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「大谷翔平」、あるいは優雅なる達観
オオタニサーン。
大谷翔平。
ショーへイオオタニ。
私は別に、めちゃくちゃ彼の大ファンで、彼の出場する試合は毎回必ず視聴するとか、彼の名前入りのユニフォームは全て揃えているとか、彼のグッズを多量に持っているということもない。
多分に漏れず、Yahooニュースで流れてきたスポーツトピックの「大谷翔平」の日々の偉業を横目で観ているような程度だ。
しかし、いつの間にか、本当にいつの間にか、彼のホームランが出るたびにその映像をYouTubeで閲覧し、いつしかそれが日課になっていた。
彼のホームランは縁起が良いと感じるのだ。
キザに、多分に着飾って表現すれば、「縁起担ぎ」のために彼のホームランシーンを観ている。
「あ、今日も打ってる」
ニュースで見つけて、昼飯の際にそれをショート映像で確認する。
実況と解説の人も興奮していて、スタジアムも毎回歓喜の渦に巻き込まれていく。
その様を観るのが、本当にワクワクする。
ホームランを打ち、ダイヤモンドを一周する彼の風貌はシンプルにカッコいい。
「カモーン」と叫ぶそのルックス、静止画にして芸術家の手を借りて施しを入れ、一生飾っておきたい。
人間が到達しうる最高級のレベルをいく。
2塁ベースを超え、3塁ベースに向かう際に両手を同時に胸の前でフリフリするあのシーンは男の私でも萌える。
失敬。
でも萌えるから仕方がないのだ。
しかし、人間の到達しうる最高級のそのレベルをも、もはや突き破っているような感じを受ける。
人間をこえた存在。
ベーブルースは野球の神様だと言われる。
彼はその野球の神様とも比較されるようになる。
「一度でいいから見てみたい。妻がヘソクリ隠すとこ。」とかつて、笑点において歌丸が述べていた。
「一度でいいから見てみたい、オオタニサーンが失態さらすとこ」
失敬。
非の打ち所がなさに、ため息が漏れる。
彼はどこまでいくのだろう。
ちゃんと期待値の上を超えてくる。
そして彼は謙虚で驕る姿を見たことがない。
あれだけの実績を引っ提げて、「謙虚」でいるとはどういうことなのだろう。
鬼に金棒か。
否、鬼にライフル銃だ。
敵うはずがない。
今日も静かに彼のニュースを待とう。