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財務諸表

◯製造原価報告書

製造業を営む会社では、これまで学んだ損益計算書と貸借対照表のほかに製造原価報告書も作成します。製造原価報告書とは、会社の製造活動を表し、仕掛品勘定の内容が記載されます。

製造原価報告書の形式には
①材料費、労務費、経費に分類して記入する形式
②製造直接費、製造間接費に分類して記入する形式
の2つのパターンがあります。

例)次の資料をもとに、製造原価報告書を作成せよ。

①材料費、労務費、経費に分類して記入する形式

②製造直接費、製造間接費に分類して記入する形式

◯損益計算書と貸借対照表

基本的には商業簿記と同じですが、違う点が何点かあります。

・損益計算書

期首商品棚卸高 → 期首製品棚卸高
当期商品仕入高 → 当期製品製造原価
期末商品棚卸高 → 期末製品棚卸高

・貸借対照表

材料、仕掛品、製品資産の部に表示。

◯原価差異

製造間接費が予定配賦されている場合、製造原価報告書と損益計算書作成時に調整する必要があります。

・製造原価報告書

製造間接費欄に記載されているのは実際発生額、仕掛品勘定は予定配賦額で処理しているので、製造間接費の最後に製造間接費配賦差異で予定配賦額に修正します。

例)次の勘定記入をもとに、製造原価報告書を作成せよ。
<製造間接費>
予定配賦額:300円
・実際発生額
従業員賞与:100円
減価償却費:150円
保険料:20円
<仕掛品>
当期総製造費用:880円
期首仕掛品棚卸高:150円
期末仕掛品棚卸高:100円
当期製品製造原価:930円

・損益計算書

損益計算書では売上原価の最後に製造間接費配賦差異で実際発生額に修正します。上記の例だと次のようになります。

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