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『This is my Column_240920』Vol.4 レコーディングあれこれ①

「勘と度胸にも限界がある」
ミュージシャンのお仕事のスタートはコーラスでした。今は色々な楽器を演奏したり、作編曲をやったりしていますが、スタートはコーラス。最初のお仕事は何だったか覚えていませんがレコーディングだったのは確か。CMだったか、カラオケのガイドヴォーカルだったかだと思います。20代後半でした。
譜面読めなかったなぁ。今も弱いけどね。譜面もハモリも手こずってたなぁ。
覚えちゃえばなんて事ないメロディやパートなんですよ。でもね、お仕事のレコーディングって覚えて歌うんじゃないんです。その場で譜面渡されて、「今日はこれお願いします」なんです。シンプルなやつだったらその場で覚えられますが、渡されるまでわからない。手強いやつだと何回もテイク重ねてやっと身体に入ってきて、よし!うまく歌えるかもという頃には「お疲れさまでしたー」という時間。もう一回やらせてーとはとても言えない。ギリギリオッケーの不甲斐ないテイクを残す事になるのです。
僕は音大出身じゃないのです。音楽の勉強はしていません。大学は青山学院大学経営学部なんです。ずっと音楽はやっていましたが、譜面なんか使った事がない。でもお仕事は全て譜面ベースです。こんなんがよく長年スタジオミュージシャンやってきたなって思います。
全部耳でやっていたので、今出てる音にハモればよい!というある程度の「勘」はあったのです。あと譜面と合ってるかはわからないが、まあいいやハモってみよう!という「度胸」かな。 でもね、当たり前だけどそれにも限界があるのですよ。CMなんかの短い曲で、複雑なジャズハーモニーだったりしてすごーく手こずった事もあります。勘も度胸も通用しない。
スタジオへ予定時間よりもすごく早く行って、今日の譜面ありますかー?ていち早くゲットしてスタートまでに必死でさらう、というのが僕のやり方でした。
もちろん事前に譜面を送ってもらえる事もたまにはあります。とても複雑なアレンジの場合とかですね。僕が仕事を始めた頃はインターネットがなかったのでpdfでとかではなくて郵送かファックス。で、そんな時に限ってファックスの紙が途中できれたりするんですよね。
レコーディングでは現場でアレンジの変更なんか普通にあります。例えばハーモニーの音域が低いとか高いとかでかパートを上や下に展開しましょうとか。下からミソドでハモっていたのをソドミに変更とかね。せっかく身体に入れてたのにいきなりのパートチェンジ。だからもし事前に譜面をもらっていた場合は全パートさらっていくのが鉄則。
…………..はい、ここまで来てやっとレコーディングのスタート地点。お仕事はここからです!

1番大事なことは、適切な質感にてしっかりと結果を残すこと。

そ こ は ま か せ ろ!!

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