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徴収ハラスメント

THE昭和。

隣近所みんな家族社員はみんな家族、みたいな若干の鬱陶しさや息苦しさを感じずにいられない「今時古くない?」と言いたくなる社風の会社。

そういう古い体質の会社には未だ根強く残っているであろう、社員の冠婚葬祭の徴収。

現職場もまさに、その古い会社に該当する。


まだ若い会社にも、こういったローカルルールがある会社もあるかもしれない。

「有志だ」「任意だ」と言いながら、お断りを入れづらい雰囲気ぷんぷんだったり、断ったら風当たりが強くなったり、陰口を言われていたり、どっから湧いて出たんだ?という噂話を流されたり。

そんな会社は過去にもいくつかあった。
特に陰口や噂話を言いふらされる会社が多かった印象だ。


個人的に、この「有志」「任意」を謳っておきながら、無言圧力で強制徴収する習慣のことを「徴収ハラスメント」と呼んでいる。



徴収ハラスメントと呼ぶ理由


社員の結婚、出産などのお祝い。
社員の不幸の際の、お香典など。

有志や任意といっているが、半強制的にお金を徴収される(給料天引き)会社のローカルルール。


「(昔からみんなやっているから)会社でお祝いをしたいと思っています。1人〇〇円 給料から天引きさせていただきます。参加するしないを連絡ください。」みたいな社内メール。

「(昔からみんなやっているから)出産祝いで1人〇〇円 給料から引くので了承しておいてください。」という口頭の事後報告


断れない雰囲気ぷんぷん、断ったら居づらくなりそうな会社だ、同調圧力が凄い、事後報告の時点で強制じゃん!といった、有志といっておきながら、実際には半強制的に徴収されることが多いため「徴収ハラスメント」と呼んでいるのだ。



こういうのは個人ですればいいのでは?


個人的には、職場での(有志や任意での)金銭徴収は納得のいかない部分が多いので、正直あまりやりたくない。


お世話になっている人(なった人)、仲の良い人など、普段から親交のある人ならお祝いもお悔みもしたいと思う。しかし、普段から関わりのない人だったり、苦手な人だったら、たとえ職場の人だとしても抵抗感が生まれる。


過去の職場であったことだが、「え?誰?」という顔どころか名前すら知らないという人への冠婚葬祭費を徴収されたときは、はっきり言って引いたし本当に嫌だった。

しかもその時の私は派遣社員の身。相手は正社員。断るなんてできないし、というか派遣社員から徴収するのがおかしくない?と思わずにいられなかった。その会社は、派遣社員への冠婚葬祭は無視だが、正社員への冠婚葬祭は派遣社員からもきっちり徴収するという超大手企業だった。


そして現職場でも、「え?誰?」という人宛ての冠婚葬祭費を徴収されたことがある。同じ会社の人らしいが、会ったこともなければ名前もこの時に初めて聞いたという、全く知らない人だ。この時は有志ではなく完全に「強制徴収」だった。

ただひとつ言われたのは「ごろごろさんは入社したばかりだし 〇〇さんを知らないと思うので、他の人はみんな△△円ですけど、ごろごろさんは××円(みんなより数千円少ない金額)でいいです。」だった。

それで納得できるとでも?!と思ったが、あまりにも自然に ごく当たり前のように「××円でいいです」と言われたので呆気にとられてしまった。恐らく、昔からこういう体制・体質の会社なのだろう、「何もおかしくなんかありませんよ」みたいなていで連絡がくるので、ちょっと納得できない。


接点がないどころか、会ったこともない、顔も知らない、どころか名前すら知らない人宛てに払わされる。金銭の強制徴収。いくら冠婚葬祭とはいえ、どうかしてるぜ?!と思ってしまう。


こういうのはやりたい人がやればいいと思う。会社全体で半強制的にではなく、やりたい人がそれぞれやればいいと思うのだ。

妙な仲間意識だったり、同じ部署だから同じチームだからという薄っぺらい理由だけで全体でやろうとするから、モヤモヤを抱えて不満を募らせる人が出る。そして、それが蓄積されて大きなストレスになり、最悪 離職なんてことになりかねない。そうなってしまっては貴重な人材がいなくなることも考えられるので、もったいないことこのうえない。



