コンクリート構造診断士の受験記録
1.はじめに
2024年度のコンクリート構造診断士を受験しました。
コンクリート構造診断士を受験した感想や内容を書こうと思います。
コンクリート構造診断士はプレストレストコンクリート工学会が主催する資格試験です。
明らかにコンクリート診断士を意識しており、コンクリート診断士のPCバージョンと言えるでしょう。
合格率はおおよそ30%程度とされております。コンクリート診断士は合格率が15%程度ですので、コンクリート診断士よりは合格率が高いです。
コンクリート診断士は合格基準が明示されておらず上位約15%が合格(おそらく相対評価)となるのに対し、コンクリート構造診断士は合格基準が明示されております。(絶対評価)
そのため選択式問題、記述式問題は最大で7割取れればOKになります(7割を超える得点をしても意味がない)。片方を7割取れれば、もう片方が5割で合格できます。
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合格率も年度によってばらつきが大きいです。
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また、HPには対象の資格を有するものは、受験資格だけでなく検定試験も優遇すると書かれており、加点されると考えられます。
資格持ちが優遇される資格試験は初めて見ました。
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2.e-ラーニングについて
e-ラーニングは2023年度から必須ではなく推奨に変わったみたいです。16,500円と高額ですが、コンクリート構造診断技術というテキスト(PDF)と、昨年度の試験過去問を貰えます。
会社によっては資格試験の費用を助成してくれると思いますが、e-ラーニングは必須ではなく推奨なので、助成対象から外れるかもしれません。僕の会社は助成対象外なので、16,500円を貰えませんでした😭
個人的には、e-ラーニングはあまり役に立たなかったです。正直、勉強は過去問だけでよかったので、e-ラーニングは受講しなくてよかったかなと思います。
3.試験問題について
試験は午前が選択式問題40問、午後が記述式問題が2題あります。1題あたり1,600字になります。午前は90分あるので時間余りますが、午後は120分しかありません。120分で2問を解答するので時間的にはきつかったです。
選択式問題の構成はコンクリート診断士のような問題が数割、PCの維持管理に関する問題が数割、最後に建築に関する問題が数問といった割合です。建築の問題は過去問の解説を見ても理解するのが難しかったです。
記述式問題はA問題とB問題の2問です。
それぞれ2〜3問から1題を選択します。
A問題:コンクリート構造物に関する問題(2024年度は2問から1つ選択)
B問題:PC橋の劣化について、コンクリート診断士のような劣化の原因推定〜対策立案を記載する問題、その他(2024年度は3問から1つ選択)
B問題はコンクリート診断士をお持ちの方であれば書けると思いますが、A問題は過去問でも傾向が掴みにくいので何が出るか分からず難しいです。
A問題は2024年1月に能登地震があったからか耐震に関する問題が1つありました。
僕はもう一つのPC橋の維持管理に関する問題について書きました。橋の維持管理をしたことがないので焦りましたが、知っている知識を詰め込んでなんとか書きました。おそらく合格点ギリギリだったと思います。
B問題はPC橋の診断に関する問題が2題、橋梁の支承部に関する問題が1題の計3題でした。PC橋の診断に関する問題を書きました。こちらはコンクリート診断士の受験で慣れていることもありある程度自信はありました。
記述式問題は7〜8割ほど埋めました。
こちらのblogでは7割ほど埋められて合格されたと書かれております。
記述式問題は「あなたの考えを述べよ。」という問われ方が多いので、自身の考えをしっかりと記載することが重要かと感じました。(断定表現を使う)
個人的な難易度としてはコンクリート診断士とコンクリート主任技士より難しく感じました。ただ、絶対評価であるため、合格のし易さという観点では、コンクリート診断士やコンクリート主任技士と同等なのかなと感じました。
受験したコンクリート系資格の個人的難易度(超主観)
— ゴーシャ (@gosha_skiy) November 6, 2024
コンクリート構造診断士が1番難しく感じました。主任技士は記述問題の回答を用意できるのがラク。
①コンクリート主任技士
②コンクリート診断士
③コンクリート構造診断士
◯総合評価
③>②>①
◯四択問題
①=③>②
◯記述問題
③>②>>>①
4. 勉強方法
勉強に使用した教材は以下の2種類です。
・過去問5年分(2018、2019、2021〜2023年、2020年は試験中止)
教材はプレストレストコンクリート工学会が発行している直近5年分の過去問・解説になります。基本的にはこれしかありません。それより直近5年分より古いものはメルカリ等で手に入れるしか方法はありません。どの教材が良いか考える労力がないので、ある意味楽かもしれません。e-ラーニングを受講したことで2023年の過去問・解説は手に入れていたので、残りの過去問4年分は別途購入しました。過去問の購入はマストだと思います。また、2007〜2010年の過去問をまとめた本があり、近年の出題内容と若干変わってはいますが参考になるかと思います。誤字脱字が多いのが難点ですが良書です。
5. 結果
2024年10月23日頃にHPで合格者の受験番号が掲載され合格できました。以前は受験者のフルネームが書かれていましたが、受験番号に変わっていました。
自宅に合格通知と登録申請書類が届き、登録料16,500円(高い)を払って申し込みしました。
12月23日頃に登録証とカードが届きました。
カードはゴールド色でゴージャスでした。
6. 受験をおすすめする人
コンクリート構造物の調査業務を行っている人、PC橋の施工・維持管理等に携わっている人は受験してみてもよいかなと思います。
あまりPC橋に携わることがなく、コンクリート診断士をお持ちの方であれば特に受験する必要はなさそうな気がします。
私自身受験勉強の過程で勉強になることがあったので自己研鑽の一環として受験するのもおすすめです。
以上、お読みくださりありがとうございました。
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