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海外医療ボランティア ケニアでの3週間

 お久しぶりです、初期研修の終わりに長期間の有休を取得することができケニアでの医療ボランティアに参加しました。自分の備忘録も含め、共有できることを掲載したいと思います。

自分のバックグラウンド

 大学では医学を学び卒業後は比較的田舎の地域で初期研修を送っておりました。海外在住や留学経験はなく、学生中から初期研修中にかけて度々ヨーロッパやアジアなどを旅行していました。学部6年の頃にひょんなことから米国医師免許(USMLE)の勉強を始め、初期研修2年時にECFMG(米国でのレジデント応募に必要なライセンス)を取得しました。初期研修終了後は国内で専門研修予定です。


このボランティアに申し込んだ理由

  1. 元々海外志向だったが、留学経験がなかった

  2. 中々応募できるプログラムがなかった

 私事ですが数年以内にアメリカに予防医学のレジデントを目指しています。しかしながら、試験勉強のための医療英語は2年半くらいしていたものの、リアルの医療現場で使う機会は皆無でした。アメリカでの就活に際し、そうした経験のなさから何をどうすればいいのか、何の能力が足りていないのかが全く分からず、腰が重い状態が続いていました。また、実際に海外の医療現場を見たことがなかったため、本当にアメリカで医療を学びたいのかについて強い疑問が自分の中にありました。実際に海外での医療現場に足を踏み入れて自分の実力を確かめる、実際に海外の医療を経験してモチベーションに繋げることが大事だと思い海外のプログラムを探しました。
 しかしながら、TOEFLの点数が必要だったり、より専門的な医療技能のライセンスが必要だったり、学生限定のプログラムだったり、期間が合わなかったりと中々申し込めるプログラムがありませんでした。今回応募したproject abroadはライセンスや英語技能の試験の必要性がなかったため、ボランティアに参加することができました。


参加してみて感じたこと

  1. 実際に海外医療に触れることができた

  2. 今後のアメリカでの就活に向けて自分の課題がクリアになった

  3. 興味のある分野が増えた

  4. 普段のコミュニティでは会えない人々と仲良くなれた

  5. アフリカがかなり良かった

 現地でのボランティア活動は地域の公立病院と地域の診療所での活動に携わりました。地域の公立病院はそれなりに診療科があり、透析施設などもあるそれなりに大きな病院でした。日本とは異なり平家の診療科の建物がいくつもありました。自分は来年度より救急科に進む予定でしたのでボランティア期間中は救急科を選択しました。日本との違いとしてやはり、機材が圧倒的に不足しているなと感じました。診療行為も日本とは結構違っているものを感じましたが、その土地の慣わしだと考えそれに準じてボランティアに参加しておりました。リスニングが得意ではなく、コミュニケーションには難があったため、なるべく控えめに無難に取り組んでいました。そんな消極的な状況でしたが、自分にとって大事なできごとに出会えました。
 ある日、鼻血の方が来院されました。鼻血だけならいいものの、鼻血が気道につまり気道閉塞に近い状態となっておりました。その事態にはいち早く気づけたもののそこからが地獄でした。気道閉塞を解除するための処置の必要性を必死に拙い英語で訴えかけましたが、自分の意見は全く通らず英語ができる地域の人の意見しか採用されておりませんでした。幸いにも完全な気道閉塞までは至らず、何とか一命は取り留めることができましたが、最後まで自分が求めた処置は実践されませんでした。自分にとってはかなり辛い経験でしたが、よくよく考えると自分にもかなり原因があるなと感じました。


1. そこで完成している輪に入り込む努力をしていなかった
2.英語でのコミュニケーションに難があった

 現地の医療現場での人間関係は元々完成していたため、自分は完全に外様の立場でした。海外の医療現場に飛び込むにはそこで完成している輪に自分から入り込む努力が必要がありました。簡単な挨拶や簡単な医療コミュニケーションはECFMG取得の勉強でできていたものの、深いコミュニケーションはできていませんでした。現地の輪に入り込むにはリスニングを始めた英語力、輪に入り込む積極性・パッション・コミュニケーション力が圧倒的に足りていませんでした。海外医療に触れる前まではTOEFLのスコアくらいしか思いつきませんでしたが、海外で就活、仕事をする場合は輪に入り込む積極性・パッション・コミュニケーション力も同じくらい必要なことがわかりました。
 今までは途上国の医療にはあまり興味がありませんでした。ケニアでの医療現場に触れてみて、途上国での医療も興味が出てきました。途上国での医療は治療を必要としていても、お金の面や設備や医療スタッフ不足で十分な医療を受けられずにいる方々が多くいらっしゃいました。ワクチンが普及しておらず、日本では広まっていない病気の罹患率も圧倒的に多く課題が山積みに感じました。医師として途上国の医療現場に貢献する道もやりがいが強くあり興味が出てきました。また、医師としてだけでなく、公衆衛生の面からのアプローチも非常にやりがいがあると感じました。
 自分のボランティア期間中は春休みということもあり、思いの外たくさんの日本人の方と出会えました。ケニアのボランティアに参加するだけのこともあり、普段は出会えないような考え方の持った方々と話をする機会があり非常に学びが深かったです。
 当初は正直なところストレスフルな環境を求めケニアを選びました。しかしながら、現地のケニア人は非常に優しく拙い英語の自分にも積極的にコミュニケーションをとってくれました。また、自然豊かで住みやすくご飯もシンプルなものが多いものの美味しかったです。行く前まではアフリカに対しては途上国のレッテルのみを貼ってしまっていましたが、実際に行ってみると非常に魅力的な地域でした。

コーヒー農園

今後の展望

   今回の経験を通して、現地の環境に身を置くことが何よりも大事だと感じました。数年以内のアメリカでのレジデントを模索しているため、就活の意味も含め今年はアメリカの実習にどんどんアプライしていければと思います。費用、英語力の面など課題も多いですが、実際に海外医療に触れてみて敷居が大分下がったような気がします。また、レジデントの応募には必須ではありませんがSTEP3があった方が有利みたいなので今年中に取得できるように取り組みたいと思います。
 最後に自分は海外志向のためにこのプログラムを選びましたが、そうでない方も貴重な経験になると思いますので非常におすすめです。

SAMBURU in KENYA


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