するとの事だ。
東京での色々な土産話も聞けるし、彼が帰って来るのを僕は楽しみにしていた。
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『◯◯◯が試奏しに来てさ、同じクラスの奴が隣でイングヴェイのフレーズを弾きまくっていたらさ、怒って帰っちゃってサ!』
数ヶ月ぶりに会った友人は、すっかり東京人になっていた。
『そうだ!今度のナイトレンジャーのNewアルバム聴いたかい?』と友人。
勿論、田舎町で輸入盤などは売っておらず、日本盤発売前なので僕は未聴だ。
『今度のアルバムには、こんなソロも入っているんだゼ!!』
学生時代も女子にモテまくっていた彼は、ギターも上手かった。フレーズを弾いて見せてくれる。
オクターブを多用し、アーミングも取り入れている・・・ブラッドだな。
今度はタッピング・・・ジェフか。
チョーキング?っていうか!何てメロディアスなフレーズなんだ!!!
僕は友人が弾いているフレーズに度肝を抜かれた。
『今度のナイトレンジャーは凄そうだ!!!』
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Newアルバム発表前に発売された月刊プレイヤー誌に、早速バンドスコアが載っていた。
『colour of Your smile』
短いながらも、ブラッドとジェフのギターバトルがフューチャーされている!
期待は更に大きく高まっていく!!
おぉ?!新曲がMTVでオンエアされ始めたぞ!!
マイケル・J・フォックス主演の映画主題歌か。
『the secret of my success』
シ、シーケンサーがバリバリ??
いや、いや。結構好きですケド!!
メンバーが言っていた『ハードなナンバー』じゃないのが、少し引っかかるけど・・・
イイ曲!イイ曲!!
アルバムが楽しみだ!!
・・・果たして。
4枚目のアルバム『BIG LIFE』は発売された。
アルバムの中にポップでキャッチーで、テクニカルなギターをフューチャーした、素晴らしい楽曲が収録されていた。
『Love is standing near』
ジェフ・ワトソンの『エイトフィンガー奏法』の美しさに僕は恍惚とした。
アルバムも凄く気に入った。
歴代アルバムBest3入りだ。
しかし。結局アルバムから大ヒット曲は生まれず、次作にてバンドは解散。
ナイトレンジャーの長所を最大限に活かした、ジャックのNewプロジェクト『DamYankees』は特大ヒットを飛ばしていくのだった・・・
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時代は容赦無く変化して行く。
LAメタル・ムーヴメントはrock 'n' rollを通り過ぎ、更なるルーツ・・・Bluesへと回帰する。
華やかりし麗人達がルーツに帰着している隙に、『初期衝動がそのまま音になった』感情剥き出しのサウンドgrungeが主流になった。
煌びやかな世界は、灰色のストリート・カラーに塗り潰され、嘲笑の対象となる。
世界は変わったのだ。
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90年代以降。
ここ日本ではメロディアスなハードロックの人気は衰えず、依然として確固たる地位を築いていた。
『BIG IN JAPAN』
世界中のHR/HMバンドが目指す、黄金の国・ジパング。
日本のレーベル『ゼロ・コーポレーション』の尽力により、オリジナル・メンバーによる再結成を果たした『ナイトレンジャー』。
彼等は今も精力的な活動を続けている。
メンバーが変わってしまったとしても、人々がヒット曲や名曲を求める限り・・・。
ナイトレンジャーは疾り続けるのだ。