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合併・無形固定資産

◯合併

合併とは、複数の会社が合体して1つの会社になることです。ある会社が他の会社を吸収する形で合併する吸収合併と、複数の会社が解散して新しい会社を設立する新設合併があります。

・諸資産、諸負債

吸収合併をした際に、合併会社(吸収する側の会社)は被合併会社(吸収される側の会社)の資産と負債を時価で受け入れます。これをそれぞれ諸資産諸負債で処理します。この時合併会社は対価として被合併会社の株主に対し新たに株を発行します。

・のれん、負ののれん発生益

上記の際に、諸資産から諸負債を引いた額よりも上回った資本金が発生した場合、のれんとして資産で処理します。これはその会社の時価よりも高い金額で吸収したことを意味し、ブランドイメージなどの目に見えない部分の価値が含まれています。

逆に資本金の方が少ない場合は、時価よりも低い金額で吸収できたということなので、負ののれん発生益として収益で処理します。

例)A社を吸収合併し、その株主に対して新たに20株を100円で発行し、全額を資本金として処理した。なお合併直前のA社の資産と負債の時価はそれぞれ3,000円と2,000円であった。
(諸資産)3,000  (諸負債)2,000
(のれん)1,000   (資本金)2,000

問題によっては諸資産(負債)ではなく、該当する勘定科目で仕訳する場合もあります。

例)A社を吸収合併し、その株主に対して新たに20株を100円で発行し、全額を資本金として処理した。なお合併直前のA社の資産と負債の時価はそれぞれ以下の通りである。
資産:商品1,000円、売掛金1,000円、建物1,000円
負債:買掛金1,000円、借入金1,000円
(商品) 1,000  (買掛金)1,000
(売掛金)1,000  (借入金)1,000
(建物) 1,000  (資本金)2,000
(のれん)1,000

◯無形固定資産

無形固定資産とは、形のない固定資産のことです。特許権(発明を保護するための権利)や商標権(商品やサービスの目印を独占できる権利)、先ほどののれんなどがこれにあたります。無形固定資産を取得した際は、取得にかかった支出をその名称で処理します。

例)特許権を100円で取得し、現金で支払った。
(特許権)100  (現金)100

有形固定資産と同様に無形固定資産においても決算時に減価償却をする必要があります。無形固定資産の償却は、残存価格を0とした定額法で、記帳方法は無形固定資産の帳簿価額を直接減らす直接法を用います。

例)決算において、当機首に取得した特許権500円を5年で償却する。
(特許権償却)100  (特許権)100

有形固定資産に関しては、簿記3級で学習済みです。


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