金額が妙に高い


結婚・出産のお祝い 3000円
お香典 5000円


上記は、会ったこともない、そもそも名前すら知らない人であっても払わされた冠婚葬祭費用の実録。

このように一律で金額を設定している会社もあった。そして行われる有志という名の強制徴収といった具合。

会社として出すのだから見栄を張りたいのかもしれないが、それでも1人3000円や5000円は高すぎやしませんか?まして、数人単位ではなく数十人から徴収なのに。30人から徴収したとして単純計算で9万円と15万円になるのだが。

いったいどんなものを送っているのでしょうか?現金そのままですかね?その辺はオープンにされないので、金だけ取られてその実態は分からず、謎に包まれている。

そう、この何を送ったのか謎というのも、妙にモヤモヤするポイントだったりする。


たいてい強制徴収する会社って、そこそこの金銭を徴収しておいて何を送ったのか開示しないのがほとんど。何でもかんでも知りたいわけではないが、徴収したのだったら「こういうかたちで社員一同でやりました」くらいの報告一斉連絡をしたって罰は当たらないと思うのだが、しない。

現職場もそんな感じなので、不透明すぎて用途通りにきちんと使われているのか怪しんでいたりする。(会社の懐に入れてやしませんか?と疑ってしまうくらいには上が金に汚くケチなのだ。)



貰ってもお返しに気を遣いまくる


これまでは出す側のことだが、貰う側としても考えてみた。
もし自分が受け取る側だったとしたら。


個人的には、正直に言って、会社からはお断り申し上げたい。


頂いたらお返しをしないといけないわけで。接点のない人から頂いても困惑するし、お返しを考える際に非常に気を遣いまくる。


こういうのは、一般的に貰った額の半返しというのがマナー。ぶっちゃけ、誰も得しない習慣(文化)だなって思う。笑

出す側はまとめられるから良いかもしれないが、貰った側は人数分個々にお返しを準備しないといけない場合もあるだろう。そうなると数十人分、性別年齢関係なく当たり障りのないものを選ぶ。その労力と時間は、まぁまぁ負担になりそうだ。


昔 聞いたことがある話。

その人は自分の会社からのお香典やメッセージは辞退していたにも関わらず、会社から社員一同でお香典とメッセージが届いたらしい。ついでに花も。

その人は「しないでほしいってわざわざ言ったのに…。やる側はいいかもしれないけど、こっちは大変。仕事を増やさないでほしい。」と言っていた。


そりゃそうだよなと思った。

数十人単位でのお香典。そのお返しを考えるのは大変だし、時間も手間もかかる。まして辞退している人に送るのは、「ただの自己満足」でしかないだろう。辞退した側からすれば有難迷惑というやつだ。

送った側は、どうして辞退したのか?など一切考えていないと思われる。辞退した理由が分からないしても、辞退するには辞退するなりの理由があるのだから、本人の意思を汲んであげればいいのにと思った話だった。


自分自身も、あまりのお返しの多さに考えることに疲れ果てて、最終的に全員カタログギフトにしたという過去があります。笑



小規模な会社ほど断りづらい


そんなに嫌なら断ればすむことだろう。


もちろんそうだ。
こういう冠婚葬祭費は会社で出さないといけないという法律はないし、表面上は「有志」と言っているのだから、嫌なら断ればいいだけのこと。


しかし、そう簡単に片付く問題ではないのも事実。


大企業などは会社の規模も大きいし、人数も多いので多少 断りやすさもあるかもしれない。断る人が多い少ないに関係なく、普通に社員数が多いため、人と違った行動をとっても目立ちにくいこともあるだろう。(部署の人数が少なかったら目立つが。)

それに1人だけ断るではなく、他に断る人がいれば数人で一緒にお断りを入れるということもできるだろう。

しかし、社員の人数が数十名の小規模会社では、他と違う行動を取ると目立ちやすく、孤立したり酷い会社だったら村八分にされる危険性がある。なので嫌々ながらも付き合わざるを得なかったりするのだ。

また、小規模な会社の中には「社員はみんな家族!」という社風(雰囲気)の会社もあるので非常に厄介。そういう社風の会社も、とても断りづらいのだ。というか、そこまず断れないだろう。

