写真嫌いが治ってきました

私は長い間、写真を撮られるのが嫌いだった。父はカメラが大好きで、いつもわたしにカメラを向けていたが、私はある時期から逃げたくてたまらなくなった。

明確に、「こんな事件があって」というわけではないのだが、写真を撮られることによるストレスが、徐々に溜まっていって、ついに嫌いになってしまったのだ。

写真を撮られるのが嫌になったのは、たぶん、いい写真を撮りたいという親の期待が、重かったからだ。写真を撮るとき、カメラマンはいつも「笑って」とか、「もっとこうして」とか、いろんな要求をしてくる。

私は写真を撮られるために、ここにいるんじゃないのに。指示通りに動かないと、不機嫌になられるのも不満だった。

だけど、私の彼は記念写真を撮るのが、好きな人だ。そして、私はそのことを自然と受け止めることができた。

初め、カメラを向けられたときは、断ったと思う。だけど、彼のがっかりした顔と、純粋に写真を撮って残したいという思いに、私はとてもショックを受けた。

いつのまにか、写真に対してひねくれた感情を持つようになっていた自分に、突如気づかされて、焦った。そして、ひねくれた自分のことをこんなに素直に「ひねくれてるな」と認められたことに驚いた。

それから、私は写真を撮るのが、だんだんと好きになっていった。まだ、写真を撮られることに抵抗はあるけど、嫌悪感を抱くことは少なくなった。

あんなに、心から嫌いだったことが、こんなに簡単に変わってしまうこともある。そんなことも、あるんだ。

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