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中央とのパイプとは。第二次岸田内閣を数字で見る
新潟県内の知事選挙、国政選挙において、自民党系の候補者が必ずと言っていいほど演説で口にするのは「内閣・中央とのパイプ」とのという表現だ。与党系候補を選べば、政策実現への近道!という印象を与えたいものと思われる。
このフレーズはマジョリティ側でなければ意見が通らないというようにも捉えられ、民主主義の原則である多数決の原理と少数派の権利という概念に対立するという点で問題はあるが、現場では必ず耳にする言葉である。
内閣改造人事を数字で見る「内閣・中央とのパイプ」
では、選挙戦での主張に基づき新潟県選出議員の影響力というのを先日の内閣改造、党役員人事の数字から見ていきたい。
与党である自民党は2023年8月30日現在、衆議院議員261名、参議院議員118名の計379名。大臣、副大臣、政務官、総理大臣補佐官、党執行部のポストを合わせると96人となり、単純計算で自民党議員の25.3%が何らかの役職に就けると言える。
大臣 24人
副大臣 26人
政務官 28人
総理大臣補佐官 5人
党執行部 13人(総裁除く)
新潟県選出 自民党議員 衆参9名の立場
新潟県選出の自民党議員は衆参合わせて9名。参議院議員2名、そして衆議院議員7名のうち、選挙区で勝利したのは細田氏、斎藤氏の2名、比例復活が4名、比例北信越ブロックが1名という内訳となっている。
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2023年に発足した第二次岸田内閣では新潟県選出議員の入閣はゼロ。
2023年に発足した第二次岸田内閣では新潟県選出議員の入閣はなかった。結果として環境大臣政務官兼内閣府大臣政務官 国定 勇人が就任したのみとなった。柏崎刈羽原発の問題でも登場する原子力規制委員会は環境省の外局であり、柏崎刈羽の再稼働を狙ってというわかりやすい人事ともいえる。
単純計算で言えば9名の議員のうち、2.3人が何らかの役職について良いはずである。選挙中は応援をしていてもしていなくても、選ばられた議員には地元のために力を発揮してもらいたい。
支持してきた方も自らの代弁者が活躍するところを期待しているはずだ。379人の中の1人ではなく、課題解決に向けて周りを牽引するような人物を。物価高に少子高齢化と閉塞感を感じる今。与党に所属しているというだけでは支持してきた有権者は満足しないのではないだろうか。