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一周回ってわかった、本田圭佑の言葉

こんにちは、goroです。

今回はサッカーに関する個人的な考え、感想のようなものを書きたいと思います。

実はここ2年ほどひしひしと感じていたことがあり、それがタイトルになっている"本田圭佑の言葉"です。

遡ること11年前。
2013年6月5日、前夜にブラジルワールドカップ出場権を獲得した日本代表の会見での話です。

重要な同点ゴールを決めた本田圭佑は、記者にワールドカップを勝ち抜くために必要なことを聞かれ、こう答えました。

「シンプルに言えば”個”だと思います」

本田はあえて選手名を出しながら、個々の成長の必要性を訴えました。

当時、日本代表と言えばイタリア人指揮官アルベルト・ザッケローニが、緻密な戦術に拘りながら香川、本田、岡崎の三銃士を見事に共存させ、アジアレベルの相手には圧勝、もしくは勝負強さを見せつける戦いを披露していました。

チームの印象で言えば、チームワーク、機能美、協調といった言葉が象徴的で、日本が世界に勝つにはチームワークだ!というものがいわば常識的な認識だったと思います。

別の見方をすると「(日本人が個で勝つには限界があるから)チームワークが大事だ」という文脈だったとも言えます。


そんな中で本田が放った言葉は、間違ってはいないがチームのサッカーとは逆行するような印象を世間に与えました。

もともと本田は孤高のカリスマのような存在で、メディアとしても面白いキャラクターだったでしょう。
それもあって余計に本田の特殊性(異物感)が際立つような報道が多かったのも記憶しています。

当時私も「こんな面白いサッカーしてるのに、本田何言ってんだ」くらいに思ってました。

そこから10年以上経過し、日本サッカーも随分と成長を遂げました。

ブラジルワールドカップの惨敗、ロストフの悲劇、ドーハの奇跡などワールドカップだけでも多くのドラマがありながら確実に進化しました。

そこで思うのです。


goro「本田さんの言うとおりだった」


本田さん、ごめんなさい。あなたの言う通りでした。

必要なのは個の成長だったのです。

細かく取り上げなくてもみなさんわかると思いますが、

三苫薫は世界最高のプレミアリーグで一人で敵の守備網を攻略します。

遠藤航はブンデスリーガでデュエル王となり、名門リヴァプールに引き抜かれました。

冨安は順調すぎるステップアップを果たし、怪我がちではありますが、健康体ならエースキラーとして相手を完封します。

今まで日本人は活躍できないとされていたラリーガでは日本人らしからぬメンタリティとクオリティを持った久保建英がソシエダを牽引しています。

他にも特徴を持った日本人選手はまだまだいます。


本田の言葉からの10年少々で多くの日本人選手が成長し、世界へ挑戦し続けてきました。

これこそが日本サッカーの必要なことだったのか、と今になって思います。


また、これは世界的なサッカーの流れで必然的に起きること、必要なことだったんだとも思います。

というのも、サッカー界の常識として選手のアスリート化が進んでいます。

ボールを扱うサッカー選手としてではなく、まるで陸上選手のような走力、格闘家にでもなれそうなパワーなどのアスリートとしてのフィジカル能力が必要になってきました。

これにより、サッカーではインテンシティ(プレーの強度)が重要視され、球際での攻防が勝負を分かつポイントとなりました。

そうなると、チームプレーとは別で、まずは「目の前の敵をどうするか」という課題が選手に突き付けられます。

戦術面では、技術力で劣るチームが前線からの激しいプレスや、いわゆるオールコートプレスと呼ばれるマンツーマンに近いようなゾーンプレスを取り入れ、強豪チームに対抗するのが当たり前になってきました。

従来よりも数的優位を作るのが難しくなり、数的同数でのプレー局面が増えていると思います。

故に選手たちは「1人でなんとかしなきゃいけない」「そこは1人で何とか耐えてほしい」というシチュエーションに当然のように直面するのです。

そこでも必要になるのはやっぱり"個”です。

1人で抜き去る力、1人で跳ね返す力、1人でキープし続ける力

そういった個の能力がより一層必要になっているのが今のサッカーのトレンド、時勢ではないかと思います。


個が成長したうえで、日本人の献身性・協調性からなるチームワークがあれば、高みを目指せる。

本田圭佑の言葉はそういうことだったんだ、と最近毎日のように感じます。

北中米ワールドカップまであと2年を切りました。

カタールワールドカップの時以上に各選手、ステップアップを遂げて世界と戦っています。

その融合がどこまで高みを目指せるか、今から楽しみでなりません。

今週はいよいよ最終予選です。

枠が拡大された出場権は焦点にならないでしょう。

それよりも、どんな個性を発揮してアジアを一蹴できるか、そこに期待したいと思います。

がんばれ、サムライブルー。


おしまい。

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