断ると「協調性のないやつ」と訳の分からないレッテルを貼ってくる人がいるのも厄介だ。どうして「有志」の金銭徴収のお断りが協調性に繋がるのか意味不明だが、繋げる人が1人や2人はいるので非常にやりにくい。



まとめ


こういう話になると、ケチくせぇ!と思う人もいると思う。気にしないという人も、もちろんいると思う。

私も最初は、半強制徴収を何とも思っていなかった。それは「社会ってこんなものなのかも?」と思っていたのと、関わりのある人へのお祝いやお悔みばかりだったからだ。

色んな会社を渡り歩いてきた中で、この習慣がない会社もあり、徴収されるのが当たり前ではないということを知った。

そして、関わりのない人、全然知らない人へのお祝いやお悔みを出さないといけなかった会社では、「何か納得いかないな」という気持ちが湧いてきたのだ。「お互い全然知らないのにしないといけないの???」という疑問もあった。

そして、この半強制的徴収に納得していない人が案外たくさんいることも知った。その結果「したい人がすれば良いのでは?」と思うようになっていったというわけだ。


断ればすむ話でしょと思う人も もちろんいるだろう。しかし残念なことに、会社によっては「断れない会社」というのも存在している。

THE昭和という社風や体質の会社は、年長者たちのなかに「隣近所みんな家族」「社員はみんな家族」と思っている人も少なからず存在し、そういった社員の多い会社はだいたいが、「社員に何かが起こったら会社も何かしてやるべきだ!家族なんだから!」という雰囲気が非常に強い。なので断りにくい、もしくはとてもじゃないが断れる雰囲気ではないのだ。

納得してようが してなかろうが、全員が問答無用で年長者の指示に従わざるを得ない状況になっていることも珍しくない。

さらに、会社(社員)によっては、他と外れた行動を取る人間を村八分にしたり、悪いレッテルを貼ることもある。「協調性がない」と言われ、在籍しづらくなっていくのがオチだ。

こういう体質の会社は、冠婚葬祭費だけではなく飲み会や社員旅行などの社内行事も「自由参加」を謳っておきながら、実際は強制参加だったりする。

会社が提示してきた飲み会の日程がこちらの都合と合わなかったら、こちらの都合に合わせて日程を変更してくる会社も過去にはあった。

「〇〇日は、ごろごろさんが都合が悪いということなので、××日に変更します!みなさんの都合はよろしいでしょうか?」と言われたものだ。

こんなことを言われてしまっては、これ以降 何が何でも会社の都合に合せないといけないという強烈なプレッシャーがかかるようになった。

この会社に勤めていたときは、会社のために私生活を殺していて、本当に「苦痛」以外の何でもなかったのを覚えている。


どんな社風であれ、ハートが鋼の人なら気にしないかもしれないが、鋼のハートを持ち合わせていない場合は、断れない会社では どうにも断りづらく流されてしまう悲しさ。どんな会社であっても、断わる勇気を持ちたいものだ。


こういうのも「人付き合い」なのかもしれないが、同じ会社とはいえ接点もなければ、顔も名前も知らない人にもしないといけないのかは甚だ疑問だ。

冠婚葬祭費はあげるのも、もらうのも大切なのは気持ちだと思うので、お互いが気持ちの良い関係でいられるようにできれば良いのになと思う。


余談だが、こういう話になったとき「日本はこういう習慣を断れないのが普通だけど、海外では断れない人は優柔不断で自分がない人と見られる」などと言う人がいるが、ちょっとイラつく。笑

ここは日本だし、働いている人も圧倒的に日本人が多い。海外で優柔不断と判断されるから何だというのか?それとこれと何か関係あるのか?日本なんだから海外基準じゃなくて日本基準で考えるのが普通じゃないのだろうか?嫌だったら外国人を見習って断ればってことが言いたいということか?それができないから困ったねって話しているのですが?

と聞きたくなる。笑


ちなみに、現職場は福利厚生の中に慶弔金はない。全部、有志と言う名の強制徴収。

ここ数ヶ月間、立て続けに冠婚葬祭が続き、毎月給料から数千円天引きされ続けている。ただでさえ給料が安いため、毎月の天引きは地味に響いてきて困っている次第だ。

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