わたしには誰も救えない
元夫は心の病だった。
どうやって治せばいいか分からなかった。
あの時いったいどうすればよかったのか
その答えを知りたくてここまで来た。
こんなに勉強して
こんなに自分の内面と向き合って
こんなに自分の身体と向き合って
ようやくここまで辿り着いた。
わたしなりの答えを手に入れた。
それなのに!!
けっきょく目の前の苦しんでいる人を
わたしは助けられない。
救うことはできないんだ。
こんなにたくさんの答えを持っているのに
その人を目の前にすれば
どれも全然役に立たない。
その人には段階があって
受け取る準備ができていなくて
わたしは他人を変えることができない。
わたしは本当に無力なんだ。
苦しんでいる人を前にして
わたしはわたしでいることしかできない。
わたしがわたしでいることが
唯一できることなんだ。
自分の無力さに絶望する。
自分の無力さに心底絶望するために
わたしはここまでやってきたんだね。
わたしは元夫を救えなかったし
これから現れるであろう苦しんでいる人たちを
救うこともできない。
それが真実。
それを受け入れなければならない。
その人はその人のベストの選択を重ねて
今ここにいて、
わたしがするべきことは
その人の選択をリスペクトすること。
起こるべきことが起こっていて
すべて大丈夫なんだと腹から信頼すること。
そのためにわたしは
いつでもわたしの真ん中にいて
地に足をしっかり付けて
今を味わって
愛の状態でいなければならない。
救えないと絶望する自分に
どこまでも寄り添って
わたしはいつでもわたしでいる。
わたしが心底絶望して
本当に他人を救うことは
できないのだと思い知るまで
手を変え品を変え、
苦しんでる人が
わたしの目の前に現れ続けるのだろう。
今までもそうだった。
今回もそう。
これでもまだお前は救いたいと思うのか?
お前に救えると思うのか?
その人はお前に救われる必要があるのか?
わたしに問われている。