生成AIの活用の進化を示したAI博覧会2024Summerをレポート
2024年8月30日、ベルサール渋谷ファーストで開催されたAIsmiley主催のAI博覧会を見学しました。このイベントでは、60を超える企業が展示を行い、前日の29日を含めた2日間で22の講演が行われ多くの見学者で通行がし難いくらいの盛況でした。私が特に注目した展示内容について概要を紹介します。
1. 特に注目した展示内容
(1)株式会社豆蔵の「おしごとモデルズ」(図1)
概要: 業務分析やシステム化のために、生成AIを活用し、現状の業務フローをモデル図にして可視化し、業務改善の提案まで行うサービス
特徴1: 前回3月の同博覧会でも見せていただき注目していましたが、今回、更にバージョンアップしていました。具体的には、現状の業務プロセスを簡単なフォームに入力するだけでモデル図を自動作成し見える化してくれるところは大きく変わりませんが、表示方法/内容が洗練されました。実際に業務部門やそのシステム部門が使うだけでなく、専門家集団のコンサルタントにもニーズがあることが分かったそうです。なぜなら、本サービスの使用によりモデル図が標準化・統一化されることで、担当者毎に表現が変わってしまうリスクを回避できるメリットがあるとのことです。
特徴2:更に、前回も業務プロセスの問題点を素早く発見し、それに対する複数の改善案を提示する機能もありましたが、今回は、その会社毎の前提条件を事前に入力しておくことで前提条件を踏まえた改善案を出せるようになりました。ますます本当のコンサルタントに近づいて来ています。実際若手コンサルも参考にしているそうです。使ってみたいと思いました。
(2)株式会社メタバースの「ボットバードforビジネス」(図2)
概要: 高性能AIチャットボットを安価に作成するサービス
特徴: AIチャットボットは一般的になりつつあり、本博覧会でも多くの展示がありましたが、メタバースが本職の会社だけに、本サービスは、見た目に拘り用途に応じて多くのデザインから選べるようになっており、キャラクターが音声で会話する形まで用意されているとのことでした。生成AIに親しみのない社内外ユーザーに使ってもらうにはこういった工夫も大切だと感じました。
2.イベントの印象
展示会の盛況: 前回同様にAI(特に生成AI)を活用したサービスや企業数の拡大とそれに対する見学客の期待の大きさを実感しました。
サービスの画一化: 前回以上に顧客に合わせて生成AIの活用を手伝いますという形の展示が増えており、特色のあるパッケージサービスが物足りないという印象でした。
ChatGPT以外の生成AIの認知: 前回よりもChatGPT以外の生成AIが使えますという表現が目立ってきており、他の生成AIの認知度が上がっているのを感じました。
3.まとめ
前回に続きAI博覧会を見る機会を得ましたが、今回も各社の生成AIを活用したサービスを一気に見られる貴重な機会でした。今回の展示で特に、株式会社豆蔵の「おしごとモデルズ」と株式会社メタバースの「ボットバードforビジネス」は、他の展示とは一味違っていて興味深かったです。
また、今回は講演にも参加できて、「埼玉県戸田市の生成AI活用の取り組み」を聞くことが出来ました。その中では、大山デジタル室長から市長の強力なリーダーシップの元で全てのサービスをスマホ化する取り組みなどのお話があり興味深かったです。
今後もAIの技術革新と社会への影響に注目して行きたいと思います。