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ドラマSilent/風間さんと夏帆の回想シーンは皆の思春期

こんにちは。八重洲リーマンです。
今日は最近妻とTVerで見ているSilentの第8話を見て思ったことについて書きたいと思います。

それは風間さんと夏帆の2人の関係性の過去の回想シーンです。

(以下、ネタバレを含みます)

大学の授業で耳が聞こえない夏帆のサポートとして、授業の内容を書き取るボランティアをしている風間さん。

最初は「就活で有利になるからだよ」と友達にはドライで現実的な理由でそんなボランティアをしていると言います。

しかし、障害を抱えながらも明るくまっすぐに生きる夏帆と関わっていくうちに、次第に生涯のあるなしに関係なく、人として女性として魅力を感じている自分に気付きます。

夏帆も風間さんに惹かれはじめています。
徐々に距離感を縮めていく2人。

夏帆の為に自分ができることをやりたい。
そう思った風間さんは大学の手話サークルの集まりに夏帆を呼び出します。
手話サークルのメンバーは皆健常者で、「手話ネイティブな人と手話をしたかった」と言います。

その集団と風間さんを前にした夏帆は怒ってその場を去ります。

それを追いかける風間さん。
喧嘩をはじめる2人。
風間さんは夏帆の為を思ってやったと言い、夏帆はそれが偽善の自己満だと言う。

その場で激情した風間さんは遂に絶対に口に出してはいけない「本当は喋れるのに手話で夏帆と話すのはくたびれる」と言い放ってしまいます。

翌日に学校ですれ違う2人ですが、そこで2人とも一言も交わさずにすれ違ってしまいます。

何とも切なく、リアリティのあるシーンです。
甘酸っぱい青春の1ページであり、人生経験として余りある教訓を与えてくれるエピソードです。

僕はそもそも夏帆が怒り出した本当の理由は、風間さんと2人の時間を楽しめると思って出向いたら、知らない連中が沢山いたからではないかと思っています。

それが健常者の手話サークルの面々で、そいつらが偽善に見えたのも間違いないと思いますが、あくまでも入口は2人の時間を邪魔されたことなのではないかと思いました。

加えて、そんな奴らを連れてきたのが自分が今最も気を許している風間さんだったことにも感情が沸騰してしまいました。

もちろん風間さんが悪意を持ってそんな企画をしたのではないことは百も承知ですが、気付いたらキツイ言葉を投げてしまいました。

風間さんはショックを受けます。
心から夏帆の為になることをしたくて一生懸命考えて企画したのに。
夏帆の言わんとすることは分かりますが、自分を否定されてしまうと、しかも今自分が一番気にかける人に。

条件反射的にキツイ言葉を投げ返してしまいました。

やばい。ここで解決しないと取り返しがつかなくなるかもしれない。2人ともそう思っていますがまだまだ若い2人。
「ごめんなさい」がその場で言えません。

翌日にもお互いが謝って前に進むチャンスはありましたが、そのチャンスを逃した時にもう関係が修復できなくなる事実をまだ若い二人は知りません。

そしてその機会を逸してしまう。

同じ様な経験を男女共に経験したことのある僕は感情移入して見てしまいました。

ちゃんとドラマを見ているわけではないのでこのシーンがドラマの中でどの様な意味があるのかは分かりませんでしたが、同じ様な経験を実際に味わったことのある人は沢山いるのではないかと思います。

そんな人間関係の難しさを、若い2人の幼さを風間さんと夏帆が見事に表現していた、素晴らしいシーンでした。

あまり動きのないドラマですが、この様な人間関係や感情の行き来を丁寧に表現し、作り込んでいるのは作者の意図を感じます。

ほとんど見ていない僕でも楽しめる良いドラマですね🙂


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