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運の本質:積み重ねと意識が織りなす人生の糸
はじめに
はじめまして、皆さん。ゼロシフトです。
ゼロシフトでは、「社会に左右されない自分軸の確立とコミュニケーション」をテーマに、社会になじめない、自分を見失いそう、将来に希望が持てないなどの悩みを持っている方々にマインドフルネスや占い、脳科学、心理学といった様々な視点やワークを発信、紹介いたします。
今回は「運」という興味深いテーマについて探求していきます。運は単なる偶然ではなく、私たちの日々の選択と意識が織りなす複雑な現象です。
今回、紹介する研究結果や主張は、ただ待つ、願望することだけでやってくる運のことは語っていません。
今回の記事から「運」について、皆さんが考え、行動する、意図して動くきっかけになってくれれば幸いです。
運の本質:分断ではなく連続性
「運が良い」「運が悪い」という二元論的な見方は、運の本質を見誤らせます。実際、運は連続的なものであり、私たちの行動や意識の積み重ねによって形作られていきます。
量子力学の視点:すべてはつながっている
量子力学の世界観は、すべてがつながっているという考え方を示唆しています。この視点から見ると、運も孤立した現象ではなく、私たちの意識や行動と密接に関連していることが理解できます。
科学的アプローチによる運の研究
イタリアのカターニア大学の研究チームが最近発表した論文では、人間の才能が人生を通してどう使われるかをシミュレーションし、成功する上で運が果たす役割の特定を試みています[2]。
このシミュレーションでは、現実世界で見られる富の配分を正確に反映することに成功しましたが、特に興味深かったのは能力の分布です。最も大きな富を得たのは、最も才能があるとされた人々ではなく、最も運が良いとされた人たちでした。
シミュレーションで使われたモデルでは、人々にそれぞれ一定レベルの才能(スキルや能力、知性などで構成される)が付与されました。才能はサンプル集団内で無作為に、一般的な釣鐘曲線(ベルカーブ)形式で配分されました。
このモデルでは、幸運・不運な出来事が無作為に散りばめられた典型的な40年のキャリアを通じて個人を追跡しました。富は、幸運な出来事によって増え、不運な出来事によって減るものとされました。
シミュレーションの最後には、全員が資産順にランク付けされ、その資産が形成された経緯や、成功者に共通の特徴の有無を見極めるため、チームが各個人の「人生」を詳細に分析しました。
結果として、富の配分は現実世界のデータとおおむね一致していた一方で、富の分布は才能の分布とは一致しませんでした。むしろ最富裕層は、才能面ではトップから程遠い結果となりました。
この研究結果は、運が成功に大きな影響を与えることを示唆しています。しかし、これは単に運任せになることを推奨するものではありません。むしろ、運を引き寄せる行動や態度の重要性を示唆していると言えるでしょう。
運を引き寄せる科学的アプローチ
クリスチャン・ブッシュ氏は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号を取得し、長年にわたって幸福な偶然「セレンディピティ」を研究してきました[8]。彼の著書『運のいい人が幸運をつかむ前にやっていること』では、セレンディピティが発生するプロセスを正しく理解することで、「運に恵まれやすい環境」を自らの手でつくることができると主張しています。
ブッシュ氏は、運を引き寄せるコツとして以下のような点を挙げています:
成功者がしている「下準備」
「枠組み」にとらわれない思考
他の人のアイデアを発展させる能力
肩の力を抜いた姿勢
「質の高い直感」を育むこと
これらの点は、単なる偶然に頼るのではなく、積極的に運を引き寄せるための行動指針となります。
運のいい人の特徴:科学的研究から
英国の心理学者リチャード・ワイズマン博士は、10年の歳月をかけて「運」に関する科学的研究を行いました[10]。数百人の協力者を対象に調査を行った結果、「運のいい人」に共通する「四つの法則」を発見しました:
チャンスを最大限に広げる
虫の知らせを聞き逃さない
幸運を期待する
不運を幸運に変える
ワイズマン博士の研究は、運が単なる偶然ではなく、私たちの考え方と行動によって変えられることを示しています。この研究は英BBCや米NBCなどで話題となり、世界30カ国でベストセラーとなりました。
「やりたいこと」と運の関係
脳科学者の西剛志氏は、5000名以上を分析した結果、「やりたいこと」を見つけている人ほど、仕事でもプライベートでも運がよいということを発見しました[9]。
西氏によると、「やりたいこと」を見つけると、以下の4つの現象が起きることがわかっています:
収入が上がる
困難を乗り越える力が高まる
疲れにくくなる
人間的魅力が高まり、成功しやすくなる
これらの現象は、単に運が良くなるだけでなく、総合的な人生の質の向上につながることを示唆しています。
運資源ビリーフ
静岡産業大学の村上幸史准教授は、「運資源ビリーフ」という概念を提唱しています[3]。これは「運が使ってしまうと減ってしまう資源のようなもの」としてとらえる考え方です。
村上准教授の研究によると、多くの人が以下のような考え方を持っていることがわかりました:
運は使うと減ってしまうもののような気がする
良いことは、2度続かないような気がする
人生全体を通して、運のトータル量は決まっているような気がする
しかし、現実では2つのできごとが互いに影響を与えないことも多くあります。この「運資源ビリーフ」は科学的根拠がないにもかかわらず、私たちの行動に影響を与えている可能性があります。
まとめ
運は、私たちの意識と行動の積み重ねによって形作られる複雑な現象です。最新の科学的研究や専門家の見解は、運が単なる偶然ではなく、私たちの態度や行動によって引き寄せることができるものであることを示唆しています。
日々の小さな選択を意識し、ポジティブな態度を持ち続けること、そして「やりたいこと」を見つけ追求することで、より充実した人生を送る可能性が広がります。また、「運資源ビリーフ」のような非科学的な考え方に囚われず、常に新しいチャンスに開かれた態度を持つことも重要です。
この探求の旅を通じて、皆さんが「運」を味方につけ、より豊かな日々を過ごせるきっかけを見つけていただければ幸いです。科学的な視点と個人の経験を融合させることで、私たち一人ひとりが新たな「運」を創造していくことができるでしょう。
Citations:
[1] https://chitosepress.com/2021/01/29/4362/
[2] https://forbesjapan.com/articles/detail/20593
[3] https://www.ssu.ac.jp/relay-essay/rire-esseisumita-11836/
[4] https://herocasting.jp/labo/influencer-marketing/case-of-entertainer-influencer-marketing/
[5] https://ananweb.jp/categories/lifestyle/20821
[6] https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-60453-4
[7] https://bksta.com/summary/zEgOFXA11xomLrk
[8] https://note.com/toyokeizai_book/n/n248ef64674ee
[9] https://shuchi.php.co.jp/article/10626
[10] https://www.kadokawa.co.jp/product/201101000579/