誰も勇者の顔を知らない
ここは異世界である。この世界では魔王率いる魔族達と、人間達が長い間争っている。そしてある村にて一人の青年が居た。彼はその後人間達に「世界の英雄」と呼ばれ、魔族からは「別世界から来た死神」と呼ばれる事になる。
アグラニア帝国歴1352年
王都にて……
戦士クラニクス「にしても勇者一行が旅に出るのに誰も歓迎してくれないとは。そんなに勇者一行が嫌いなのかね〜?」
そう俺が街を見渡すが殆どの人が俺達に興味が無い。まるで「うんざり」しているようだ。
魔法使いアパネル「まぁ無理ないんじゃないかな?これまで沢山の勇者一行が旅立って行ったけど誰も魔王を倒せなかったし。もう期待なんかしてないんだろうね。」
俺の隣を歩いているアパネルが言った。確かにもう一度周りを見渡して見ても皆目に光が無い。俺はこの先の旅路が怖くなり他の皆も震えだした。だが勇者が口を開けた。
勇者「どうした皆?まだ魔物とすら出会っていないぞ?もしかして心配か?大丈夫僕は皆を信じてるし、このパーティーなら魔王を倒せるさ。」
その言葉には何故か安心感があった。そして元気をもらった俺は無性に叫びたくなった。
戦士クラニクス「よし!!魔王如きこの斧で真っ二つにしてやるさ。」
俺の声がうるさかったのかは分からないが、ミシルニとテムジルンは耳を塞さぎ、アパネルには杖で頭を殴られた。そして勇者は俺達を見て笑っていた。
僧侶ミシルニ「この道で合っているんですか?どうも地図とは違う道な気がするんですけど?」
そう言ったのは俺の右後ろを歩いているミシルニ。そして今俺達の先頭を歩いているのはテムジルン。奴に地図を渡し道を先導してもらっているのだがミシルニは心配のようだ。
戦士クラニクス「そうなのか?俺は道はさっぱり分からないからその辺は頼んだ。」
俺がそう言った直後目の前から魔物が出て来た。直ぐに戦士である俺は前に出た。勇者も俺の横に並んだ。
獣使いテムジルン「そいつはオークだ。その右手に持ってるこん棒以外に攻撃出来る手段は無いぞ。」
テムジルンのお陰でこん棒にさえ気おつければ難しい敵では無いと分かる。俺は勇者と息を合わせオークの首と足を狙い予想どうり倒した。
戦士クラニクス「最初の戦いは圧勝だったな。」
魔法使いアパネル「ちょっと私達後衛の仕事は?それにこのオークって結構強いはずだよね?」
そういえば俺と勇者だけで討伐してしまった。そしてアパネルがまた杖で俺の頭を叩いてくる。今度は皆笑っていた。
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