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2025年は総合商社がみんなのATMになるかもしれません。

こんにちは。八重洲リーマンです。

今日は珍しくまじめ?ビジネス的なお話をしようと思います。僕は日頃勤務先で金融ビジネスに従事していますので、たまには🙂

そんな僕が最近気になっているニュースがセブンイレブン(セブン&アイ)の買収に関する話です。

日本の最大手の小売事業会社がカナダ企業に買収されそうになっています。

カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタール(ACT)という会社が買い手です。難しい名前ですがカナダのセブンイレブンの様なコンビニですね。

何故カナダのコンビニが日本のコンビニを買収しようとしているかと言うと、セブン&アイの事業ポートフォリオの大半は北米のコンビニ事業だからです。 

売上の大半は海外です。
https://www.7andi.com/ir/financial/segment.html

セブンイレブンの歴史を軽く紹介すると、

  • 1927年、アメリカで誕生

  • 1974年、イトーヨーカドーが日本での事業展開の権利取得

  • 1991年、アメリカでセブンイレブン本体が倒産しそうになった時に日本のセブンイレブン(つまりイトーヨーカドー傘下)がアメリカ本体を子会社化。

  • 2004年、結果的にイトーヨーカドーの事業を大きく超える収益の柱にセブンイレブンが育ったこともあり、社名がセブン&アイ(iはイトーヨーカドーの頭文字)に

こんな歴史があるので、カナダのコンビニが日本のセブンイレブンを買収しようとする合理性はある程度理解できると思います。

そうです。北米事業を手に入れたいのです。

しかし、正攻法でセブン&アイを訪ねて「おたくの北米事業売って下さい」そう言っても、事業の柱を手放す訳がありません。

どうするか。

セブン&アイを丸ごと買って、欲しい事業を手に入れてしまおうという発想につながります。

セブン&アイは上場企業です。

上場企業とは、要は八百屋に売っている野菜と一緒です。上場していない企業は農家さんが個人的なつてで知り合いに売り捌いている野菜と一緒です。

要は上場している企業は、八百屋の野菜と一緒で、需給によって値段は上下します。

今のセブン&アイは、本当は2000円で売られていても良いシャインマスカットが、500円で売られているのと同じ状況です。
500円だったら買い取ってやろう。そう思う人がいても何もおかしくありません。

しかし、他にも欲しい人が出てきてもおかしくないです。

そうやって割って入ろうとしているのが創業家の伊藤家です。

買収総額が7兆円を超えてくる金額になるので資金調達にメガバンク、伊藤忠、北米のファンドを頼っている。

そんな状況です。

記事には北米のファンドは高いリターンを求めるのが常であるものの、日本マーケット進出の足掛かりにしたい。だからこの案件に取り組みたい。

そのような記載があります。

新聞にそう書いてありますが、同様の話を先日アメリカの投資家の方とお話をした際に聞きました。

日本マーケットがホットな理由は3つある。

  • 調達コストが世界の中でも突出して低いこと(円金利のことですね)

  • IRRではなくて会計上の利益で案件をはかる特異なマーケット。加えてイグジットを考慮しない戦略投資家の存在。

  • 商社の様な巨大なポートフォリオを持っている企業はシナジーを創出することができる。

こういった理由から特に商社と外資系金融機関がタッグを組んでMAに取り組む案件が増えていくことが期待されるそうです。

ウォーレン・バフェットが商社に投資している理由がここに詰まっているかもしれませんね。

今回のセブン&アイの対抗TOBも伊藤忠と外資系の投資会社が絡んでいます。

伊藤忠との共同案件の足掛かりを築きたい投資会社がこぞってファイナンスを提供するのかもしれません。

すると、創業家側も結局は外資系ばかりの案件になってしまうかもしれませんね。

引き続き状況を見守りたいです。




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