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『TALK TO ME』 FIONA
本日はニュージャージー出身のアーティスト。
「TALK TO ME」 FIONA 1985年
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2021年から80年代のメインストリーム・ロックシーンを振り返って見ると、現在の音楽シーンとかなり違う事に気が付く。
チャートの殆どをメジャーなレコード会社の作品が占めている事の他に、人種的なものやジャンルなど、かなり画一的であったりするのが目立つ筈だ。
そしてもう一つ。
そう。
女性ソロ・ロック・アーティストの圧倒的な少なさだ。
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勿論、全く居ない訳ではなく、スティーヴィー・ニックスやジョーン・ジェット、リタ・フォードやベリンダ・カーライルなどなど、メインストリーム・シーンでヒットを飛ばしているアーティストも居るが、全くゼロからのブレイクではなく、バンドに在籍、もしくは独り立ちしてからメジャーな存在になっているケースが殆どだ。
ではパット・ベネターはどうだろう?
パットの場合は公私共に片腕というべき存在のニール・ジェラルドの存在が大きい。
バンドのギタリストでありソングライターであり、そしてプロデューサーであるニールの存在感の大きさは、時代を見据えたアルバム毎のサウンド変換・・・つまりパットの資質を良く知っているからこそ、新しいサウンドスタイルを取り込んでいく事が出来たのだ。
そして『FIONA』。
フィオナはまさしくパット・ベネターの後継者だっのかもしれない。
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そのキュートなルックスと、まるでハートのアン・ウィルソンとスティーヴィー・ニックスを合わせた様な、パワフルな歌唱力にハートを撃ち抜かれた男子達は、フィオナの彼氏の正体を知って愕然とした。
ボー・ヒル。
アメリカン・ロックシーンに於ける、ギター・サウンドの在り方を変えた男だ。
ラット、ウィンガー・・・その洗練された華麗でハードなサウンドに心を震わせた男子は、世界中に数知れず・・・
そんなトップ・プロデューサーとフィオナが付き合っている事を知り、フィオナ・ファンだった友人も愕然としている。
『高嶺の花じゃん・・・_| ̄|○💧』
優れた資質を持ちながら、ブレイクを果たせなかった理由として、もしかしたら上記のケースが世界中であったのかも知れない。
(これはあくまでも推測だが。)
当時はヒットしなかったものの、1stと2ndアルバムは今もメロディアス・ハード・ポップの名盤として、変わらず確固たる人気を誇っているフィオナに、今改めて注目してみるのも良いかも知れない。